瑛二 浪川
仕事は楽しい。
楽しい仕事をするには準備も必要。
これが、俺の仕事。
責任と信念を持ってやる。
後輩を育てるのも仕事。
きっちりやる。
さあ、楽しいお仕事の時間だ。
「すまん、浪川。例の子…お前に預けたい。頼めるか?」
「え?また…ですか。今、僕…赤城君で手一杯ですよ。彼、レベルが違い過ぎて…扱いが難しい。いや、楽な分手綱をひかないと…暴走しかねないんですよ。もう少し…待てませんかね」
「うーん。赤城…か。あいつと一緒だと…潰されかねないな…でも、上手くハマれば…あの子は、伊庭は化ける。やはり浪川、お前しかいないな。頼む」
「所長たっての頼みです。分かりましたお受けします。ただ、やはり赤城君とは今は距離を置いたほうがいいでしょう。1ヶ月だけ待ってもらえませんか?」
「分かった。1ヶ月は研修という名目で本部で預かる。」
「了解です。はあぁ…所長無茶振りが過ぎますよ。赤城君を1ヶ月で仕上げ…か。自分で言ったこととはいえ…俺の休み無くなりますって」
「すまんな」
「あ、あと、サポート。誰か付けてもらえます?対赤城か…もしくは対伊庭。できれば、対赤城ですね。石蕗さん辺り召喚して頂けますか?」
「石蕗か、対赤城ね。適任だ。彼は休暇明けでそろそろ復帰してる頃だろう。リハビリにちょうどいいな。あと、SWSをRebornさせる人員を一人紹介したい。君によく似ているタイプの人物だ。石蕗に同行させるからよろしく頼む。」
「え、ちょっとまってください。赤城君と伊庭君…また一人増えるんですか?」
「悪いな。私がRebornできれば問題ないんだがな。別件が立て込んでいて。いや、なかなか出来のいいホワイトなんだよ。伊庭君のrewrite練習にはもってこいだ。」
「所長のお墨付きか…これはこれは。どんな人物なんです?」
「猪瀬翔也、年齢は確か赤城君のひとつふたつ下ぐらいだったか。元々は高校の教師だったんだが、校内の図書室で例の本が見つかった事件あっただろう。あの時、collectをRebornさせたのが猪瀬だ。処理に向かった鈴宮に拘束されたんだよ。ただ、本人は何をしてしまったのか理解できてなくてな。まぁあちら側に転ぶより、こっちで上手く使った方がいいだろうと判断した。まだ、荒削りだがReborn能力はかなり高い。再現度は上級レベルだ。いかんせん経験値が無いからな。ここでcollectを上手く操る事を覚えてもらおうと。お前にしか頼めないんだよ。浪川」
「マジすか。Reborn能力か。なかなか居ないですよね…でも、よりにもよって…三人。無理ゲーです。いくら俺の能力高いからって…」
「自分で能力高いとか、言うねぇ。まぁ実際、浪川にお願いしたメンツは優秀だしな。それもどの能力をとっても…だからな」
「いや、国家さんが連れてくる子達、伸び代が尋常じゃないやつばっかりじゃないですか。国家さんこそsearchレベルバカほど高いですよ。俺、ついていけてないです。まぁとにかく、三人ですね。やりますよ、やります。猪瀬君はすぐにでもよこして下さい。赤城につけます。Rebornできるなら赤城にも見せたいし、あいつ、ちょっと特殊なcollectしてるんで…猪瀬がRebornできるか、試したいです」
「あぁそうだったな。赤城君は…あの力…どこで手に入れたのか頑なに言わないんだが、あれは私でもReborn難しいからな。猪瀬の練習にはいいだろう。よろしく頼むよ」
「かしこまりました。それでは、早速明日から。よろしくお願いします」
楽しいお仕事の時間だ。
「浪川さん。こんな感じでどうでしょうか?バキューム使用のcollectはまず完璧かと」
「お、オッケー。赤城君が完璧って言うなら問題無いね。俺、見る必要なくない?とりあえず、ミスったらカバーするから好きなようにやってみてよ。かなりレベル高いSWSメインで…デリートまで行けるか?」
「了解です。なら、猪瀬君…バキュームの解除でもブックからのRebornでもどちらでも構いませんよ。準備できたら言って下さい。rewriteもcollectもしてみましょう。さて、どんな輩がくるかな。」
「かしこまりました。赤城さん遠慮しないで行きます。まず、そうだな手慣らしに。
sazanami…行きます。」
「へぇ、面白いとこ行きますねぇ。楽しみです。」
「sazanamiか。悪くないな。俺がcollectしたSWSだったな。このレベルをrewriteできるのか、猪瀬、お前さすがだな。」
