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 気がつくと、白い壁に囲まれたような場所に佇んでいた。

 部屋とは思えない広く大きな空間で、色の着いたものは全く存在せず”白”一色の場所であった。

 どうしてかわからず、辺りを見渡すものの、ヒントになりそうなものは見つからずにいた。



 どのくらい時間が経ったのだろうか。

 不意に、大きな泣き声が周りを振動させて響き放つ。

 大きな泣き声の正体は、生まれたての赤子の鳴き声だった。声は、拡散するようにその場全体に拡がっていった。

 そして。

 

 今まで白い色しか混在していなかった場所に、色んな色が生まれ始めた。

 下は、緑と青と水色が生まれ、草原と湖が出来上がり、上は藍色と金色が生まれ、星空が出来上がった。

 

 星空から沢山の赤子の鳴き声がしたが、やがて上空に吸い込まれるように消えていった。


 「皆、旅立ったんだよ。」



 見送るように星空を見上げていると、背後から穏やかな声がした。声の方に振り返ると、ひとりの少年がゆっくりと此方へ近づいているところだった。


「何処へ?」


少年は、天に人差し指を翳すとくすりと笑う。その瞳は、目の前の人物を愛しむ柔らかな光を放っていた。


「君が以前に居た世界へ。」

 



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