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1話

 全力で引きこもってたら飢え死にした。

 

 できればあと10年ぐらい引きこもっていたかったがさすがに飲まず食わずでは無理があったか、なんて思いながら確かに死んだはずだ。

 例え気絶しただけだったとしても今の部屋に住み始めてから7年間で訪ねてきた人はいないしこれから訪ねてくる予定がある人もいないので、発見されて一命を取り留めたりもしないはずだ。


 はずなのだけど・・・


 現実として今俺は洞窟のような場所にいる

 なぜこんな場所にいるのだろうか?

 気絶してる間に運ばれたか? 

 もしそうだとしてもいったい誰が何のために?


 そういえば空腹感が無くなってる、服もいつの間にかファンタジーチックなローブになっている。

 何が起こったのかさっぱりわからないけどとりあえず周囲を見回してみる、ほかにやることないし

 目の前には頑丈そうな両開きの大きな扉、そして部屋の真ん中にはボロい箱が一つ

 とりあえず箱を開けてみると中にはずっしりと重い金色のコインが10枚ほど入っていた、見たことない柄だけどたぶんこれって金貨ってやつじゃね?

 

 次に扉を開けてみる、見るからに重そうな扉だったけれど引っ張るとあっさり開いた。

 扉の向こうは四角い部屋になっており左右の壁にカンテラのような物が掛けられており部屋を照らしている。

 また、部屋の中央には石でできた立派な椅子が一つ、こちらに背もたれを向ける形で置かれている。

 そしてその椅子の向こうの壁、つまり今俺が入ってきた扉がある壁の反対側の壁に頑丈そうな扉。

 

 その新しく発見した扉も重そうな外見に似合わずあっさりと開いた。

 先にはまっすぐな通路が続いており奥の方が明るくなっている、どうやら出口のようだ。

 

 出口

 そう、出口である。

 引きこもり歴7年の体が外に出るのを拒み、後ずさりを始める。

 そのまま椅子のある部屋の中に戻り、扉をしっかりと閉め、椅子に座る。

 

 俺はこの現状から何をすればいいのか理解した

 




 引きこもるのだ!

 金と引きこもる場所を与えてくれた親切な人に感謝しつつ!

 全力で引きこもるのだ!

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