第736話「転・最果ての軍勢による警告」
今現在歴2025年10月31日〈金〉、日本国。
問題となったのは、駅ビルと出版社に対して最果ての軍勢が割って入る形で仲介に入った。
案件名としては〈作品の質を落とした罪〉という観た感じ雰囲気だし数値化してないので具体性に欠けた内容になっている。
今回怒ったのは秘十席群、相手は駅ビルの責任者という形で、この10年間の作品の質を落としに落としまくった落とし前をどうつけるんだ? という話し合いである。
双方、怒りに怒りまくっていたので最果ての軍勢が仲介役にはいっている。ちなみにこんな〈つまらない〉話題に天上院咲も天上院姫は入ってこないし参加は拒否した。
まず駅ビル側は〈悪い芽を摘み取った〉と主張、自分が社会的に正しくて正義だと持論する。
方や秘十席群は〈作品を書けば描くほどストレスが貯まりどんどん悪化する〉とか〈主人公・ヒロイン・悪役の芽が全く育たない、それを10年間やられて作品の質が落ちまくった〉と主張。
お互い、どっちがどっちを〈潰す〉という主張ではなく落とし所を探しましょうという所から始まる。
今回、秘十席群は10年間ほどからずっと〈痛い目〉には会っているのでこれ以上の罰則はないが。問題としては間接的に秘十席群と繋がっている出版社も原作の質が目に見えて落ちに落ち続けているのは解っているので。今回出版社側も駅ビルに抗議した。
論点となるのは〈10年間悪役を育てられず、売り上げに響いたこの落とし前はどうつけるんだ?〉という出版社側の怒りである。
なので、駅ビルに求められるのは。10年間分の損害賠償金と。今後1年間〈1つの駅ビルと1つの出版社の売り上げと因果関係を平等にする〉という中国代表、チェンによる〈警告〉である。
これは期間限定付きのエレメンタルワールドの法則として作用し、つまり。
【今現在歴2025年10月31日〈金〉から2026年10月〈土〉まで、1つの駅ビルと1つの出版社の売り上げと因果関係を平等にする】が今後有効となる。
秘十席群の〈金や契約書の問題じゃない〉という怒りは解るが、そこは最果ての軍勢が止めてなだめる。
当然、駅ビル側は貯金があるので持ち堪えるだろう。1年間あったとしても大したダメージにはならない。が、別に潰すことを目的としないのならば〈教訓〉にはなるだろう、という意味で〈警告〉だ。
問題は極論、駅ビルと作品の優劣が有りすぎることにある。
そこのバランス調整の意味が入っている。ので、作品の質と駅ビルの売り上げが直結する。イコールになるのであれば、作品の質が下がれば駅ビルの売り上げも落ちるし、逆に、駅ビルの質が上がれば作品の質も上がらなければならない法則性になる。
駅ビル側は〈どうしたら作品の質が落ちなくなるか?〉を考える必要性が出て来る。そう、今まで駅ビル側は作品の質など度外視して悪い芽を摘み取っていたのだ。それだけみれば社会的には正しい。
だが、作品としては悪手である。それは出版社側なら解る。
エンタメとは本来平穏とは真逆で刺激的で劇的でなければならない。それを奪われるのだから育てられるはずがない。〈主人公とヒロイン〉だけでは物語は成り立たない、〈悪役〉は大切なピースなのだ。それが10年間育たなかった。
もちろん、秘十席群のせい、自業自得という意見もあるだろう。
だが、駅ビルの売り上げと出版社の売り上げが平等で、バランスよく均衡を保っていなくてはならない場合だったら?
互いが互いを意識せざる負えない。もちろんこの文言自体に強制力はない。そんな力があろうとなかろうと。
〈じゃあやらなかったら地震と津波起こして全駅ビル止めるわ〉とはしない。それくらいの案配。怒りのメーターである。
本当なら、天上院咲はこんなつまらない話。ここでやらないでくれ、と思っているが。まあ公開だけなら良いだろうということで許可した。
喧嘩だけはよそでやってくれと……。
なので【今現在歴2025年10月31日〈金〉から2026年10月〈土〉まで、1つの駅ビルと1つの出版社の売り上げと因果関係を平等にする】という文言以外は読む価値も無いほどつまらない物語と受け取ってくれて構わない。それくらい駅ビル側が邪魔しているのだ。




