ある日の自警団業務日誌
06月09日 記 自警団三班 アラン=ヴィレッジ
08:30 朝礼 夜番との引き継ぎ
10:00 第二層第三層巡回
11:45 三層で肉屋とパン屋の喧嘩の仲裁
12:15 昼休憩、昼食はパン屋で購入したチキンサンドイッチ
13:30 落とし物を届けられる、品物は男性用下着(下)
14:15 『黒竜』ギュスノ(十九歳)が強盗傷害未遂犯七名を捕縛し連れて来る。『黒竜』の説明によるとあの白雨亭のアイドル、シャーロック=ロイカ(自称十四歳)を襲おうとしたそうだ。……先輩達が怖すぎる……ええと、決して連れてこられた時よりも傷が増えていたりはしない……。
15:00 『黒竜』が少数精鋭パーティー『バルカン』を告発、双方の言い分を聞くことを決める。
15:30 三班で『バルカン』を理由は伏せ任意同行。
同時刻 『バルカン』『黒竜』を視認、即攻撃を開始、自警団員制止を試みるも『黒竜』の方が早く反撃、ギルドホール本部に四名なだれ込む。……『狂黒』の由来を実感、自分に向けられた訳では無いその殺気に硬直する。……逃げたかったが先輩達に無理矢理本部まで連れて行かれた。
15:45 『狂黒』『バルカン』を行動不能にする。……おいあの三人下十でのクエストを軽くこなす実力者だぞ!?
15:50 シャーロック=ロイカ(自称紅顔の美少年)がギルドホールに到着。何故か受付に依頼品を提出。何故か受付嬢も受け付ける。そして手続き終了後普通に『狂黒』に話し掛ける。そして普通に帰ろうとする。いや!? 待って!! 行かないで!! お願い助けて!! 懇願を聞き入れてくれたシャーロック=ロイカ(自称戦闘力皆無)『狂黒』と会話を試みる。何故か挨拶を交わすところから初める。……何故命の恩人の名前を互いに知らない!? 『狂黒』『バルカン』を解放、『狂黒』『バルカン』に『放置』された事を告発、即『バルカン』を拘束。
16:05 十名を簡易裁判にかける。そしてラウ副班長がシャーロック=ロイカ(自称貧乏人)に強盗傷害未遂についてと『黒竜』を拾った状況について聞く。それと『黒竜』の証言の矛盾が無いと確認。
16:20 十名全員ギルドカード没収の上一時間の猶予後市外退去処分に決定。僕達は『バルカン』のアパートについて行き退去を確認する任務を受ける。
17:30 ギルドホールに帰還。白雨亭オーナー、ロムス=マージと『黒竜』が何故か戦闘をしている。……ええと、自警団員としては仲裁すべきなのだが…………絶対に無理!!
17:35 シャーロック=ロイカ(自称普通で平凡な美少年)が二名を仲裁。……彼女には普通と平凡の意味を是非調べ直してほしい。
17:40 白雨亭の三名帰宅。ギルドホールの片付けをする。
20:30 夜番との引き継ぎを完了。
* * *
「……アーラーンー? シャーロック君の性別は男の子だってことになってんだ! 彼女とか書いてんじゃねぇ!! 後七人の怪我増やしたりなんかしてねぇ!! それから『黒竜』にビビりすぎだ!!」
「すみません!! ……ええと、でも先輩も『黒竜』を遠巻きにしてた一人で……」
「アーラーンー?」
「うう、すみません!!」
「……ハァー、『銀竜』がいれば『狂黒』を止められたんだが……」
「はぁ、本当にそうですよね、……第五迷宮まで商会長の護衛でしたっけ?」
「ああ……もうそろそろ帰って来るはずだが……『銀騎士』ぐらいしか『黒竜』とまともにやり合えないからな……まあ迷宮外で『狂黒』はめったに見れねぇし、体力も多分落ちてるはずだ、しばらくはおとなしくしてるだろう……きっと」
「……はい、僕もそう願います。……では日誌の修正をしてから再提出します。……お手数おかけします、ラウ先輩」
「まあ、副班長の義務ってやつだ。お前は若手では最も優秀だしな」
「っ! はい! ありがとうございます! 先輩!」
『自警団』
十三迷宮市と十三迷宮ギルドが協同で運営している組織、
八十人ほどの団員がいる。
朝番と夜番が三組の六班までが市内担当、七斑と八斑が遊撃部隊。
多くは無いが給与と装備代の補助があり、
主に定期収入を求める家族持ち達が所属。
実力はピンキリ、尊敬と信頼と侮蔑とやっかみをうける。




