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第6話 では、やれることをやっていこう! お次は施設の改良と修復をしていくっ!(中編)

前回のあらすじ:浴場建築のため材料を集めてもらう。

 いろいろと頭では考えていたけど、実際に書き出してみると駄目出ししたくなるような箇所がいくつも見つかった。よくあることである。


 特に深さについては全く考慮にいれていなかったのは正直恥ずかしかった。いや、これを確認しているのは俺1人しかおらず他には誰も見てないんだけど、こういうことってたまにあるよね? ない?


 何がよろしくなかったのかというと、転生前の俺を基準としていたことだ。こちら側だとシスター2人を基準に考えていたのと同じ。つまり、俺やマーブル達はもちろん、プーカ、ミィコ、ワンタの身長を考えていなかったのだ。設計段階でよかったよ、ホント。


 ということで、浴槽はシスター達+成長した俺達用の深さに加えて、現在の俺達用の深さ、さらにはマーブル達用の深さという3段構えでいこうと思う。めっちゃ狭くなるけど、作りたいのは個人浴場であり共同浴場ではない。


 あ、そうだ、浴槽周りにも段差を設けないと。これは木材でいいな。


 おっと、浴槽の素材はどうしようか。床部分は土系にするのは決定してるけど、側面は木にするか土系にするか。うーん、迷うなぁ。


 ・・・そうだ、どうするかは実際に集めてきた素材を見て決めよう。いくらマーブルとジェミニがどの素材がいいかわかっていても、納得のいく素材がその森にあるかどうかは別問題だからなぁ。


 よし、浴槽についてはこれでいいな。後は洗い場と脱衣所だけど、元々が狭いのでこれはどうとでもなるから、これもまたよし。


 他にも壁をどうするかなどをあーでもない、こーでもない、とやっているとライムが青いミニスライムを連れてやってきた。


「ピー、ピッピピー!!」


「おっ、おかえり、ライム。この子がお願いしていたスライムなの?」


「ピー! ピッピッピー。」


 ライムが言うには、ドボルザーク周辺では、スライムは基本的にあちこちで飼われているため、野良自体少ないそうだ。探し回るのも面倒だから、先に水場から探しに行ったところ、丁度このスライムがいたらしく声をかけたら喜んで来てくれたのだそう。


 これでライム隊の隊員が2名となったようだ。ちなみに最初の1名は孤児院のトイレにいるスライムね。


「そうなんだ。で、名前を付けろ、ということでいいのかな?」


 そう言うと、青いミニスライムは嬉しそうにその場で跳ねていた。おぅ、可愛いじゃねぇかよ。


 しかし、名前ねぇ、、、。ごめん、センスなんて存在しないんだ。ライムだって、透明なライム色だったからライムだし、マーブルなんてマーブルキャラメルっぽい模様だったんだよね。今考えてみたらどう見ても普通のトラネコだし、、、。ちなみにジェミニは元々そういう名前が付いてたんだよね。


 可愛い名前にしたいところだけど、そうすると訳分からなくなるから役割で決めよう。


 ・・・よし、水を綺麗にする役割だからアクアに決定。


「よし、君の名前はアクアだ。それでいいかな?」


 アクアは嬉しいらしくその場を跳びはねていた。何かライムも嬉しそうにアクアの周りを跳びはねているのだが、、、。


 ついでだし、孤児院のトイレを管理しているスライムはマヌールと名付けておこう。不満が出たら変更することにしよう、そうしよう。


 さて、こうしてライム達と遊ぶのもいいけど、今はお仕事中だからお仕事の話をしないとね。


「ライムたいいん、ごくろうさまでした。ほうこくをおねがいしましゅ。」


 ライムはアクアを使って説明してくれた。最初に基準として実際の距離からスタートして徐々に拡大していく形で距離を説明してくれた。


 ・・・なるほど。直線距離にして大体3キロくらいか、、、。ちと遠いかな。行けない距離でもないけど決して楽な距離ではないね。しかもあくまで直線距離だから、実際に行くとなると下手するとその倍は歩く必要があるか。


 とりあえず水場の件は保留かな。俺達抜きでもどうにかできたらいいなとは思ったけど、今の段階では無理かな、いや、今後を考えると不可能かもしれないな。ここがどうなるかもわからないしね。マーブルとジェミニがいるから水道を作ることも可能だけどやめておきますか。


 今の俺の状態だとちょっと遠いので、水場を利用するのはあきらめることを伝えると、ライムは落ち込むことなく納得してくれた。


「みじゅばがちゅかえないのはざんねんだけど、よくぞ、おふろのおそうじやさんをすかうとしてくれました。ライムたいいん、おちゅかれさまでした。アクアたいいん、これからよろしくおねがいしましゅ。」


 ライムは敬礼を、アクアは縦伸びで応えてくれた。アクア、しっかり成長していってね。


 マーブル達がまだ帰ってこないので、アクアがどのくらい仕事ができるのかを試してみた。


 ・・・すげぇ、、、。流石ライムがスカウトしてきただけのことはある。アクアは触手みたいなものを出したり、声を出したりはまだ無理だったけど、こと水の浄化に関しては素晴らしいものがあった。これなら浴場はおろか、孤児院の飲み水も任務としてお願いできるレベルだ。


 孤児院で使用する水は井戸を使っている。量は十分にあるのだが、質については少し首をかしげざるを得ない。生水としては正直きつい。プーカ、ミィコ、ワンタの3人は平気みたいだけど、シスターの2人はそのまま飲むことはしていない。必ず煮沸してから飲んでいる。


