第八話 初代色欲の神事件
話を終える前に一つ、事件に触れましょう。嫉妬の女神たちがしきりに言っており、怠惰の女神を狂わせる原因となったあの事件を。
事の発端は、創造神様が妖精界を創造される前──《エデン》での奇妙な出来事でした。いろんな者が力を失い、堕ちる──創造神様はほんの少しの好奇心で関わることとなりました。
しかし、解決はせず、創造神様は怖さのあまり妖精界を創り、逃げたのです。今の嫉妬の女神、憤怒の神、怠惰の女神、そして先代色欲の神を引き連れて。
そこで先代色欲の神──名前はルナントと言います──は怠惰の女神の膨大なパワーに目をつけます。そして、悲劇は起きたのです。
怠惰の女神はルナントにパワーを奪われました。その時パワーを振り絞り、メドゥーサの力を最大限発揮し──彼を石にし、ボロボロに崩しました。それ以降はメドゥーサの蛇はほとんど飾りと化しています。
暴食の神がこの事件で何を見たのか? ──彼は、二人の戦いを見てしまったのです。就任ほやほやの頃、完璧な善人だと信じていた仲間同士での戦いは怖かったでしょう、恐ろしかったでしょう。
まあ、ともかくあの事件はそんな感じです。怠惰の女神が恨みをぶつけた色欲の神は善人だったのですよ。