「ありがとうございます。sazanamiはここに配属されてすぐに興味があって調べたことがあって。認識があるのでrewriteはそんなに難しくはないです。赤城さんにrewriteだとこれぐらいのレベルじゃないと通用しないので。」
「赤城対猪瀬みたいになってんな。面白い。でも二人とも無理すんな、実力あるのは分かってるから。あくまでも経験値積むだけだからな。」
「喧嘩上等ですよ。さぁ猪瀬君かかって来なさい。遠慮はいらない。」
「では、行きます。
しゆる、しゆる、はらり、はらる。ざわめきとたかなり。たらる、たらり。なゆる、ならり。かたらいとささやき
サザナミ 舞 輪廻 」
「さぁ、いらっしゃいましたよ。でも、まだ、ちょっと甘い。早いですね。浪川さんが対峙した時のsazanamiはもう少し体躯のしっかりした…どちらかと言うとカモシカ?いやヤギの様な形だったと認識しているが…猪瀬君のsazanamiは…蝦夷鹿の様だ。だいぶスマートな認識だね。君らしい。だが中身は…変わらない、これは難儀」
「赤城さん、いつにも増して口数が多い。ビビってますか?僕のrewrite舐めないで下さいよ」
「言うねぇ。気分が乗って来ましたよ。では、一発delete行きますか。」
しゆる、しゆる、はらり、はらる。ざわめきとたかなり。たらる、たらり。なゆる、ならり。かたらいとささやき
「ほぉ、これはこれは。重量感もありますね。かなり念の蓄積されたSWSだ。一掴みでは難しい、かな。」
「こちらはタイミング見てもう一体行きますよ。赤城さん、対応しきれますか?」
「猪瀬、お前はSだな。赤城、大丈夫か?後ろに石蕗が居るのを忘れるな。連携して行動する事も学べ」
「かしこまりました。大丈夫です。sazanamiは一人で、行けます。他を…石蕗さんフォローお願いします。sazanamiの圧縮に時間がかかるかもしれませんので」
「か、しこまり…ました。僕の準備はOKなんで。フォロータイミングはこちらで見ます。赤城さんはそのままsazanamiのdeleteに集中を」
しゆる、しゆる、はらり、はらる。ざわめきとたかなり。たらる、たらり。なゆる、ならり。かたらいとささやき
「こいつは掴みどころが、難しい。浪川さんは釣り上げる感じでしたね。こいつは…鎖をかけましょうか」
「え?縄?何、赤城…鎖とか…どうやって?」
「あー、これは…まぁいいじゃないですか。見ていて下さい。」
「うわ、まじかよ。マジで鎖…出して来た。赤城…お前。もう、教えるとかのレベル超えてるじゃん。俺が教えて欲しいわ」
「いやいや、これは…修行の賜物。いや、授かり物です。浪川さんには教えていただく事、まだまだありますからね。よろしく、お願い、致します、よ。」
「赤城さん、速い。鎖出してくるとか…聞いてない。もう、圧縮に入りますか…参ったな、僕が間に合わない。でも、負けませんよ。次のrewrite行きます、では、獅子天犬」
さえぎるもの、つらぬくもの。ばたりばたりばたり。ふさぐもの、あけるもの。ぎたりぎたりぎたり
シシアマイヌ 舞 輪廻
「石蕗さん、来ますよ。これまた、厄介な。これは、2体来るかもしれません」
「獅子、天犬…左右ですね。了解です。」
「何なんだお前ら。もう、勝手にやってくれよ。こう次々とまぁレベル高い事を。俺がついていけてないぞ。面白いからいいけどな。」
「しゆる、しゆる、はらり、はらる。ざわめきとたかなり。たらる、たらり。なゆる、ならり。かたらいとささやき
掴んだ。さぁ、大人しくしてもらおうsazanami。
これから圧縮に入ります。
しゆる、しゆる、はらり、はらる。ざわめきとたかなり。たらる、たらり。なゆる、ならり。かたらいとささやき
まずは、木星compression。うむ、歪むな。次、土星compression。次…天王星、海王星、火星、地球、金星、水星compression。よし。では、これから落とし込みます。石蕗さんっ僕の端末を。ここへ。」
「かしこまりました。準備はできています。」
「タイミングドンピシャですね。さすがです。では…
しゆる、しゆる、はらり、はらる。ざわめきとたかなり。たらる、たらり。なゆる、ならり。かたらいとささやき delete。
「sazanamiのdelete完了です。次、獅子天犬行きますか。石蕗さん状況を」
