第八十六話 ヒルデ参戦
今回も紳士の皆様向けです♪
ベッドの上で力無く横たわるラミィを、僕は暫くの間、優しく抱きしめていた。
僕の執拗な愛撫で上り詰めたラミィは、自分の中で初めて生まれた感覚に戸惑いながらも、その甘い痺れの余韻に浸っているようだった。
やがて呼吸も落ち着いてくると、彼女は僕の胸板に可愛い顎を乗せて、
「ねぇ、こんどは、私にご奉仕させてください…」
そう言うと、僕の首筋や胸、腹筋や脇腹など色々な所に、愛おしそうに口づけていく。
そうして下腹部から更に下の、僕の固くなったものに辿り着くと、躊躇うことなくその愛らしい唇の中に先端を納めてしまった。
おおきぃ…。ぜんぶはいるかな?
頑張って根本まで納めようとするラミィ。
そこから先、何で学んだのかは分からないが、初めてとは思えないほど僕の弱いところを舌先で攻め続けてくる。
僕と彼女の攻守が完全に逆転してしまった。
しばらくは彼女の好きにさせていたが、やがて我慢が出来なくなってきて、僕は身体を起こして再びラミィをベッドに組み伏せる。
彼女は少し驚いたような顔をしながらも、僕の意図を察したのか、
「あの…、優しく、してくださいね」
潤んだ瞳で見上げてくる。
僕は彼女を安心させるように優しいキスをしたあと、手を伸ばして大切なところが十分に濡れていることを確認する。
そうして、彼女の唾液まみれの僕のものをその入り口にあてがい、そのまま腹筋に力を入れるようにして腰を沈めた。
え!?あ、痛っ!
彼女は無意識に身体を上にずらして、僕の腰から逃げようとする。
僕はそこで一旦留めて、彼女が慣れるまで、頬やおでこに口づけた。
やがて彼女が少し落ち着いてきたのを見計らって、今度はその細い腰を両手で掴んで逃げられないように押さえ、そのまま彼女の一番奥まで一気に腰を沈めきった。
ぅううぁっ!
彼女は悶え、僕の胸板に深く爪をたてる。
そうして僕は彼女の痛みの一部を共有しながら、動かすことなく彼女が再び落ち着くのを待った。
ぃたぁぁっ!
彼女の目尻から、一筋の涙が零れ落ちた。
「ごめん、痛かったね…」
僕の問いに、まるで幼女のようにコクンと頷く。
「でも…、思ったほどではなかったですわ」
そう言って、涙目で強がりながら微笑むラミィ。
僕は彼女と繋がりながら、腰を動かさずに、再び彼女の胸の先端を執拗に可愛がった。
すでにコツは分かっていたので、再び彼女が上り詰めるのにさしたる時間は掛からなかった。
彼女はほどなく、再び美しい弓なりを描いたあとでベッドに倒れ込んだ。
おそらく全身に甘い痺れを感じているはずのそのタイミングで、僕はゆっくりと腰を動かし始める。
彼女は僕の身体に必死にしがみついて、僕の全てを受け入れてくれる。
始めは苦痛をこらえるような声音だったものが、やがては陶酔した歓びの色を帯びてくる。それにつれて、僕をより一層受け入れるかのように、彼女の中から粘り気を含んだ液がどんどん溢れ出してきて、部屋中に男女の交わりの卑猥な音が響き渡った。
どれくらいそうしていただろうか?
僕の汗が彼女の雪の様な白い肌に滴り始め、僕の中で堪えきれないものがどんどん迫り上がってくる。
だめだ、もう、いくよ?
僕の声に、ラミィは微かに頷いたようにも見えた。
僕は直前で彼女のなかから引き抜き、滑らかな彼女のお腹の上に大量に放出する。
自分でも驚くほどの量が、彼女のお腹や胸に飛び散った。
出涸らしになった僕は、力尽きて彼女の横に仰向けになって寝転がる。
何と言うか、初めての経験らしいラミィに対して、とりあえず自分の中のベストは尽くしたつもりだった。なるべく怖くないように、そして嫌にならないように。
実際、ラミィはどう感じたんだろう?
