元奴隷、火の教会へ行ったら燃えていた
火事ですが、時事とは関係ありません
前から決めていた物なのでそのまま書きました。
アッシュの予想通り、次の日の昼過ぎには無事にポルカの港町に到着することが出来た。
入町料は無く、特に問題は無く街に入ることもできた、そして俺の当座の目的である教会巡りのため、町の人に道を聞きながら教会まで来たのだが……、燃えている。
そういう演出でなく、燃え落ちている。
「え? どういうことですか?」
「うん、わからない」
町の人も茫然とした様子でその光景を眺めている……、とりあえず俺たちは宿を取って体を休めることにした。
鎮火したのは深夜遅くになってからだったらしい、そこは7柱の石像を残して全ては灰となってしまっていたという。
「ねぇアッシュ、どうしようか?」
「……」
「ねぇアッシュ、どうしようか?」
『……」
「ねぇアッ「教会を直しましょう」」
しつこかったかな……、ちょっと反省。
ともかく教会のところに向かった。
神父さんや関係者のような人たちがうなだれている、そんなんじゃ困るよ、クエビコからは教会を巡れって言われているんだ、幸い資金力はあるんだ多少寄付しても平気だろう。
「あの……神父さんはどの人ですか?」
そう聞くと老齢な人はその場にいた中で一番若い女性を指差した、女の人だと神父って呼ぶのか? 修道女? 神婦?
とにかくその人のところに行く。
「あの、ここの責任者の人ですか? 立て直しのための寄付をしようと思うんですが」
固まっている。
「あの、ここの責任者の人ですか? 立て直しのための寄付をしようと思うんですが」
固まっている。
「あの、ここの責任者の人ですか? 立て「ふえぇぇえ?」」
あ……動いた、あれ?ふえぇぇえって聞いたことが有るな。
「ふぁ!? あ、すみませんです! 私はここの責任者のマチルと言いますです! ……って! その手の印は」
周囲の目が一手に集まる、手だけに。
「「「「「聖痕!?」」」」」
「ふぁ……あ! すみませんです!すみませんです! ダサーラの村で土の神様に気に入られてさらになにやらご利益があったとか? たしかベインバンブーとかいいましたですか? それには聖痕を持った人が関わっているだとか?」
周りの人はまだ聖痕と言った時のまま顔が固まってる。
「ふぇぇ、え……ええとですね? つまりですね? ダサーラに負けていられないと奮起した火の神を信仰する住人たちが、カグツチが負けたかのように落胆してしまってですね? 信仰心が足りないのでは?! っと言い出す人がいたんです、それで暴走して大きなかがり火を上げたりとか……、それが燃え移ったみたいですぅ」
唖然、完全にここの人の暴走らしいのだがそれがクエビコに張り合うためだとかなんとか。
「すみませんが、この状態ですが石像はありますよね? 祈りを捧げてもよいですか?」
流れを遮って当初の目的を果たそうとするアッシュ。
「ふぇ……、ソウデスネ、ダイジョウブデス」
とにかく7柱の石像に囲まれた場所に行き、膝まづいて祈りをささげた。
「お! きたきたきた! ようやく来たか! 俺がカグツチだ、火の神をしている」
いつものように白い世界に意識が移ったかと思ったらすぐに陽気な声で語りかけてきた。
「教会のざまを見ただろう? バッカだよなぁ……でも少しうれしい気持ちもあるってもんさ、火の神の教会を盛り上げようとした結果だからな、お前が龍脈を開いたんだろう? そのせいでこの半島の魔素が活性化していてな、それもあって予想より燃えちまったらしい」
「龍脈?」
うん、単純に分からない。
「あぁそうか、ダサーラのところでベインバンブーに魔力を注いだだろう? 竹には地下茎っていう全ての竹がつながる茎があるんだが、簡単に言うと狩れかけてたんだ、最後の力で頭を出そうとした竹にクエビコの力が宿った魔素を注ぎ込んだ結果、半島をぐるっと巡っていた地下茎が蘇って、その管を利用して流れていた様々なエネルギーの流れである龍脈が復活したってことだ」
なるほどなるほど。
「ということで、俺からも聖痕を授けるから各地でクエビコの力と共にこの俺、カグツチの火の力も使って回ってくれ、それだけで土地は活性化していくはずだ、まずはここの教会の再建を手伝ってもらいたいがな、たぶん大丈夫だろう、聖痕を見せれば教会の関係者は指示に従って動いてくれるはずだ『神託だ』って言ってもいいぞ、じゃぁな」
ほぼ一方的に話してまた話は終わってしまった、クエビコと言いみんなこうなのかな。
光に包まれていき、その光が晴れるとまた祈りをささげた場所へと戻って来た。
「さて……やるか」
立ち上がり、神父さんや修道女さん、敬虔な信徒さんに向かって聖痕を見せる、土だけではない、火も宿った聖痕だ。
「皆さん、カグツチから神託がありました、とにかく教会を再建してほしいと言っていました、あと火事になってしまいましたが自分を思ってのことだから怒ってはいないと言っていました。」
「ふぁ!?」
「神託?」
「怒ってない?……うぅぅ」
「というか聖痕?!」
最後の声はとても大きく、町の人たちが集まって来た。
「なんだなんだ?」
「聖痕とか聞こえたが」
だんだんと人が集まってきて収集が付かなくなってきた、さすがに村とは人の数が違うよな……そうこうしているうちに騒ぎを聞きつけた衛兵が数人走って来た。
「何をしている!」
「散れ!散れ! 道を開けろ」
「すまない、通してくれ」
人だかりが割れて、若い衛兵が二人とその上司だと思われる壮年の男が駆け寄って来た。




