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第3話 では、これからの予定を立てよう!

前回のあらすじ:マーブル達と合流したのでやる気がでてきた。


 2体のモフモフにカラダを温められ、1体のプヨプヨに頭を冷やしてもらうという、非常にすばらしい状況でおねむを堪能していたが、残念ながらいつまでも続くことはなかった。というのも、同室で眠っていたシスターアリサが突然大声を上げたからだ。


 どんな状況であれ、起こされてしまったものは仕方ない。起きるとしますかね。マーブル達もシスターアリサの叫び声で目を覚ましたようだ。うん、やはりマーブル達が来てくれたのは夢ではなかったのだ。嬉しさを含みつつ左頬でマーブルを、右頬でジェミニをそれぞれスリスリ、両手でライムをおにぎりの刑に処しながら朝の挨拶をする。


「マーブゥ、ジェミィ、リャイムゥ、おはよー。」


「ミャー!」「キュー!」「ピー!」


 のんきに挨拶を交わす俺たちをよそに、シスターアリサは少々パニクっていた。俺のベッドに見知らぬ3体が一緒にいるのだ、無理もない。でも、大丈夫。いい達だから。


「アイスちゃん!? そのスライム達は一体!?」


 聞かれたので素直に紹介する。


「いやいやいや、そういうことじゃなくてね、、、。」


 詳しく説明しようにも、残念ながらしっかり説明できるほど言葉はしゃべれない。何せ、マーブル達の名前すらはっきりと言えない状態なのだ。通じてるからそれほど問題ではないし、あの達とは念話ができるから今のところ不自由はしていない。・・・できるだけ早く念話ではなく直接会話したい気持ちはもちろんある。


 シスターアリサが驚きと呆れの表情で固まっている最中、隣の部屋からシスターアリスと獣人3人が慌てて入ってきた。全員集合したので、改めてマーブル達の紹介をする。シスターアリスも驚いていたが、プーカ、ミィコ、ワンタの3人はマーブル達に興味津々だった。でも、ミィコはジェミニやライムにはかなりフレンドリーであったが、マーブルに対してだけは恐る恐るといった感じだった。同じ猫族としての格の違いを感じ取っていたようだ。


 顔合わせ? が済んでマーブル達が俺に乗っかると、念話が来た。


『ミャー!!』


『ん? そうだね、朝ご飯だね。』


『ハイ、朝ご飯です。今日もたくさんお肉採ってきましたよ!!』


『え? 毎朝置いてあった肉って、3人が採ってきてくれてたの?』


『そーだよー。マーブルさんとジェミニさんが倒してー、ボクがち血抜きして-、ジェミニさんが切り分けてー、マーブルさんがしまったんだよー!!』


『そうなんだね、マーブル、ジェミニ、ライム、本当にありがとうね。』


 そんな会話をしてから、マーブルが夜中に狩ってきた肉を取りだしてくれた。そのお肉を見たシスターアリスは驚きながら、


「えっ? この肉って、、、。ひょっとしてこの子達が採ってきたもの!?」


「そー!」


「「「おーーーー」」」


 そう答える俺。だって事実だし。そして喜びながら驚いている獣人3人。


「・・・なるほど。君達がアイスちゃんを護るためにこうやって肉を採ってきてくれたのね、、、。私達からもお礼を言わせて頂戴。どうもありがとう、君達のおかげで、アイスちゃんだけじゃなく私達もたすけられたわ。」


「ニャァ、、、。」「キュゥ、、、。」「ピィ、、、。」


 2人のシスター達からお礼を言われるのはいいんだけど、何故神に祈るような所作をするんだ、、、。普通にお礼を言ってくれるだけでよかったのに、、、。という表情のマーブル達。でもね、それだけ助かったのは事実なんだよ。


