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①-22

 ラボでは湊とケンカ別れをしたばかりだと言うのに、空海はスーツをいじりまわしていた。


『その機能をお付けになるんですか?』

「……ああ」

『ですが、その機能は空海さまでは十全に使う事が―――』

「出来ねえって?知ってんだよ、んなことは。天才だからな」

『いえ、天才かどうかではなく、元々湊さまのために作り上げたものでは無かったのですか?』

「……うっせえ」


 その後、1人と1体は黙り、静かに作業は続いた。


 そして、それから1時間もしないうちの事だ。空海はスーツの改造をいつもよりもはるかに早く終え、


「むかつく事だが、嫌な事を気にしないために集中すると思ってたよりも仕事が早く終わる見てえだな」

『予定では1時間以上はかかるはずの作業でした。ですが、空海さまの集中の賜物でしょう。予定よりもはるかに早く終わりましたね』

「それは嫌味か?」

『すみませんが、私には嫌味を言うための感情がありません』

「ああ、知ってる。俺が作ったんだからな」

『ええ、そうですが、忘れてしまっているのかと思いまして』

「……嫌味か?」

『さあ、どうでしょう』


 空海は深いため息を吐いた。


「行くか」


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