創造神、勉強と接客と今後の準備と
スキル習得ログは物語的にその時に重要でない場合は簡易的に扱うことにしました
その後数日間、ひたすら屋台(露店)にて商品を売り続けた……そうこうしているうちに接客の流れについて何となくだが理解し始め、ある時からは接客もさせてもらえるようになってきた、ここでの流れは平日は露店で商品を売り、休日は工房で商品の製造、最初のころは村の人たちも越冬のための必需品を買うためというのもあり大量購入していたのだけど、11月にもなると必需品よりも小物のような雑貨を買うようになっていた、もちろん聖痕目的で。
さらに時は過ぎる、例年を遥かに超えた客足の影響か?いつもならば雪が散らつき始めるころに店じまいをするらしいのだが、12月になるころには売る物もなくなり、パーシモン一家は春になるまでは次に向かう予定である王都で売る商品を用意することになった。
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……
さて、このころまでに教わったお金の話をしようか。
この世界はすべての国で同じ貨幣を使っている、そしてその貨幣は次の7種類だ。
貝貨1ルーク
鉄貨10ルーク
銅貨100ルーク
銀貨1000ルーク
金貨10000ルーク
大金貨100000ルーク
白金貨1000000ルーク
※日本円に直すのなら100ルークで1500~2000円ほどで素泊まり宿でこれくらいの貨幣価値
白金貨は真っ白で何のがらもない、ほとんど使われることも無いそうだ。
そして残りの1~100000の貨幣にはそれぞれ6神の顔が印されている、お金の価値に対して神の上下は無いらしい、貨幣を創ると決まったときに6神全員が降臨してどういう貨幣管理にするか勝手に決めて帰ったからだそうで、その決め方もめんどくさいからというなんともいえないような決め方だったらしい。
それはそうと、接客をするためには算術を学ぶ必要があった、だけど難しいことは無い、接客業に必要なのは加算、減算、乗算、それだけだ、難しいことは無い、この程度の物は一度聞いて例題を解けば覚えられる。
NEW!『算術』NEW!『算術:加算』NEW!『算術:減算』NEW!『算術:乗算』
……
そしてついに雪が降り始めた。
来年の春からはジェフは王都の学校に入学して6年間の学生生活を送るらしい、そして卒業し15歳になると一人前になり、家を出たり家業を継いだり、つまりは成人として認められるのが15歳のようだ――。
だがその前に春にはパーシモン一家は王都へ出発してしまう、だが俺はこのダサーラを出ることは出来ないのだ……、つまり、それまでに生活の基盤を築かなくてはいけないのだ。
……
そしてそのことをロベルトさんに相談することにした……が、俺の心配をよそにロベルトさんは軽い反応だった。
「あぁ、そのことか、実はな……すでに君に手伝ってもらう仕事が終わってしまったんだ、わかるか? 今年の仕事は例年よりもはるかに早く終わった、さらに接客も最後の方は君に任せることが出来たからな、預かり費用のすべてを既に返済済みなんだ、もちろん借金分については私からは何もしていないのだが……、ナギ君、これが君のこの一か月の給料さ、もちろん経費を差し引いたものだから、完全に君の返済に使ってもらって問題は無いよ」
そう言って手渡された麻袋に唖然とした。
準奴隷を預かるのにかかるレンタル料は1日に5鉄貨(50ルーク)のようだ、これまででだいたい50日程になるか――、それだけで銀貨1枚と銅貨5枚の2500ルークにもなる、だがこの計算式は1日に本来かかるはずだった食費と人件費などその他雑費を足した料金らしい、寝食を管理しているような、ほぼ完全に引き取っている場合でも買い取るまではレンタル料は1日に2鉄貨(20ルーク)、その金額を差し引いて余りある給料、それもこれも聖痕の効果によってお客さんがたくさん来てくれたおかげなのだろう。
その金額は……銅貨で120枚と銅貨42枚鉄貨7枚(16270ルーク)、俺の借金額が金貨2枚と銀貨5枚(25000)ルークなのだ、それをそのまま教会に収めればだが、すでに完済まで半分を切ってしまっていた。
「さて、ナギ君、私としては君には12月末までいろいろと手伝ってもらうつもりだったのだが、その仕事はすでに終わってしまっている、帳簿の仕事もナギ君が接客や算術を覚えてくれたおかげでゆっくりと終わらせることが出来た……つまり、いま君はやることが無い――それは分かるね?」
――っ!?追い出されてしまうのか? びくっとした俺を感じ取ったのか、ロベルトさんは言葉を続けた。
「勘違いしないでくれ、すでに君は私達家族が支払った金額以上に働いてくれたんだ、だから……というか今後の君の自立のために冬の間はパセラが見てくれることになった、それを耐えきれば……君はきっと自由だ!」