 ちなみにこの日から日課は変わらなかったけど、修行にも実が入るようになった。もちろん、マーブル達と一緒に行動しているからこちらのやる気が全然違う。今までは単なる暇つぶしの消化程度で行動していたけど、しっかり考えながらの修行に切り替えたよ。


 日向ぼっこ1つとってもやり方を変えた。それまではただ単にある程度日光を浴びていただけだったのに対して、マーブル達が代わる代わる飛びついてきたので、よろけずに受け止められるように姿勢をかえてみたりした。もちろん一発で上手くいくほど甘くはない。


 上手く受け止められるようになってくると、マーブル達もそれを察したのかタイミングを変えたり、飛びつく角度を変えたりして俺をよろけさせるようにしてきたりと工夫してきたりと。


         ---------------------


 マーブル達と合流してから3ヶ月が経過した。


 超乏しかった言葉のボキャブラリーも沢山増えてある程度普通に会話できるようになり、3人の獣人の孤児とも積極的にコミュニケーションを取れるようになったことにより、3人がそれぞれどんな性格であるかわかるようになってきた。


 まずはリラ、、いや、クマ獣人のプーカ。プーカは性別は男で性格は大人しく、何事も控えめな感じ。だけど、知的好奇心は高いようで、一番できがいいようだ。・・・実は結構なグルメなようで食事のとき、たまに塩気が薄いと塩を足したり、逆に濃いと水で薄めたりする。


 次に猫獣人のミィコ。ミィコは元気いっぱいの女の子である。頭は悪くはないけど非常に飽きっぽい性格をしており、何度も授業を抜け出してはシスターに捕まったりしていたが、マーブル達が来てマーブルに説教されるようになってから授業を抜け出すことはしなくなったようである。・・・もっとも抜け出してもうちの達から逃げきるのは不可能なんだけどね。


 最後に犬獣人のワンタ。ワンタは男で3人のまとめ役を務めるリーダー的存在である。手先がすごく器用で、孤児院にある細々としたものはワンタ作成のものが多いらしい。


 ちなみに3人とも3歳だそうだ。正直5歳かそれ以上だと思った。獣人の成長早っ。


 そういえば、異世界では獣人は差別の対象となっている場合が多いけど、この世界も同様に差別の対象となっているようだ。・・・なるほど、ここの孤児院が貧しく、さらに獣人しかいない理由がわかった。日頃の行動が悪いせいで区別するなら話はわかるが、何で差別をするのかがさっぱりわからない。


 実際シスター2人もそうだけど、プーカもミィコもワンタも非常に優しく、嫌な気持ちになったことは一度たりともない。マーブル達と合流できたので、この孤児院をさらに快適なものにするべくいろいろとやっていくことにしよう。


 とある日の夜、2歳にもなっていないまだまだお子ちゃまな俺と3体のモフプヨはいつものポジションで寝る体勢に入りつつ、念話で会議を始める。


『3人とも、ここに来て住んでから数ヶ月経つけど、正直思ったことを発言しましょう。じゃあ、マーブルからよろ。』


『ミャー!』


『なるほど。甘いものが足りない、か。マーブルらしいね。甘いもの、か。砂糖やハチミツは正直厳しいね。ここは孤児院だから、ただでさえ満足に予算もないし、それ以上にこの町で1、2を争うくらい貧しい孤児院だからねぇ。』


『じゃあ、もっといいお肉を取ってきましょうか?』


『たくさんとるー!!』


『ジェミニ、ライム、ありがとう。でもね、まだ早いかな。』


『まだ早い、ですか?』


『ミャゥ?』


『うん、3人が来てくれたとはいえ、あの2人のシスターがここの管理者なんだ。獣人しかいないような孤児院の管理を任される、というか押しつけられているのが本当のところだろう。2人ともいいシスターであるのは間違いないんだけど、いかんせん地位や身分なんかは恐らく最底辺のはず。』