隣のラミィを見ると、自分のお腹の上に飛び散った僕のものを指先でひと掬いし、不思議そうに眺めていた。
僕は急に恥ずかしくなり、彼女のお腹や指先についたものを、いそいで枕元のタオルで拭い去る。
「あぁぁ、勿体ないですわ…」
なぜかラミィが抗議のこえを上げる。
「いや、そんな勿体ないというものじゃないから」
僕はタオルを水洗いし、再び彼女の身体を丁寧に拭いて綺麗にする。
「勿体ないに決まってますわ。私の記念すべき初体験の証ですのに」
そう言って僕からタオルを奪い、今度は彼女が僕の身体を綺麗に拭き始めた。
特に、放出後の小さくなった僕のものを物珍しそうに手に取りながら、隅々まで清めてくれる。
「さっきまであんなに硬くて大きかったのに、こんなに小さく柔らかくなるものなのですね」
可愛い、と言って僕のものをよしよしと撫でてくれるラミィ。そんな子どものような仕草に、彼女への愛しさが募る。
僕達は、そうしてしばらくお互いの身体を色々弄って過ごしていると、その親密な雰囲気を打ち壊す様に、突然僕等の部屋のドアが激しく叩かれた。
何か火急の用件かと思った僕は、気怠さの残る身体にむち打ち、ローブを引っ掛けていそいで部屋の扉を開けた。
と、そこにはブリュンヒルデが、怖い顔で仁王立ちしていた。
「ユーキ、ラミィが来てるよね?」
そう言い放ち、僕が何か答えようとする前にヒルデは僕の部屋に入り、ベッドの上の全裸のラミィを見つけた。
「やっぱり!抜け駆けしてるじゃないか!?
しかもさっき、私の飲み物に薬を入れただろ?」
ヒルデのものすごい剣幕に、ラミィは全く動揺する気配もなく、
「あら、ヒルデ?随分ごゆっくりしてたのね?
わたくし、待ちきれずに先にユーキ様に抱かれていましたわ」
「何を言うか!?そなたが私に薬を飲ませて眠らせたんだろ!?」
「うふふ、…何を仰っているか分かりませんが、とにかく私は『順番通り』にしたまで。
ご安心して下さい、次は貴女の番ですから」
そこまで聞けば、ヒルデの剣幕も理解できる。
そこまでするか?と思う一方、まぁ、ラミィならやるだろうと妙に納得できる。
やがて、全く悪びれないラミィに幾ら言っても仕方が無いと諦めたのか、ヒルデも落ち着いてきて、
「正直やり方は納得しかねるが、まぁ順番通りと言われればそれまでだ…。
だが、これからは我が順番となる訳だから、それに異存は無かろうな?」
「もちろんですわ、ヒルデ。わたくし、これから湯浴みに参りますので、ユーキ様とごゆっくりなさると良いですわ」
そう言うとラミィは、自分のガウンを羽織って僕の眼の前に立ち、
「ユーキ様、色々お優しくして頂き、ありがとうございました。わたくし、ユーキ様が初めての殿方で良かったですわ」
彼女は僕の頬に軽くキスして微笑むと、ヒラリと裾を翻して部屋を出ていった。
部屋には僕とヒルデが取り残され、何とも言えない微妙な空気が流れる。
彼女もラミィと同様、湯浴み後なのか美しい金髪を高く纏めて、厚手のガウンを羽織る格好だった。
先程のラミィとの会話から推測するに、本当ならヒルデは、ラミィと2人でここに来る予定だったのかも知れない。
確かに今日は、彼女達2人の『順番』だったはずだ。そうすると、当然次はヒルデと、ということになる、が……。
ふと、彼女と視線が合う。
「…随分とお楽しみだったようだな?」
オドロ線とジト目という2大アイテムを装備したヒルデが、氷点下並みの冷たい視線を向けてきた。
咄嗟に何と言えば良いのか迷い、いつもの如く僕は沈黙を選択せざるを得なかった。
彼女は腕組みしながら、直立する僕の周囲を歩き回り、そして口を開いた。
「昨晩はフィリーとソフィア、そして今日はラミィと私か。大した召喚勇者様だな?」
皮肉たっぷりなヒルデの言葉だが、ラミィにもほとんど同じ事を言われたけど、結局は事実な分だけ何も言い返せない。
それにしても、アプサラスの軍団長であるブリュンヒルデから詰問されると、自分が新兵になった気分だ。
その軍団長が僕の眼の前で立ち止まり、まっすぐ僕の瞳を見つめてくる。
