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忘却の創造神が新世界で無双する  作者: かぼす
創造神、巡礼す
27/28

元奴隷、霧のダンジョン『アリアドネー』洞窟を攻略す(後編)

「まったくなんて量の魔獣だ、マッドクラブや完全変異したサハギン、リーフところじゃない、これも完全変異したオルタラビットが大量にいやがる、なんたってこんな辺鄙な半島で」

「確かに変だな……おいファートック、霧が濃くなってきたぞ、はぐれないように気を付けろよ」

「あぁ俺は問題ねぇ、だがガキがどうなるかまではこの状況じゃ流石に責任は持てねぇぞ?」


 自信家のファートックまでもこう漏らすほどに厳しい状況のなか、このオレはひたすら魔獣から逃げ惑っていた、

 

「ちょ……! おい! 冒険者の人! どうなってるんだよ!」

「うっせぇなガキんちょ、ランクBの冒険者を舐めんなよ?」

「そうだな、いきなり魔物が大量に出てきて少し慌てたが、この程度の奴らなら問題は無い」

「おう! そうだなガロット……おいクソガキ! 手前も自分で何匹か対処しやがれ」


 突然ファートックはそんなことを言い始める……がガロットもそれを止めることは無い。


「あぁそうだな少年、頼るだけではなく自分でどうにかしようと考えることが成長につながるんだ、たいしたことは無いさ、この程度の魔獣相手であれば致命傷を負う前に助けに入ることは出来る、思いっきりやってみろ」


 はぁぁ……そういわれると断りずらい……討伐をお願いしている立場だしな。

 

 ……

 

 ぜぇ……ぜぇ……

 

 おっし、やってやったぞ脳金冒険者どもめが……。

 

「はぁ……生きてるか? ファー」

「おおよ……はぁ……はぁ……、あのガキもなかなかやりやがるな」

「あったりまえだろ、くそ冒険者、蜂をつぶすまでは終われねぇよ」


 そうだ、まだベッコーキラーホークの姿すら見ていないんだ、へこたれてなんかいられない。

 

「そうだろうな、だが見てみろ、霧が見えてきたぞ」

「あれが例の奴か、ならそろそろ蜂の巣は近いってことだよな」


 二人は納得するように頷きあう、しばらく休憩した後、再び歩みを進め始めた。

 

 ……

 

「なぁガロット、蜂の羽音なんだが……この洞窟から聞こえてるよな」

「あぁ、俺にもそう聞える、なんだってキラーホークがこんな地下の洞窟に……ってこれは蜘蛛の糸か」

「あ? あぁそうみてぇだな、この丈夫で太い縦糸は……あれがいるのか?!」


 ガロットは深く頷いた。


「おそらくはそうだろう、ファートック、あと……結局お前の名前はまだ聞いてないが、ガキ、ここからは乱戦になると思う……いいか?」


 俺とファートックは同時に頷き、目線を洞窟へと向けたのだった。


 ……


「っと、まぁこんなことでワシがここに初めて来たときになんやかんやあってのぉ、ここの主と旧知の仲になったんじゃ」


 ……だからどうなるんだろうか、まぁそういうツッコミはフラムがやってくれるだろ。


「いやいやいや、爺さんよぉ、それじゃなんにもわからないぜ、ちゃんと話してくれよ」


「まだわからんか、旧知の仲じゃというたじゃろに、わしらは既にアラクネの群れに囲まれておるのじゃよ、のぉ? マリ・アラよ」

 どの言葉を合図にしたのかは分からないが、たくさんの蜘蛛がぞろぞろと現れてきた後に上半身が人間の女性、下半身が蜘蛛のような、つまりは蜘蛛の上位種であるアラクネが群れで俺たちの目の前に現れたのだ……だが襲ってくるではなく、俺やフラム、そしてマーロックを観察している様子だった、そして一通りの観察を終えたかのようにアラクネの中でも大きな個体が手をあげたかと思うと、奥の穴の中から、明らかに他の個体とは雰囲気の違ったアラクネ……? が姿を現した。

 

「久しいなマーロック、50年ぶり程になるか……、まさかまたお前がここに来ることになるとはな、やはり隣にいるその不思議な雰囲気の童が原因じゃな?」

「やはりわかるか……、この子はナギといってな、土と火の聖痕持ちなのじゃ、さらに霧と同じ気配をしておる、あの時と似ているだろう?」


 2人はなぜか俺のことを話し始めた……が、もちろん俺とフラムはその話についていくことは出来ない。

 

 だが、俺の知らないところでこの洞窟の攻略はすでに終わっているようだった。


「ようこそ、えぇと? ナギといったか、我々とマーロックはお前をずっと待っていた」


 なんだと? 思わず身構えてしまう。


「あぁ申し訳ない……そういうつもりではないのだ、50年前のことだったか名もなき少年が仲間と共にこの洞窟に入り込んできて我々を助けてくれたのだ、だが大量の魔獣がいたためにそのままわれらと共に籠城するような形にさせてしまってな、その時、霧の老人が突然現れて我らを助けてくれたのじゃ」


 霧の老人、思い当たる節はもちろんある……、ミラージュロードの途中で霧幻平原の小屋で出会ったあの老人のことだろう。


「爺さんと、えぇと? マリさん? アラさん? 何言ってるんだ? ここのナギは1年前くらいにダサーラに来た以前の記憶がない……あれ? けど確かに気配は似てたような気がするな」

「ほう? 既に会っていたのか……だがその様子じゃまだ器が足りないようだな」

「あぁ、そうじゃのぉ、だが当たりらしいな」

完全終了ではないですが、洞窟潜入は終了ということで・・・

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