17「スライムに襲われる女戦士の伝統と格式」の巻
「や、やめろ!離せ、穢らわしいスライムめ!汚らしいケダモノめ!」
最初は威勢がよかった女戦士。しかし、ダンジョンに棲息する謎の粘性生物は攻撃の手(触手)を緩めない。単細胞生物とは思えないほどに10本もの触手を器用に操り、女戦士の身体中を責め苛む。
「クッ、やめ…やめて…」
女戦士の声はだんだん弱々しくなり、消え入らんばかりになる。女戦士(女扱いされない歴19年)の反応とともに、スライム(愛され続けて70年since1953)の触手の動きはますます冴えわたる。
「むうぅ、あれこそは歴史に名高い『スライム凌辱』!」
「なにっ、あれがっ!?」
額に汗を滲ませ腕を組み解説するサキュバス(仮の姿)と、それに反応する女魔術師(ノリ良し)。ドロドロの粘液に包まれる女戦士(ピンチ体質)。
「スライムの粘着質な粘液に囚われた女戦士あるいは姫騎士は、植物性の布地『だけ』を溶かされ、じわじわと凌辱される。無骨な革鎧を全身にまとうカフェルちゃんが身に着ける唯一の『布地』、それは…」
「ま、まさか!カ、カフェルちゃんっ!」
スライムの粘液はじわじわと女戦士の下半身を覆い尽くし、革の鎧の下にある『布地』を狙ってくる。
「むぐぅう…!」
下半身を覆っていた『布地』を溶かされた女戦士は無念の声を漏らす。しかしその声は無雑作に口の中に突っ込まれたスライムの触手に阻まれ、意味不明の吐息にしかならなかった。
「や、野郎…、あえて下から?」
「なんて奴だ、ゲスなマニアめっ」
ゲスはおまえらだ、とオレは思ったが口には出さない。代わりに背中のリュックから瓶入りオリーブオイルとタオルとオイルライターを取り出す。
その間もスライムの触手は、女戦士の肌をさわさわしながら上半身の『布地』を狙って粘液をぶっかけた。触手に口をふさがれ、むぐぅう…!と意味をなさない悲鳴を上げる女戦士(半泣き)。
「…いい加減にしろ」
言いながらオレは、ライターの火でスライムの触手の一本を炙る。触手は、ジュッ…という水分が蒸発する音とイカが焼けるようなニオイをさせて一瞬で縮んだ。
あ、という間抜けな顔を晒す、女ども三人。
なんで、カフェル(おまえ)まで…
続く…
好きなスライムは『ホイミン』です。