 俺? 俺は平気です。水術使いは伊達じゃない!! 魔法は使えないけどな!! もちろん、そのまま飲んでしまえば腹を下しますよ。水術で沸騰させてから冷やして飲んでおります。・・・たまにライムから水もらいますがね。


 アクアの仕事ぶりに感心していると、マーブル達が戻ってきた。ホクホク顔ということは、手応えバッチリといったところかな。


「ミャー!!」「キュウ!!」


 マーブル隊、総勢2名只今戻りました! と言って敬礼しております。超カワイイんですけど。


 ホッコリしながらこちらも敬礼で答礼する。さて、報告を聞きましょうか。その前にアクアの紹介をしておきましょうか。と思ったら、ライムがマーブル達にアクアを紹介し出した。うん、俺が説明するよりライムにしてもらった方が確実だね。何より遣り取りを見ていると非常に可愛らしくてホッコリしてしまいますねぇ。


 マーブル達も戻ってきたので、今日の修行を行います。時間も夕方よりちょっと前くらいなので、流石にこれから建てるのもどうかと思う。一応できるにはできるし、急いでいるとはいえ、そこまでではない。明日出来れば十分である。どうせシスター達も今日明日にできるとは思っていないだろう。早くて1週間くらいと考えているだろう。・・・明日作ってしまうけどな!!


 夕食の時間になったのでみんなで夕食を食べる。孤児院のみんなにアクアを紹介する。獣人の3人はもちろんのこと、シスター2人もアクアの可愛さにやられていた。歓迎してくれているようで何よりです。マヌールには後でライムがアクアを連れて挨拶に行くようだ。


 シスター達が進捗状況を聞いて来たので、素直に材料は揃ったから明日から建築を始める旨を伝えると、2人とも顔が引きつっていた。君達、マーブルとジェミニを甘く見すぎですよ。誰が毎日お肉を提供していると思ってるんですか? という感じのことを伝えると、2人はそういえば、とか言いながら納得していた。


 周りも暗くなってきたので、子供は寝る時間である。今日の相部屋はシスターアリサだ。いや、どっちでもあまり変わらないんだけど。ベッドは別々だからね。時たまうちのモフモフを借りに来るけど、一応断っている。


 というのも、俺がグッスリラリホー状態になってから狩りにでかけるので、物理的に無理だと伝えると大人しく引き下がってくれる。いや、本当にそうしてるみたいだから。


 左肩側にマーブル、右肩側にジェミニ、頭の辺りにはライムがそれぞれ陣取っていつも通りの寝る体勢に入る。寝る時間なので念話で報告などを聞いて明日どうするかを話し合う。ちなみにアクアは用意した水を入れた水桶にプカプカ浮かんでおります。こちらも可愛くて何より。


『どう? 良い材料は手に入った?』


『ミャァ!!』


『ふむふむ、杉や檜みたいな香りの良い木こそなかったけど、桜とかの幹の太い木がたくさん手に入ったんだ。いいねぇ。植生とかは大丈夫?』


『大丈夫ですよ。親切なトレントがいたので、いろいろアドバイスを聞きながら集めたです。』


『トレント? まじで? 攻撃とかしてこなかった?』


『ミャア!』


『そうなんだ。最初から友好的だったんだね。』


『ミャア。』


『へぇ、ちょくちょく狩ってる魔物がトレントの仲間を傷つけたりしてたんだ。それでその魔物を狩ってくれているマーブル達へのお礼も兼ねているんだね。』


『そうです。いきなり声をかけられて少し驚きましたが、最初にお礼を言われたです。』


『ミャ、ミャア!』


『へぇ、甘い果物をもらったんだ。マーブルは甘いもの大好きだからね。ちょうどよかったね。』


『ワタシももらったです。とても美味しかったです。』


『ジェミニももらったんだ。種とかは残ってる?』


『ミャァ、、、。』


『ありゃ、種なかったんだね。』


『そうですね。ただ、トレントさんは、敢えて種のないものをワタシ達にくれたんだと思うです。』


『敢えて?』


『はい、というのも、もらった果物がトレントさんとか植物の魔物でないと育てられない特殊なものだそうで、、、。』


『なるほど、それじゃぁしょうがないねぇ。興味はあるけど、俺は会ったこと無いから無理っぽいかな。』


『ボクはみんなと狩りしてるからもらえそー!』


『あはは、確かにライムはもらえそうだね。』


『ライムくんもそうですが、アイスさんももらえるかも知れないですよ。』


『へ? 何で?』


『ミャア。』


『なるほど。俺の従魔ってそのトレントさんには言ったんだ。』


『はい、ワタシ達の主人がどんな人間か興味あるみたいですよ?』


『ほう、そういうことなら是非一度会ってみたいね。といってもシスターの許可が下りないと無理だけどね。いや、行こうと思えば行けるんだけど、心配はかけたくないからね。』


『そうですか。でも、今すぐってわけじゃないですからね。』


『そういうこと。取り敢えず行けるようになったら、みんなで行こうね、って、話が逸れた。材料集めの結果を聞きたいんだった。これはこれでいいこと聞いたけど、それとこれとは別だからね。』


『ミャァ、、、。』


『そうでした。』


 この後も話は続き、木に関してだけでなく、何故か粘土も結構手に入ったようで明日が非常に楽しみになった。そろそろ限界も近いので眠るとしましょうか。


 マーブル、ジェミニ、ライム、おやすみ。明日もよろしくね!


今回もご覧頂き誠にありがとうございます。

毎日更新は流石に厳しいですが、できる限りこまめに更新していく予定です。

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