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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
EX第11章「四獣王ジゲンドン討伐攻略戦②」西暦2037年11月14日

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第724話「転・セットアップと5枚の紙」★

 現実世界、西暦2037年11月15日〈日〉12時00分。

 多想世界、亜空間歴6分10秒、イレギュラーの盤面があるゲームセンター。


 天上院姫がぐちゃぐちゃになった盤面を観て、一区切りついたのでリセットを……じゃなかったセットアップを申し入れた。

「セットアップか。少しの間だけしか相手してないが……、随分と慎重だな」

「ん~自分一人だった頃はもっと自由だったんじゃがな、全盛期の力を取り戻すには、……正直まだまだじゃな」


 まぁ、イレギュラーも駒を初期位置に戻すのには賛成である。

「時空を超えて開いてる穴、ワームホールはどうするんだ?」

「アレずっと動いてたのか、知らんかったなぁ……、想定外じゃ。文字で治るかなあ? まあやってみるか。えっと、確か未来から過去へ飛んだのは、少なくとも2人、ピンクスズと蒼スズじゃったな」

 元の初期位置に戻すということは、ハイファンタジー世界観の千剣に所属した時間軸に戻る事になる。


 だが、一回ピンクスズは片目を怪我しないと蒼スズのルートに分岐しない。全部何とか皆で手助けすれば片付くが。目の怪我はさせられないし、蒼スズにも会いたい。となると……。

「ん~、ちょっとズレるが初期位置と考えると、ピンクスズは千剣のギルドに配置、蒼スズは雲の王国ピュリアに設置じゃな。出会ってない形になるが今なら何とかなるじゃろう。温泉の湯事態は自然に湧きそうじゃし」


 と言って、白い駒を2つ、盤面を移動させる。この2人は本来、未来組だ。

 で、ワームホールがどの時代とどの時代に繋がってるのか不明なままだったので。少なくとも今のゲーム盤では、最未来歴から今現在歴か、最未来歴から最古来歴か、どちらかにワームホールが繋がっていた、と設定すれば筋は通る。


「ん~、古来と未来でもうゲーム出ちゃってるし。最古来歴と最未来歴が繋がってたほうが、嬉しいかな。年数も決めたほうが良いが、とりあえず問題は場所だ……」

「流れからすると雲の王国ピュリアが良いだろうけど、ギミックが多すぎるし初心者には優しくないな……」

 イレギュラーは姫にアドバイスしてから、彼女は更に頭を捻る……。


「難易度高いよな~。てことは最前線でもいいか……では第7の街、破局した街ノットの最古来歴8年と最未来歴8年は〈ワームホール〉で繋がってる事とする。それがこの世界での【自然】じゃ、それで自然のパラドックス生態系が組まれているものとする!」


「それがセットアップ上での初期位置か?」

「うん、まあファンタジーなら何とかなるが、現実世界の京都の件は知らん、色々と知らんぞ!」

 まあそこは姫の手にも負えないので、皆や仲間の手助けを期待して、いつか相殺してくれることを願おう。


 さて、盤外編のことはこれで、盤内に組み込まれたとして。

 咲の盤面も初期位置に戻さないといけない。


「まー、咲はバルバトス倒したから次はいよいよジゲンドンとのバトルじゃな」

 桃花先生がギルドの受付嬢してる場所が場所なので、最未来歴1年がセットアップ場所となっている


 それに新キャラ、内田金蔵と風見正義が加わってゲームスタートとなる。

「まあ、想定外はこんな所か……ではこんな所でゲーム再開とする」


「よろしくお願いします」

「よろしくお願いしますなのじゃ!」

 互いにお辞儀をして礼をしてゲーム盤が動き出し、スタートした。


「でさ、このワームホールの止め方は?」

「んータイムマシンな以上機械だし、AIか時空体質で止まるんじゃないか? いい加減な事は言えないからここまでだな。止められる、とだけは言っておこう」



 現実世界、西暦2037年11月15日〈日〉12時00分。

 多想世界、今現在歴2037年第9月18日、数曜日、昼。


 第1の街ライデン。場所は、ギルド本部の中。

「んで、今どんな感じなのお姉ちゃん」

「んんんん~~~~! ん! 多想世界のカレンダーが出来上がって、6線時間軸の情報更新の紙と、通過Fの報告書類が出来上がって、最果ての軍勢への手助け申請書を作って、四獣王じゃなくて五獣王にしようか悩み中……かな……!」


 そこには、ことさら時間と労力を費やして出来上がったものを公式で公開するかどうかで迷っている姫が居た。物品は出来上がっている、あとはいつ、公開するかだけだ。

「作りすぎちゃったから、今回の報告書5枚になるの多すぎるかな~? とか思ってるんだよね、ホラ、私達2人とも焦りすぎな所有るじゃん? もうちょっと辛抱強く持ちたいというか……温めたいというか……」


「あーなるほどね、確かに辛抱は足りてない、いや、減ったね……」

 という訳で、もったいぶるという意味も込めて1枚づつ公開することにした姫。

「あとは、公式カレンダーか、新しい大怪獣、どっちを先に公開するかの選択肢になるわけですよ、……優先度どっちが高いと思う?」


 咲は若干微妙な間が発生する。

「まあ、やっぱカラー絵じゃないっすかね? 内容の良し悪しはこの際置いておいて。1つしか選べないって事なら……やっぱ〈その蟲(・・・)〉を先に公開するべきなのかな? とは思うかな……いっぱいお姉ちゃんは考えたみたいだけどさ……」

 咲の前のテーブルには、この先公式として公開されるであろう書類が5枚並べられている。


 2枚は文字と手書きの名前サイン入り、社会的に見れば超重要案件。

 もう3枚が多想世界関係でこの世界の暦のカレンダーと、時間の流れの関係、四獣王に匹敵されると思われる5番目の獣王? 五獣王のイラストと情報だった。


 正直、姫にとっては5枚とも、どれも優先度高そうに見えて、5枚一気に公開でも良いのだが……。〈何か違う……〉という久しぶりに、感覚を最優先して物事を測る余裕ができた。よく言えばセンスが帰って来た訳である。


 それがさっき言っていた〈辛抱強さを持つ〉という意味である。


「んじゃ~……〈命のバトン〉の話から最初の一手目は転がすか!」

「安全か危険かで言うと、リスク有るけど、……まあ目立つよね、そのデカさ」

 というわけで、ゲームマスター姫は、裏での作業を終えて。

 次に表に公開するネタ。五獣王のネタから……。


「んじゃ最終意思決定」

 公に公開し、ギルドの討伐対象欄にデカデカと追加された。


《ワールドアナウンス、新たな大怪獣の出現を確認しました。名前は命王蟲(めいおーむ)、エレメンタルワールドのストーリーが進行します。今後、四獣王は五獣王に変更されます》


「あーやっぱ実際に公開されるとそういうノリになるのか……」

 などと、他人事のようにガチ勢を見守る咲。


「そりゃ……【この蟲(・・・)】が弱いはず無いんだよな……」

 姫は痛感してるのか、今更なのか、遅すぎたのか、など複雑な心境を持ちながら。世界に轟く5番目の獣王の誕生と、明確な討伐対象・その危険度をマジマジとイラスト付きで見つめていた――。


挿絵(By みてみん)

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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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