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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
EX第11章「四獣王ジゲンドン討伐攻略戦②」西暦2037年11月14日

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第728話「転・ゆっくり寝るために」

「なあ、使えるモノなら神おも手に持てる人間、湘南桃花さんさあ」

 そんな呼ばれ方は初めてだったので、虚空を目にする桃花だったが。

「よく解んないけど、神様の扱い方が雑じゃね? 安眠したいんだけど」

 どうやら桃花が不眠になっている、じゃなくて、姫が不眠になっているらしい。

「え……もしかして特典小説のアレが効果出てるの? 公開も発表もしていないのに……?」


 どうやら人々は作品を信仰しているのではなく、神様を信仰しているのでは……? という誤解が浮き彫りになってきた。

「とりあえず不眠設定を修正して欲しいんだけど……」

 そういえば、安眠・安らぎ・ゆっくり眠れるの? ……と、不眠要素が重なっていたらしい。ここらへんは魔法の領域だ、科学じゃない

「あー、VR機のせいだと思ってたけどそっちか……解った、治すよ」


 彼女の症状は……、確か起きてたら世界が創造されて、寝たら世界が終わるというぶっ飛んだ設定だったはずだ。

 つまり、このエレメンタルワールド、どころではない、その他の世界も彼女が寝たら終焉を迎える。とかそんな誤作動が起きているのかもしれない……。

「えっと、どうやって治せば良い?」


「……、まず私を信じて。天上院姫も神様の方も」

「……」

 家族の善神、天上院咲は見守る。

 桃花は、あまりに身近に居た存在だったので、信仰対象というより友達みたいな対象で彼女を見ていた。

「おっけい、まずは姫神様を信じる……。そのあとは?」


 ウトウトしならが眠気を堪えて言う彼女の言葉はどこか弱気だった。

「とりあえず、世界創造と睡眠の生理現象を同期させない」


「んっと、つまり。姫の生理現象の同期性能・体質を無効にさせる。だね、まずはこの効能自体を無効にしないと」

 切り離すというより、そこに書いてあった効能や文体を無効・無害化させないといけない。

「形式上、ウインドウを開くよ」

 現実でも多想でもどっちでも機能するウインドウを開く。この世界の安全プログラムだ。


 とりあえず特典小説の内容を無効にして、普通の人間同様に睡眠が出来る生理現象に変更しないといけない。

 多想世界で言うならほとんどシステムコールに近いが、今回は現実世界の法則の書き換えの方だ。


 湘南桃花は今にも眠りそうな天上院姫を横目に。この世の物理法則を変える。


《天上院姫の生理現象である〈不眠設定〉の同期性能・体質を無効力化させました。同時に、普通に睡眠・安眠行動が行えるようにしました》


「よし、自分で文字を打ったって事はこれで相殺出来てるはず……あとは印刷して残して、寝てみてちょうだい」

「助かった、……ありがとう」


《天上院姫がログアウトしました》


 まるでイタズラ心をやりすぎた子供が反省したかのように。天上院姫はログアウトをして、ベットの上で深い安眠を堪能し始めた。本当に久々の安らぎの時間となった。


「……これで良かったのかな? 咲ちゃん」

 神様の事は信じたが、自分のやってる行動、キーボードのタイピングで治るの? とか、に半ば半信半疑な様子の桃花に咲は言う。

「ま、良い薬にはなったんんじゃないの? きっとよく効く薬だったよ」

 同族の神様として、理解者まで上り詰めていた咲は。今回の件は、心にも体にもよく効くと感じられた。



 すると、姫とはすれ違いざまに。黒の剣士ブロードがギルドの受付嬢のテーブルの前へやってきた。

「邪魔するぜ」

「おー久しぶり、元気してた? んで、ご要件は?」

 ブロードは桃花からの視線を気にせずに、咲へと視線を落とした。

「俺に要件は無い、咲に呼び出されたんだよ」

 この2人も何だかんだで因縁のある2人である。咲はブロードをこっそり真似するし。ブロードは得体のしれない所で重要度が高そうなのである。咲が不思議そうにブロードへ問い詰める。

「直接会って話がしたかったんです。ブロードさん、あなた何者なんですか? 何故車の中でドリームウォークしたんですか? なぜ星の墓場、スターダストスペースゼロに居たんですか? なぜ夜の時間帯に居たんですか? もしかして病院と何か関係がありますか? 全く出会っていないのにどうしてそんな在り在りと顕現出来るんですか? 何故ですか? ……て、知らないことが多すぎるんですよ」


 ブロードは頭をかきながら渋そうな顔で言う。

「ん~、今は。あとになればきっと解る、か。いずれ解るようになる。としかその件は言えないかな……」


 咲は話を続ける。

「なので、わからないことだらけなので、こうして正面切って対話をするか。一度バトルして情報を得るしか方法手段が無いんですよ……」

「なるほどバトルね……」

 この先咲も、安眠出来るのか出来ないのかにも繋がってくるし、他人事ではないのだ。

「お手合わせ程度だったら良いぜ、ガチの試合はお前とはやりたくない」

「まあ私もエンジョイ勢ですし、ガチは遠慮しますが……」

 その会話に桃花が割って入る。


「あれ? 咲ちゃん、織り機の再定義の話は?」

「あ、そうだった。ブロードさんもバトルの前に、話のネタとして参加します? 運命の糸について」

 その咲と桃花の問いかけに対してブロードは。

「別に良いけど織り機って何だ? 糸を束ねて布でも作るのか?」

 普通の解答が帰ってきた。


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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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