表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険者パーティーにサキュバスは必要ですか?  作者: 黒雪(くらゆき)
クッコロ洞窟の冒険者
8/47

8「くちづけ」の巻


「………」


 あまりの情けなさに、顔を覆ってしまいたい。

 しかし、オレの両腕は行動を封じる不可視の鎖型アーティファクト【光縛式鉄鎖】(銘:火遊び百合姫(ゆりひめ)数珠繋(じゅずつな)ぎ)でダンジョンの壁に(くく)られており、オレが少しでも身動きすれば、鎖のもう一端で床の上に縛られている女戦士の手首と股間(こかん)を締め上げることになる。

 そんなに長くもない鎖の少ないリソースでなぜこうも上手く(しば)られてるんだ、女戦士(コイツ)は。


 さらに、【催眠幻覚薬筒(ポーション)】(脱法)によって、女戦士と女魔術師は(いま)だに悪夢(ユメ)を見続けている。


「ぉ、おーくなんかにクッ……。わたしは、負け…たり…しない!」

「いゃびぁ!こわれゆっ!こわれゆって、ばぁあっ!」


 わざとやってんじゃないだろうな、この二人。

 女戦士ちょっとニヤケてるし。


「………」


 仲間達の痴態(ちたい)を死んだような目で見るオレ(苦労人)。

 

 そんなオレを『じー』っと見る『敵』。


「…こんな状況なのに、あなたって『普通(フツー)』なのね」


 よく言われる。


 【モービウス・デルトロ・バブルポップ】こと、オレ『モビー』は普通(フツー)であることを、何より誇りに思っている。普通(フツー)素晴(すば)らしい。フツーイズビューティフル。


「…ふぅ〜ん」


 ……やばい。『敵』|(わりと美人)は、いつまでも(さら)し続ける仲間達(バカ×2)から目をそらし、オレに興味持ち始めてる!

 コッコッコッ、と獣骨で出来たピンヒールで床をキャットウォークしながら、『敵』はオレに近付いてくる。


「…あなたに、決めたわ」


 そして、壁に(くく)り付けられているオレの(くちびる)に、『敵』は突然(くち)づけをした。




 続く…

 好きなオークは『紳士的なオーク』です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