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冒険者パーティーにサキュバスは必要ですか?  作者: 黒雪(くらゆき)
クッコロ洞窟の冒険者
2/47

2「一応、オレが小隊長」の巻

 

オレが所属する冒険者パーティー、

『カフェラテ・モブ』は、

幼なじみの男女三人組のパーティーである。

別に小洒落(こじゃれ)た純喫茶がパーティー名の由来ではなく、単純にパーティーメンバーの頭文字を繋げただけだ。


最年長19歳の女戦士BT(ベアトリクス)・カフェルの

『カフェ』と、

最年少15歳のモカ・ラッテの

『ラテ』、

そしてこのオレ、17歳マッパーのモービウス・デルトロ・バブルポップの愛称モビーから

『モブ』。

つなげて『カフェラテ・モブ』だ。

オレが反対した時には、すでに幼なじみの魔女っ子ラッテの手によって、申請書が出されギルドに受理されていた。


別に冒険者だからといって、

パーティー名を登録する必要性が、

必ずしもある訳ではない。

むしろ、無い。


しかし、オレに対するイタズラに日夜知恵を絞る、最年少の魔女っ子ラッテの遠回しな嫌がらせ行為のために、

あえてパーティーの小隊長として登録されたオレは、

ギルド依頼を受けるたびにギルド受付のおねえさんに

「カフェラテ・モブです…」

と挨拶し、

依頼達成時には、

「カフェラテ・モブさ〜ん。依頼達成料の精算が終了しました。カフェラテ・モブの小隊長モービウス・デルトロ・バブルポップさ~ん」

とギルド受付の放送で呼び出されるハメになったのだった。

あいつ(ラッテ)、余計なことしやがって…




≈≈≈


 オレ達冒険者小隊『カフェラテ・モブ』のメンバーは、それぞれの準備を終えて、町を出てすぐの草原の道に集結した。


「―――じゃあ二人共、準備はいいな!」

「応!」「……はやく行こっ」


小隊長であるオレの号令に返答を返す仲間達(約1名、小隊長への敬意皆無)。


オレ達はこれから危険な『洞窟ダンジョン』に(いど)む。

これから挑む洞窟の中には、危険なモンスターや危険な罠が待ち構えているだろう。

もしかして、盗賊も待ち構えているかもしれない。


しかし、地図を読み解き、地質や地形を読み、

壁や床の罠の有無を調べ、安全な道を選ぶことで冒険者小隊(パーティー)の仲間を守ることが、オレの役割、

『マッパー』の大事な使命でもある。

町にいる間に、そのための準備も整えてきた!


高まる冒険の予感に、オレの胸の鼓動が高鳴る…

やっぱり、冒険といえば『洞窟ダンジョン』だ!

オレは一人(こぶし)を握りしめる。

やっぱり、仲間との冒険は男の子の浪漫(ロマン)だ!


「……なんか拳作って一人で(ひた)ってる

ネクラなモビー君は無視して、出発しんこーっ!」

「オーッ!」


(たか)ぶるオレ(一応小隊長)を置き去りにして、

幼なじみの女魔術師(仕切りたがり)と幼なじみの女戦士(ステレオタイプ)は、草原の道を先に歩き出した。


…まあ小隊長なんて、どこでもこんなもんだ。

 好きな小隊長は『バニング大尉』です。

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