凸 凹 生 活 ②
いつからだ、
ハルヒトはよく寝坊するようになった…。
と、言うか寝る時間が増えた。
毎日俺とハルヒトは2人して椛に起こされている。
にしてもあのハルヒトが…。
「はぁ、ついに君と同類に…(以下省略)」
なんだかんだいったって俺達は仲がいい。
学校へはいつも一緒に行ってる。
帰るときは部活の終わる時間が違うから、一緒じゃないけど。
俺はサッカー部でハルヒトは天文部。
よく似あってると思う、昔から俺はスポーツ系、ハルヒトは勉強系がずば抜けてよくできたから。
「にしても君の髪の毛は日に日に茶色くなっていくことないか?」
う…そりゃぁ染めてるから。
それに比べてハルヒトの髪は純黒だ。椛と似ている
「サッカー部は日焼けすんだよ、んで茶色くなるの。」
「…じゃぁ同じサッカー部のサエキ君はどうなる?真っ黒じゃないか。」
サエキはハルヒトと同じクラスでサッカー部のエース。
スポーツも勉強も人並み以上にできる天才肌。
俺はどう頑張っても勉強は全くできない。
ハルヒトだって極度の運動音痴だ。
だから両方できるサエキはヒーローだった。
(まぁサッカーは俺にはかなわないけど)
「……ちょっと染めてる。」
「校則違反じゃないか」
チっばれないように地味に染めていったんだけど…気づくか、普通。
そんなころ、キーンコーンカーンコーン...とチャイムの音が聞こえた。
『あっ』
2人同時に真っ青になる。
やべえ遅刻っ
俺は走れば間に合うけど、ハルヒトは…。遅いから…。
「君は先に行けばいい。僕は遅刻なんて初めてだから怒られないし、」
あ、そう…。
「んじゃぁお先」
ハルヒトを置いて俺は全力疾走で走った。
走った。走った…。
校舎の俺のクラスの奴らが窓から何か叫んでいた。
どうせ茶化してるだけだろうと思ったが、何か様子が違う。
顔が真っ青な奴らや、女子の叫び声、真顔で何か叫んでいる奴、山口っと俺の名前を呼ぶやつら…
いや、違った。
正確には山口「ハルヒト」のほうの名前を呼んでいたのだ。
俺は反射的に今来た道を振り返る。
『君は先に行けばいい』
遠くなったハルヒトの体は、交差点の真ん中に横たわっていた―――。