「はい、獅子は状態確保しています。後は私のハードカバーに押込みdeleteまで行けます。天犬は確保中ですが、獅子に半分取られてるんで…確保解放は時間の問題です。申し訳ない。赤城さん天犬を」
「了解。天犬catchingします。
さえぎるもの、つらぬくもの。ばたりばたりばたり。ふさぐもの、あけるもの。ぎたりぎたりぎたり
暴れますね。相当なお転婆ですね。大人しくして下さい。怪我、しますよ。」
「はぁ…凄いな赤城…。アマイヌも一発かよ。確か…シシアマイヌは河上案件だったよな。かなり手こずったって聞いたけど。赤城、石蕗ペアで瞬殺って、河上…たつ瀬がないな。いやぁマジで俺、教える必要もう無いよな、国家さんに連絡入れるか」
「さて、sazanamiと獅子天犬のdeleteが終わります。次は行きますか?いけますか?猪瀬くん」
「いや、行けますが…行きますか?逆に…赤城さん、
赤城さんの端末のSWS…rewriteするってのは無謀ですか?」
「おい、ちょっと待て。お前らな、勝手に話しを進めるな。俺の立場も考えてくれよ。まずは国家さんに承諾を取ってからだ。それまで、休憩にしようか。赤城のSWSをrewriteするなら伊庭君も呼びたいからな」
「そうですね、流石の僕も体力は無限じゃない。休憩しながら僕のコレクション確認しましょうか」
「え、マジですか。赤城さんのSWS、見られるんですか?それは楽しみだな。僕が知っているSWS、数体だけなんで。全部見られるんですか?」
「そうだね、目録に登録してある個体なら、写真として見る事ができるよ。さっきdeleteしたsazanamiと天犬もこの端末に居るから。見てみるかい?」
「ほ、ほんとですか?反転文字じゃないSWS…見たこと無い。写真って…そのままの形って事ですか?」
「あぁまぁそうなるね。僕しかできない事らしいから…ね。ここ以外で見る機会はあまり無いかもな。君は…能力値高いみたいだし、僕の端末からのrewriteもできそうだよね。国家さんもチャレンジしてたけど…いまひとつ解像度が上がらないってぼやいてたからね。君が上手くいくから分からないけど」
「え?あの国家さんでも赤城さんのSWSのrewriteは難しい…のか。ならば、尚のことチャレンジしたいですね」
「猪瀬君、意外とガッツくタイプだったんだね。よし、じゃあ、僕のコレクションのお披露目会しよう。」
「赤城、ほどほどにしてくれよ。休憩時間も無限じゃないんだからな。お前のコレクションなんて見始めたら…いや、俺もちゃんと見たことないからな…この際…解説付きでっていいかもな」
「では、早速…行きましょう」
××××××××××××
「いや、さすがと言うか…ヤバい通り越してます。赤城さん」
「そうかな、自分でもなかなかの物だとは思ってますが?そんなにすごい事なんですか?僕には分からないな。僕はこの方法しかcollectできないしな、知らないし…」
「そうですよね。その辺の話し…聞きたいです。赤城さんってどうやってこのcollect技術身に付けたんですか?誰も知らないって…ホントですか?」
「あ、あぁまぁ。これは…僕…いや、この話しは…またいずれ。機会があれば」
「え?何なんですか?もったいぶって。赤城さんの話し聞きたいですけど…そろそろ戻らないと。伊庭さんも合流できた事だし、もう一度rewrite練習させて頂きますか」
「おーい、そこの野郎ども。休憩は終わりにするぞ。伊庭もこの際だ、一緒にブースに入れ。」
「うぉ、マジですか?ここに、オレ…」
「赤城、お前が伊庭の後ろに付いてサポートだ。伊庭のやり方見て、Bookのdelete覚えろ。必要になる時があるだろうから」
「了解です。では、僕にもBookを。伊庭くん、僕のサポートあてにしないで下さいね。好きなようにやって下さい。最悪、端末に…」
「いや、赤城…端末使用は禁止だ。端末使ったらBookの練習にならんだろう」
「それもそうですね。かしこまりました。」
「マジか〜オレ…大丈夫か。いや、やるっきゃないっすね。赤城さん、よろしくお願いします。あ、猪瀬さんも…お手柔らかに。おれ、レベルまだまだペーペーなんで」
「ほどほどのやつ、ほどほどに行きますよ。赤城さんもいるし…遠慮なく」
「猪瀬さんって結構エグいっすね。覚悟してのぞみますよ。オレ、準備オッケーです」
さぁ、就業開始と行きますか。
さざなみ。
ししあまいぬ。
その他。
詳細は全て赤城さんの端末の中。
コレクションは写真で確認ができる。
すごいな。僕もいつか。




