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冒険者パーティーにサキュバスは必要ですか?  作者: 黒雪(くらゆき)
イヤメテの町
44/47

44「教えといてやるよ…」の巻

 『(キッカケ)』は突然だった。


 サクラと首領の醸し出す濃密な『緊張感』に耐えられずに、手下の男の一人が思わず後退る。

 その時。

 男が履いていたブーツの踵のサビの浮いた拍車が、地面との摩擦で『…ジャリ』っと耳障りな音を立てた。


 刹那の発射音!


 向かい合う二人がほぼ同時に発射した『魔弾』同士が空中でかち合い、夜の繁華街の路上に激しい『火花』を散らす。

 その眩しさに、杖を持っていない方の手で思わず自分の目を覆う首領。


 ……天才魔弾の射手(サクラ)を相手取る『早撃ち勝負』において、たとえ一瞬でも『目を覆う』ことは、敗北を意味する。


 サクラは、右手で『引鉄を絞ったまま』【ヴィンゼスタM1873】の『ミスリル製レバー』を連続で引き続ける。

 すでに、自分の杖を『ファニングショット』可能に改造しているサクラ(無茶な野郎)。


 0.17秒に一発という恐るべきスピードで連射された『3発』の魔弾が、首領の右手の『魔弾連装杖』と『頭頂部の髪の毛』と『ズボンのベルト』だけを一瞬で弾き飛ばした。

 ずり落ちる首領の重たい革ズボン。そして、ハラハラと舞い散る首領の髪の毛。



 ……そもそも魔弾連装杖の威力は『当たれば相手を吹っ飛ばせる』くらいのものだ。

 それ故、魔弾を当ててモンスターの体勢が崩れた所を前衛戦士が直接とどめを刺す、というのが『魔弾の射手(ガンナー)持ち小隊(パーティー)』の基本戦術となる。


 つまり、魔弾の射手にとって最も必要なのは、魔弾連装杖そのものの威力ではなく、魔弾の射手本人の『素早さ』と『精密な射撃技術』となる。


 赤熱化した魔石に『フッ…』と息を吹きかけ、【ヴィンゼスタM1873】を手の中でくるくると回した後、『シュタッ!』と右腰のホルスターに納めるサクラ。


「……魔弾連装杖(つえ)の『口径(デカさ)』じゃ、魔弾の強さは測れねえ。魔弾の射手(ガンナー)語るのはそれからだ、ぼうず」


 ……ヤダ、カッコいい。





 続く…

好きな斬魄刀は『風死(かぜしに)』です。

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