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魔法はやはり素晴らしい  作者: 栗鮑菊
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イメージ不足

はぁ……。

家に帰った後でキセルを吸い、煙とは別の息を吐く。

そして吐いた煙を操作しながら考える。


何故これだけ魔力を操作出来ているのに小さな砂つぶが作れない?

魔術を込める時の様に繊細に出来ない。

どうしてもある程度出力しないと石が生成されない。

何故だ。


ねえテト、あなた砂つぶを作り出せる?

近くでテナの料理を作る様子をぼんやり眺めていたテトに聞く。


突然だねー。どしたの?何かに必要とか?

頬づえしながらこちらを向いて尋ねてくる。


いや、土魔法の授業で練習してるのよ。どうしても小さくならなくて。

そう言って今一番小さく出来る石を出す。

大体小指くらいの大きさだろうか。

大きく作っても親指くらいにしかならないので大して変わらない。


どうしてもこれくらいの大きさにしかならないのよ。大きくしてももう少し大きくなるだけ。


ふーん。なんで?

いや、なんでって言われても困るのだが。


ある程度魔力込めないと石が出ないのよ。なんでって言われてもそれしか言えないわ。

大きくしようとした場合は逆で、魔力を込め続けても勝手に生成される。


なるほどー。私はこうテキトーに小さく作ろうと思ったら出来るし、テナは?

雑だな。流石元悪魔。生まれた時から出来る事に理屈なんて無いのか。


粒ではなく砂として出せばいいのでは?

魔法を使わずに料理をしながらテナがアドバイスをくれた。

そうかその手があるか。


それなら魔力を込め過ぎても砂つぶになるね!流石はテナ!

パチパチと手を叩きながらわざとらしく褒める。


ま、物は試しってね。

早速砂を作ってみるが、出来たものは……砂岩?


何これ……。

ガッカリしたのを隠しもせずに呟く私をよそに、砂岩を見つめるテト。


ねえカナタ。どうイメージしたの?普通サラサラな砂をイメージしたらこんな岩にならないよ。


サラサラなイメージというか、魔力を細かくしようとしたんだけど。


あ、そこからか。

何かを納得したようにそう言うテト。


多分学校でそのうちやると思うんだけど、魔法の形を変える時とかってイメージが重要なの。カナタは今まで魔道具とか使ってたから魔力ばっかり見てるんじゃないかな?

確かに魔力をどうするかしか考えてなかった。

そのまま説明を続けるテト。


ある程度魔力だけ見てても出来るんだけど、それだと出来ない事もあるの。例えば水魔法で氷を出そうとしたら?イメージの方が分かりやすいでしょ?


なるほどね。けどそもそも氷魔法は使える人が少ないでしょ。

前世でも使える人がほぼ居ない魔法だった筈だ。それを例え話にされても困る。


まあ氷を出すには相当火魔法の理解も無いと出来ませんからね。

テナが料理を運んで来ながら会話に混ざる。


ん?火が?風じゃなく?

魔道具にも周囲を冷却する物があるがそれは風の魔力を込める。

ちなみに魔法陣の場合はそもそも属性的な考えは必要無い。


風魔法なら周囲を冷却する感じになりますね。原理は似たようなものです。そう言えば魔道具で氷を出す時はどうしてます?


んー。水の魔力を固形で出るように魔術を込めてるかな。別に火の魔力は使わないかな。


えっ。

テトが驚いた顔をする。

何がおかしいのだろう。


え?前も食べ物を保存する為に作ってたから知ってるでしょ?


いえ、うちでは私が空間魔法で保存していたのでカナタの魔道具は販売用ですしそこまでじっくり見てません。

えぇ…。というより空間魔法という初めて聞いた単語の方が気になってきた。


ねえその空間魔法って何?初めて聞いたんだけど。


あー、悪魔でもテナしか使えないと思うよ。私でも無理だったし。

テトは溜め息を吐きながらテナを見る。


説明が難しいんですよ。原理もイメージも言葉にしにくいですし。

テナにも説明出来ないとかどんな魔法なのか。


まぁ空間魔法は今度じっくり見せてもらうか。さ、冷める前に食べましょ。

そう言ってテナの料理を食べる。


ん。今日も美味しい。

テナに賛辞を送りつつイメージという要素について考えを巡らせるのだった。

まだ自分の中でどうするのかふわふわりんなので閑話を投稿しておきます。

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