scene3 討伐
中央シャフトに付いた階段を駆け降りながら僕は先輩に問い掛ける。
「下十の守護者! どれくらいで倒せますか!?」
下五の守護者は討伐されてたけど下十は健在だったんだ! 急いでいるのに!
「……無茶をすれば……五分」
「では無茶して下さい!」
下十にたどり着いた僕は、上がった息を整えながら扉をさす。先輩が頷き開いた先は、
光を飲み込んでいた。
* * *
下十階層の階層守護者は四十七匹の様々な属性のバットと、奴らを支配する。蝙蝠の羽を持つ美しい女王。
数の多いザコ達とそれを操る知性の高い人型モンスターは、照らされることを拒むようなフィールドと相まってとても厄介……らしいんだけど……、
「……吹き荒れろ、焼き尽くせ、全てを灰塵に! 『炎竜巻』」
バット達の攻撃で無数の傷を負いながらも、構うこと無く続けた詠唱が終わり。フィールドは先輩と、せめてその背をと、ナイフでバット達を弾いていた僕の立つ場所をぽっかりと空け、蒼い炎に包まれた。
その凶悪なまでの暴力が過ぎた後、残っていたのは……、
「……ふん、女王を冠するだけはあるか」
美しいドレスも、立派だった羽も、ボロボロになった女王、ただ一体、けれどそんな彼女も、
「…………!?」
悲鳴すら上げられず切り捨てられた。
「……行くぞ」
そして、自らの頬や太ももから流れる血も、床でキラキラと輝く魔石にも頓着せず、僕に手を差し出す相棒を見て、僕は、
──ああ、この人と組んで良かった。
そう、改めて思ったんだ。
『ヴァンパイアクイーン&バット47』
下十階層の階層守護者。
四十七匹の様々な属性のバットと、
それを操る美しい吸血鬼の女王。
闇に包まれたフィールドから突如襲って来るバットと、
闇魔法を使う女王のコンビネーションは厄介。
ちなみにこの島の人々は吸血鬼を知らない。




