①-26
「良いから黙って死んどけヨォ!」
男はさっきと同じようにガレキを無造作に投げつけてくる。
だけど、さっきとは違う。
さっきまでのジャック・ラビットでは無いんだ。
いや、むしろさっきまでのはジャック・ラビットでは無かったと言える。
「改めて、自己紹介をしよう。私たちがジャックラビットだ」
ガレキを右ストレートで砕いた格好のまま、そう宣言した。
「ハァ?」
男が疑問を持っているような返事をした。まあ、当然だろう。もしも敵が僕だったとしても、そう思う。
でも、今回の事で分かった。
「私は支えられている」
足に力を入れる。
そして、それと同時に空海はアビスに指示を出す。
「早速、試運転を兼ねてお披露目と行くぞ!モード・マーチヘア!!」
『モード変更。マーチヘア作動、終了まで残り99秒』
すると、目が赤くひかり、耳が大きく開く。スーツのつなぎ目の部分もずれる様に開き始め、蒸気のようなものを出し始める。
そして、湊はいつもの様に足に力を入れ、跳躍した。
だが、いつもよりも圧倒的に早く、力強く飛んだ。
相手の懐まで、自分が思っていたよりもはるかに早く飛び、相手の両肩に拳を打ち込む。
「ああァ?」
男が気が付いた時には両肩からは火花が飛び散り、その腕は使い物にならなくなっている。
上がらない腕に気が付いた男は目の前にいると思っていた、ジャック・ラビット目掛け蹴りを放とうとするが、
「後ろだよ!」
すでにそこには姿は無く、男の後ろへと移動し、両足をほぼ同時と言える速度で蹴りつけ、破壊した。
「ぎゃははははあはァ!」
男は火花と機械が崩れる音に混ざりながら、前へ倒れた。
「ハハハハァ!クソが!クソが!!!」
ジャック・ラビットはスーツの搭乗口を無理やりこじ開け、男を引きずり出し、射出したワイヤーで拘束をする。
そして、そこで湊は近くのガラス片で初めて今のジャック・ラビットの姿を知った。




