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おいでやす京都
「跳んでコンスタンティノーブル」を読み始めた。
舞台設定になっているのは、1990年頃の京都だった。そうであるならばタイトルは「おいでやす京都」でもいいのに。
どうして「跳んでコンスタンティノーブル」なんていうタイトルにしたのだろう、と疑問を抱きながらも、活字を追っていった。
読みにくい小説ではなかった。ちゃんとしたストーリーがあるし、登場人物の造形はしっかりしている。京都の名所がちらほら出てくるので、ちょっとした観光ガイドとしても楽しめる。作者の「ヴィルヘルム秀夫」自身を投影していると思われる「孝典」は、京都の私立大学に通う、大学2回生で、バブル全盛期の華やかな学生生活をエンジョイしている。いま、彼の頭を占めている一番の関心事は、つきあって間もない「沙織」のことだ。
男子高で鬱屈した青春を送った孝典は、やっと大学デビューを果たした。付き合った最初の女性が沙織がなのだ。