めちゃくちゃ怒ってるんだろうな、と、恐る恐るその顔を見ると、案に相違して彼女は寂しそうな表情を浮かべていた。
「ど、どうしたの、ヒルデ?」
彼女は軽く下唇を噛み締めながら、
「私は彼女達に比べれば一番の新参者だし、それに…、お主が初めての相手、という訳でもない。
…やはりお主とて、彼女達のように初めての男になりたいんだろう?」
そんな彼女の、余りにも想定外の発言に思わず、
「そんなこと気にしてるの?」
と素で呆れた声を上げてしまう。
「そんなこととはなんだ!人が悩んでいるのに!」
美しい形の眉がキリッと上がる。
僕は、彼女の大天使らしい、神が作った完璧に整った顔立ちを真正面から見つめながら、
「ねえ、ヒルデ?貴女は常に勇敢で、高潔で、公正で、そして控えめな一面も持つ優しい女性だ。
その貴女が、そんなつまらないことを気にする必要が一体どこに有るの?僕にとっては、貴女が貴女らしくあるだけで充分満足だよ」
そう言って、僕は彼女の前に片膝をつき、彼女の手を取りその白く滑らかな指の背に想いを込めて口づけた。
「ブリュンヒルデ、貴女には言葉に出来ないほど沢山のものをもらって来ました。本当に心から感謝しています」
僕の言葉に、彼女は軽く頬を染めながらも、
「き、急になんだ?それに、…感謝だけか?」
と挑戦的に聞いてくる。
僕は彼女の顔を真っ直ぐ見上げながら、
「貴女さえ良ければ、僕なりの誠を貴女に捧げたい。いつも、貴女からばかりプロポーズされてるばかりから」
「確かに、そうだな」と彼女も笑う。
僕はあらためて、
「ブリュンヒルデ、僕の伴侶として同じ時間を共に過ごして欲しい」
彼女は照れくさそうに笑いながら、
「言われなくても、我はもともとそなたの妻だ。
…今宵、ようやく結ばれるがな」
そう言って僕を立たせて、両手の指を僕のそれと絡ませながら、
「我よりも先に死んだら、ただじゃおかないぞ」
「そ、それって冗談だよね?」
人間が本物の大天使より長生き出きる訳が無い。
「半分は本気だ。何しろ、天使と交われば寿命が延びると言われているからな」
僕はびっくりして、
「それってホントなの?」
ブリュンヒルデは笑いながら、
「少なくとも我の歴代の夫は、常人よりはかなり長く生きた。
そなただって、やって見なければ分かるまい?」
「ねえ、ヒルデ?」
「なんだ?」
「貴女の過去の夫とやらに、いますご〜く嫉妬したんだけど」
ヒルデは可笑しそうにクスクス笑い、
「可愛いな…。最後の夫が亡くなってから数百年は過ぎている。もう許してやってくれ」
僕は彼女を確りと抱きしめ、
「許さない、これから貴女を散々抱いて、そんな奴らをみんな片っ端から忘れさせてやる…」
ヒルデは気持ちよさそうに僕の胸に顔を埋めながら、
「そうなれば、妾も本望だ…」
そこから先は、お互いに言葉ではなく相手を愛おしむ行為のみで対話を続ける。
僕は僕で、彼女が初めてでは無いので余計な気を使う必要は無かったし、彼女もまた経験者らしい技巧を惜しげもなく披露してきた。
僕等は文字通り、指や舌、爪や手足など、あらゆるものを使って、お互いのあらゆる所を貪り合った。
恐らく彼女の身体のうち、僕の舌が触ってないところは無いだろうし、僕の身体にしても同じだった。
始めこそかなり良いようにやられていたが、彼女の幾つかの弱い箇所と、それらの扱い方のコツを得てからは、逆に彼女は僕の身体の下で数え切れないほど絶頂を迎え、最後は半べそをかきながら僕に赦しを求めてきた。
僕自身も何度か達していたが、一番最後は、一番普通の形で交わり、そして口づけをしながら彼女の中に全てを放った。
彼女もまた、その瞬間に僕にしがみつき、全身を痙攣させながら切ない喘ぎ声を上げた。
いつの間にか高く登った満月が、ベッドの上の僕等を蒼白く照らしていた。
僕等はシーツにくるまり、あっという間に深い眠りについていった…。
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