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第25話 義妹の悲劇の真実の件

投稿遅れて申し訳ありませんんんんん!!

これから少し忙しくなってくるので、ペースが遅くなるかもですが、マイペースに投稿し続けます!

必ず完結はさせるのでそこはご安心を!ですよ!

 クロエと優理に連れてこられたのは近くのファミレスだった。

 3人は席に座り店員から水を貰うと、適当に注文する。

 その注文したものが運ばれてくる。それと同時にクロエが話を始めた。


「安藤くんも気付いていると思うけど、今水原さんは周りの生徒達からいじめを受けているの」


「主に女子生徒からだね」


 そこに優理が補足を加えていく。


「そんなことは知っている」


 久人が知りたいのはそんなことではなかった。


「問題は・・・」


「どうしていじめを受けているか、でしょ?」


 クロエが久人の目をしっかりと見て言う。


「・・・」


 久人は黙るということで肯定を表現した。


「久人自身に心当たりはない?」


 優理が質問してくる。


「とくに心当たりはないけど・・・」


「はぁ・・・、だろうね」


 久人の答えに優理は分かっていたかのように溜息をつく。

 久人はそんな優理の仕草に軽い苛立ちを覚える。今の久人はこんな些細なことでも冷静を失ってしまう。


「優理たちは知っているのか!? 凜があんな酷い仕打ちを受けている理由を!?」


「ええ、知っているわ」


 クロエの紫色の瞳が久人の心を見透かしているかの様だった。


「教えてくれ」


「あなたは少し自分にも目を向けてみることね」


「どういうことだ」


もう久人は我慢の限界だった。

まどろっこしく言ってくる優理とクロエに噛みつくように前傾姿勢になって顔を近づける。


「はっきり言ってくれ!!おれにも分かるようにさぁ!!!」


「久人・・・・」


優理が驚いた顔で久人の眼を見つめた。こんなに感情的な久人を初めて見たからだ。いつも冷酷ともいえるくらい冷静な久人が水原凜という一人の女性のためにこんなに感情を出している。

それくらい彼女の存在が久人のなかでは大きかった。


「水原さんだけでなく、安藤くんも人気があった、ということよ」


「・・・」


少しの沈黙。

久人の人気。凛へのいじめ。それらの事実が少しずつ久人の疑問を紐解いていく。


「それは・・・どういう・・・」


認めたくない。しかし、そう考えればすべて合点がつく。わかっていても、確認を取らざるを得なかった。


「もう分かってるでしょ?」


クロエが言う。

久人は結構女子から人気があった。その久人を男子に人気だった凜に取られたとなれば、他の女子は良い思いはしないだろう。

それに久人は今まで数人の告白を断ってきた。そのため、他の女子たちは多少なりとも安心感があったのだろう。”安藤久人は誰かの恋人になることはない”と。

しかし、それが突然壊れた。さらに、凜の友達に関しては久人に告白をして断られている。しかもその後すぐに久人は凜と付き合ったのだ。おそらく他の女子より恨みは深い。


「・・・」


「わかったかい?」


「ああ・・・おれがバカだったよ・・・」


さつきの件があったにも関わらず、また同じようなことを繰り返してしまった。いつもいつも、凜だけが被害にあう。


「ありがとう二人とも・・・」


そう言うと、久人はゆっくりと席を立つ。


「久人? もういいの?」


「ああ、ここからはおれが一人でなんとかしなきゃならないから」


「大丈夫なの安藤くん?」


クロエと優理が心配そうに見てくる。そんな二人に青年は軽く微笑んでみせる。

そして、ゆっくりと歩き出した。


「じゃあ・・・」


久人はファミレスを後にして、自宅への帰路に着く。そして、一つの決心を心の中でつける。



守る。凜は自分が守る。そう自分に言い聞かせながら久人は歩を進め続けた...



「あいつ、注文しといて一口も食べてないじゃないか」


ファミレスに残った優理は少し微笑みながら呟いた。


「凜は幸せね・・・。私と違って」


「え!?」


「くすっ 冗談よ」


洒落にならない冗談はやめてくれと隣でワーワー言っている優理を無視して、クロエは久人の検討を祈っていた...

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