表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
six socks  作者: AI子
53/61

お団子日和

 ある日の午後、安堂凌生はスマホを眺めながら、ぽつりと呟いた。


「お団子が食べたい……」


 リビングにいた沢弥隼哉が、ソファに寝転がりながら顔を向ける。


「急にどうした?」


「いや、さっきSNS見てたらめっちゃ美味しそうな団子の写真が流れてきてさ。こう……炭火で焼かれて、タレが照り照りに光ってるやつ」


「うわ、それは絶対うまいやつ」


「でしょ? もう頭の中が団子モードなんだよね……」


 凌生はため息をついた。


「団子屋、行く?」


「いや、どうせなら作っちゃう?」


 その言葉に、隼哉が「マジで?」と身を起こした。


「マジで。白玉粉なら確かあったし、こねて茹でればできるよ」


「お、いいね! どうせなら色んな種類作ろうぜ」


「賛成!」


 こうして、二人は即席お団子作りに挑戦することになった。


 まずは生地作り。


「白玉粉と水を混ぜて……」


「ちょっとずつ入れないとベチャベチャになるんだっけ?」


「そうそう。耳たぶくらいの硬さがベストらしいよ」


 二人は粉と水を調整しながら、もちもちした団子の生地を作る。適度なサイズに丸めたら、熱湯で茹でる。ぷかぷか浮いてきたら、冷水に取って冷ます。


「よし、団子は完成!」


「次は味付けだな」


 ここからが本番だ。


「まずは王道のみたらし団子から!」


 醤油、砂糖、みりん、片栗粉を混ぜて火にかけ、とろみのあるタレを作る。焼いた団子にたっぷり絡めると、照り照りの黄金色に輝く。


「この香ばしい感じ、最高……」


「焼きたての団子にタレを絡める瞬間がたまらん!」



「次々やってみよう! 甘党なら外せない、こしあん&つぶあん!」


 市販のあんこをたっぷり乗せた団子。つぶあんは素朴な甘さ、こしあんはなめらかで上品な味わい。


「俺はつぶあん派」


「俺はこしあん派」



「次行くよ、きなこと砂糖、そして塩を混ぜてまぶす!」


 きなこの香ばしさが団子のもちもち食感と相性抜群。


「これ、何個でも食べられるな……」



「次はすりごまと砂糖、ちょっとの醤油を混ぜてペースト状に!」


 甘じょっぱい黒ごまの風味が口いっぱいに広がる。


「これ、意外と渋い大人の味だな」


「でもうまい」



「ずんだ餡作るのちょっと手間だけど、やる?」


「せっかくだしやろう!」


 茹でた枝豆をすりつぶし、砂糖と塩を加えてペーストに。鮮やかな緑色が美しいずんだ団子が完成。


「うわ、これめっちゃ綺麗!」


「甘さ控えめで、枝豆の風味がしっかり感じられるな」



「邪道だけど……やっちゃう?」


 と、手には茶色い物体、もといチョコレートがあった。


「やる!」


 湯煎で溶かしたチョコを団子に絡める。まるで和風チョコフォンデュ。


「意外と合うな」


「もちもちチョコって感じで新感覚」



「抹茶と砂糖を混ぜた餡を乗せて……」


 抹茶のほろ苦さと団子の甘みが絶妙。


「渋いのに甘い……これは大人の贅沢スイーツ」



「バターと醤油を絡めるだけ!」


 香ばしい香りが広がり、甘じょっぱくてクセになる味わい。


「これはやばい、止まらなくなる」



「焼いた団子に醤油を塗って、海苔を巻く!」


 磯の香りと団子のモチモチ食感が最高の組み合わせ。


「やっぱり和の王道はこれだな」



 気づけば、テーブルの上にはバリエーション豊かなお団子がずらりと並んでいた。


「壮観だな……」


「どれから食べよう……!」


 二人は一本ずつ手に取り、味を確かめながら食べ進める。


「どれも美味いな」


「うん、マジで最高!」


 ゆったりとした午後、もちもちのお団子と共に、穏やかな時間が流れていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