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暁鐘  作者: 獅子王
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別離

前進には勇気が必要である。希望がなければ前進はできない。

勇気を出せ!希望を持て!


暗雲立ち込める中、十一月が来た。山原伸広は深い思索をしていた。いつになればこの状況から脱せるのか、いかに動けば良いのか、など彼には答えの出しようのない難解なものであった。

一筋の希望の光は遠くから差してきてはいたが、それを彼が実感するには至っていなかった。彼が実感するのは彼にとって遠い未来であったであろう。

黎明の足音が近づくまでの激闘は想像を絶するものであった。

ゲーテは語る。「前進をしない人は、後退をしているのだ。」と。

たとえ停滞していようとも周りは常に前進している。周りが前進している限り標準もまた前進している。それゆえに停滞は後退と言えよう。

ある詩に「建設は死闘 破壊は一瞬 惰性は暗 希望は明 後退は死 前進は生」との一節がある。

建設は死闘である。しかし、破壊しようと思えば一瞬である。苦労したものも一瞬にして崩れ去ってしまう。

山原伸広は今、死闘の建設をしているのである。


伸広は大栗川で上山正輝と語り合っていた。夕陽が沈みゆかんとする中で二人は静かに語り合っていた。深い語らいであった。

伸広は哲学、宇宙論は全くの無知であったために上山との話は興味深いものであった。後年の彼の哲学もこの時に多くが形成されたといっても過言ではない。

ある日、上山は決意したように話し始めた。

「実は転校することになって…」上山はそう言ったきり黙ってしまった。

月明かりのみが彼らを照らしていた。川の香りが辺りに立ち込め、夜の沈黙に包まれていた。

伸広は言葉を探るようにして話し始めた。

「一人一人違う道があるし、違う方法がある。お互いの大舞台で頑張ろうよ。」

彼の声に力がこもっていた。深い悲しみもこもっていた。

彼は帰路、夜空を仰ぎ一人思索した。

しかし、解決には至らず、様々なことが頭に浮かぶばかりであった。

この日、山原伸広は大きな前進を始めたのである。希望の光へ、希望の未来という大空へ。

彼には苛烈なる苦難が待っていたが、彼は恐れなかった。新しい未来があるがゆえに、彼には不屈の心が芽生え始めていたのである。

希望への歯車が少しずつ回転し始めたのだ。

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