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『僕』と『先輩』の迷宮と日常  作者:
第四話 冒険者シャーロック=ロイカの休日。
24/63

休日前

 




 お久しぶりでーす。


 来たよー。あなたの大好きなシャーロック君が。


 ……あはは、ツンデレさんだなぁ。


 ……はい、はい、とっとと話せ、と、ふふ、本当にあなたは僕のことが気になってるんだね。


 ……ツッコミ放棄!? 寂しいじゃないかー。


 ……はいはい話しますよ。日常のお話を、


 当然大事件はおきないからね?






「フフフ、今日のご飯はローストチキン~!」


 あの後白雨亭に戻り、ご機嫌で料理中の僕です。


 そんなご機嫌な本日のメニューは! メインは見た目からゴージャスなローストチキンワイルドライス詰め、そしてフレッシュハーブサラダとトマトスープとアンチョビが決めてのポテトグラタンなのさ! で、それプラス、


「んー、デザートはどうしようかな~?」


 メインもサイドもがっつりだからサッパリ系……お、


「ふふ、昨日メロンをもらったんだった。よしっ、メロンゼリーだ」


 じゃ、まずゼラチンをふやかして……そしてメロンをジュースにしよう!


「まずはメロンを真っ二つ、そしたらくり抜くて、で……潰す、潰す、潰す」


 んー、手間だよねー、先輩早くミキサー作ってくれないかなー、


「そしたら一部を火にかけて……砂糖とレモン少々……溶けたらふやかしといた粉ゼラチンを……で、残りのジュースに加えて……残しておいたメロンの皮を器に、っと」


 よしっ、後は保冷庫にお任せだ!


「次は……サラダだね」


 今日、採取してきたハーブの中で生でも美味しいものを選んで、っと、それにレタスを……よしっ、


「後は出す直前にドレッシングだね」


 これも保冷庫で冷やしとこう。じゃあ、次は、


「メインのローストチキンの詰め物の準備」


 人参、玉葱、セロリに採ってきたチャイブスをみじんに、そしたらワイルドライスと合わせて……、


「風切り鳥に詰めていこう」


 うん、良い感じに詰まった。じゃあ、


「皮に切れ込みを入れてローズマリーとタイムとローレルをさして……よしっ、後は焼くだけだ!」


 その前にポテトグラタンの準備だけどね。



   *   *   *



 ポテトグラタンの準備も終え、第一陣をオーブンに入れました。で、


「最後にトマトスープだね」


 ラストスパート行くぞー!



   *   *   *



 全品もうすぐ完成です! ってことで当然、


「シャーロック君、出来ましたか?」


 ナイスタイミングでオーナー登場さ!


「はい! 第一陣分すぐにカウンターに並べます!」


「ふふ、では……」


 そしてオーナーが魔具で泊まりの皆さんに合図をし、食堂の入り口を開きました! 第一ラウンド開始です!



   *   *   *




 ──さて、どうしたものか?


 寮の玄関扉を睨みつけてる僕です。


「うー、両手ふさがってるしー」


 二人分の夕飯が乗ったトレイをプルプルしながら持ってます。


 実は、先輩が依頼されてた魔具、明日締め切りのがあったらしいんだよねー……うん、ちょっと申し訳ない。……まあ、もうちょいで今日採取した素材が切れそうだったらしいけど、っていう訳で帰ってから先輩は自室で作業してます。


 なんでオーナーから晩御飯を一緒に食べてきなさいと言われて来た訳なんだけど……、


「ドア開けられなーい、ノックも出来なーい、防音良すぎて僕の声量じゃ届かなーい、トレイを置く場所もなーい」


 先輩の部屋二階なんだよ。寮、外階段ないんだよ。白雨亭寮も含め防音良いんだよ。玄関近くに机や棚なんてないんだよ。


「……よしっ、行儀悪だけど足で……」


 と、決意し、片足を上げたら……バランスをっ!


「……何やってんだ」


 崩しかけたところでドアから出て来た先輩に支えてもらいました。そして流れるようにトレイを取り上げられました。


「ふわっ、ありがとうございます先輩! ……ってお出かけですか?」


 晩御飯どうしよう……いや、そもそも一人でお出かけできるの?


「いや、お前が玄関前で動かないから気になったんだが」


「へ、なんで僕がここにいるって?」


 さっき言ったけど防音はバッチリなのに!


「部屋にいる時は周囲に『探索サーチ』をかけてる」


「なんと!」


 用心深い! そして魔力が多い!


「で……動けなかった理由はこれで両手がふさがってたと」


「あ、はい、一緒に食べませんか?」


 僕は腹ペコです。


「……あー、俺の部屋、人を入れれる状態じゃないんだが」


 なるほど、作業中だもんね。


「ああ、じゃあ僕の部屋に……どうぞどうぞ」


 ってことで入って直ぐの僕の部屋へのドアを開いたんだけど、


「ん? 先輩? 散らかってはないですよ?」


 どしたの? 固まって?


「……オッサンの言葉じゃないがお前、もう少し危機感を持て」


 へ?


「だって先輩だもん」


 僕の中では危機感持たないカテゴリーに入れてますから。


「……たち悪ぃ」


 先輩はため息をつきながら部屋に入りました。


 ……んー、気遣い屋さんだなあ。



   *   *   *



「そういやお前、あの大量のハーブやら布は?」


 入って直ぐの部屋の二人掛けの机についたとたん、空腹に気付いたらしい先輩と競うように晩御飯を食べ、現在備付けのミニキッチンで入れた紅茶とともにデザートタイムな僕と先輩です。


 で、先輩、落ち着いたところで僕の部屋を眺めて物の少なさを疑問に思ったご様子。


「……まさかあの量を寝室に置いてんのか?」


 あ、聞かれる前に説明するね? 白雨亭の従業員寮は二間続きでバストイレミニキッチン付きの結構広いお部屋が一、二階に合わせて四部屋あって、で、三階がオーナーのお宅な屋上付き三階建てなんだー。で、僕は、


「いえいえ、オーナーに使ってない隣を作業スペースとして借りてるんです」


 一階の二部屋を使わせてもらってるんだー。


「……あのオッサン、甘やかしすぎだろ」


 うーん、否定は出来ませんけど理由はちゃんとありますよ?


「エヘヘ、オーナーが優しいのはまああるとして……薬の調合とかしてるんで」


 毒性のある素材とかも使って、


「……お前…………多芸、だな」


「ふふふ、養い親がねー、そういうのを生業? っぽくしてたんですよ」


 『お母さん』は魔女なのに魔法をあんまり使わない人だったんだ。あ、ちなみに、


「調香も教わってて、結構得意なんで石鹸やシャンプー、好みの香りで作りますよ?」


 白雨亭のアメニティーは僕のお手製だったりします。





 

『白雨亭その2』


二人いる従業員のサブ職業がともに生産職、

食材も迷宮でとって来てるDIYな宿屋。


アメニティーの石鹸等は常連客限定で販売中です。



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