41「西部劇の酒場でよくあるやつ」の巻
イヤメテ町の繁華街。
その中心部に位置する酒場『グスタフ・モローの酒場』。
通称『紳士諸君の酒場』は、その名にそぐわず街の荒くれ者達が集まる酒場として地元では知られていた。
しかし、この街に来るのが始めてのサクラは、当然そのことを知らない……
酒場の店内をいくつもの『!?』のマークが埋め尽くしていた。
「……オイオイ、今どきこんな『旧式』の魔弾連装杖使ってんのかよ!?ねえちゃん!!」
「ヒャッハーッ!!『単発式』ぃ!?初めて見ちゃったよオレ!!」
「そりゃそうだろ!!『20年以上前』の『杖』だもんよぉ!?」
口々に勝手な己の感想を述べる男達。
男達の視線の先には、男ばかりの酒場に『女一人』で入ってきた女魔術師。
その腰の『旧式の魔弾連装杖』に向けられていた。
己の『力』を『弾丸の形』に変えて、敵を撃つ技能を持つ者達を『魔弾の射手』と呼ぶ。
現代では、一般的に『魔弾連装杖使い』のことを指して魔弾の射手と呼ばれることが多い。
魔弾の射手達には、『自分の魔弾連装杖を誇る』という独自の文化がある。
特に酒場のような人が集まる場所には、自らの『大きくて連射能力の高い最新式の』魔弾連装杖をひけらかしたいという物騒な輩が集まってくる。
女魔術師サクラの持つ旧式の杖、【ヴィンゼスタM1873】を侮辱した男達もそういう手合いである。
……しかし、彼等はすぐに『思い知る』ことになるだろう。
魔弾連装杖の強さは『大きさ』でも『連射能力』でも、ましてや『新しさ』でもない、ということを……
続く…
好きな!?は『鰐淵さん』です。