『なるほど。何かあったわけじゃないのに、いきなり羽振りが良くなるのはよくないということですか?』


『うん、そういうこと。』


『ミャァ、、、。』


『まぁまぁ、マーブル。甘いものは何も砂糖やハチミツだけじゃないんだよ。果物とかで代用すればいいんじゃないかな?』


『ミャァ!!』


『とはいえ、俺もこの世界に来てそれほど経っているわけじゃないから、どんな植物があるのかさっぱりわからない。探すにも現段階では無理だよ。どう考えてもシスター達の許可は得られないと思うけど。』


『ミャァ、、、。』


『あるじー、鑑定はしないのー?』


『あっ、、、。』


 ・・・すっかり忘れてたよ、、、。この世界に来てからそんなものすっかり頭から抜け落ちてたよ。そりゃ、来たときは1人ぼっちだったから全くやる気なかったし、マーブル達が来てくれてからは日々楽しすぎてそんなこと微塵も考えてなかったし、、、。


 じゃあ、どんな状態になっているのか鑑定してみますか。ってかできんのかな、鑑定、、、。まぁ、できなきゃできないでそのとき考えますかね。


         ========================


<名前> アイス・フロスト ♂


<種族・年齢>  人族? 1歳 10ヶ月


<職業>  なし


<能力値> 筋力  5 (25)  体力  5 (25)

      器用  5  (5)  速力  5 (25)

      魔力  0  (0)  精神 25 (25)


<個人技能>  水術 1 (∞)  身体操作 2(8)  調理 1(5)

        格闘術 2(10)


<集団技能>  戦闘  E(S)  交渉  C(C)  建築  E(A)

        統率  E(C)  輸送  E(S)  兵器  E(S)


<称号・加護> レッドパインの警戒(能力の制限)

        ※アマデウス神の恩寵   ※トリトン神の恩寵


        ※アマデウス神の恩寵により 鑑定 ★ 隠蔽 ★ 収納 ★

        ※トリトン神の恩寵により  状態耐性 ★  精神耐性 ★ 

        ※は本人以外不可視


         ========================


 ・・・おおぅ、とんがってるねぇ、、、。恐らく( )内のものが本来のものだろうか。んで、他には、と、ありゃ、誰かさんに警戒されとるねぇ、、、。で、相変わらず魔力は0か、トホホ、、、。ってか、相変わらずの2柱の方達ですねぇ、、、。何か恩寵にランクアップしてるけど、、、。


『とりあえず自分を鑑定してみたよ、、、。魔力は0だったけどね、、、。』


『ミャァ、、、。』


『あれま、、、。』


『いつもどーりだねー。』


『ま、まぁ、鑑定が使えることがわかったから、いろいろ鑑定して食べられるものを探していこうか、もちろん甘いものも探すよ。っても、俺外出られないから、ごめん、みんな、よろしくね。』


『ミャア!!』


『もちろんです!!』


『わかったー!!』


『じゃぁ、他には何かあるかな?』


 今回の会議で決まったことを列挙していくぅ!!


・果物を始め甘いもの探し

・孤児院内の畑の開拓

・孤児院内の施設の改良およびそれの隠蔽

・肉類のストック

・プーカ、ミィコ、ワンタの身体能力を向上させる(マーブル、ジェミニ、ライム担当)

・プーカ、ミィコ、ワンタの学力を向上させる(俺担当)


 今のところはこんなものかな。ここの環境が良くなったことが知れると面倒な事になるので、しばらくは見た目は現状維持を徹底する。尚、シスター2人については今のところこちらも現状維持の方向で。とりあえずは獣人3人の成長待ちである。それ以上に俺自身も成長しないと。せめて外出許可がでてくるくらいまではね。


 よし、取り敢えずこれらを頑張っていこう。


 じゃあ、マーブル、ジェミニ、ライム、おやすみ。明日もよろしくね!!


 今回もご覧頂き誠にありがとうございます。

 毎日更新は流石に厳しいですが、できる限りこまめに更新していく予定です。

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