番外編63「アプデ体質練習・咲VS姫②」
「さて、何からやる? 色彩は設定上1回の戦闘で3回まで体質変えられるからそれでカチ合わせる?」
「まあ3回も変えたら結構色々出来るからそれでいいかな?」
言って、咲と姫はステータス欄の体質項目の2人とも色彩を選択する。
「色ってことは、絵の具を使うみたいな戦い方だよね? 体質の色って決まってるの?」
「……ごめん、決まって無い。ついでにシンボルマークも決まっていない、あくまで今日はログの流れがちゃんと流れるかだから。〈色〉と〈シンボルマーク〉はまた今度時間があったら決めるよ」
言って咲は真昼ノ剣を、姫は忍刀・神滅ぼしを手にする。
シュン――! ガキン!
まずは色彩同士の打ち込み、タイプ相性的には、双方当たれば抜群のダメージとなる。
「じゃあまずは、1回試したいから……色彩の体質特性を発動! 政治体質へ変身!」
姫は色とりどりの絵の具に包まれて変身した、が、見た目は変わっていない。
それはタイプの色とシンボルマークという記号が未設定だからだろう。
あくまで体質が変わったという情報しかない。
「じゃあ私は、実戦で使いそうな文法かな? ……変身!」
色彩が色を纏わせて変身する。
シュン――! ガキン!
政治と文法では政治の方が有利である、スピードには文法のほうが分があるが流石にこれには耐えられずダメージを受ける咲。
「ふむ、やっぱこうなるか……じゃあ、政治に強いのは……強化!」
咲は、元である色彩の効果で2回目の変身をする。
これで政治に対しては有利な、抜群を取れる。
「ふむ、強化体質か、ならこれだ! 環境へ変身!」
姫は、元である色彩の効果で2回目の変身をする。
強化に抜群な環境だ。
シュン――! ガキン!
強化と環境のタイプがぶつかり合う。またも姫の力に咲が競り負ける……。
「実際の戦いはもっとステータスとか感情が合わさるからどうなるか解らんぞ?」
「言えてるね、じゃあ最後はコレ……!」
咲は、戦闘中に光闇体質へ変身した。
「じゃあワシはコレっと!」
姫は全王へ変身した。
これでお互い、色彩の特殊効果を使い切った。変身はもうない。
タイプ相性的には光闇と全王は互いに効果抜群だ。
シュン――! ガキン!
光闇の咲の真昼ノ剣が、全王の姫の忍刀を弾き飛ばした――。
「ふう、そこまで!」
負けた姫は、試合終了の合図をした。
大体実戦をしてみて何が必要なのか解った。
「まず色彩の〈変身は対戦相手の人数に比例する〉、でバランス調整。相手が1人だったら1回、2対2なら2回、相手が10人なら10回みたいな感じ。ダレる。次にタイプの色とシンボルマークがいるね……」
咲は汗を腕で拭いながら姫に返答する。
「……、色ならすぐに設定できるんじゃない? 色鉛筆の色でも使ってさ」
まあ確かに、ここで色の個性を出しても意味はない。本気の色は別に用意しているからだ。
「じゃあ色鉛筆でいいや、……いやよくないな、ちゃんと決めるか」
どうでもいいと思ったが、どうでもよくないと切り替えて、次へ転ずる。
普通は白色・マークは丸。
心氣は銀ピンク色・マークはハート。
自然はライム色・マークは葉っぱ。
文法は栗色・マークは文字。
環境はティール色・マークは箒。
色彩はフクシャ色・マークはパレット。
強化は赤色・マークは銃。
賢術は青色・マークは本。
光闇は白黒色・マークはキラキラ。
精神は黄色・十字。
未覚は紫色・マークは?。
政治はオリーブ色・マークは菊花。
元滅は灰色・マークは×。
AIはアクア色・マークはAI。
時空は緑色・マークは時計。
全王は金色・マークは王冠。
コレがないと実戦で描写する時に表現できないからだ。
「あと必要なのは?」
「ん~これは技の範囲だと思うけど、タイプでまとめたほうが解りやすいんだよなあ~……」
「というと?」
「欲しい情報は。守る、反射、真似、お金、食糧、ルール、存在優先度、手助けって技は……まあ皆やっても良い気がするんだけどね。反射と真似の扱いが難しいんだよなあ~、どっちもオウム返し何だよなこれ。もっと良い呼び方ない?」
姫の質問に、咲は答える。
「反射は射撃の意味合いが強いからカウンターの表現で良いと思う、最果ての軍勢なんて、滅茶苦茶カウンター強いじゃん」
「あーなるほど、じゃあ反射をカウンターに修正して……、あとは食糧かな。食糧の入手のしやすさしにくさを体質で表したかったんじゃが……うん、食糧でいいな」
自分で悩んで自分で納得している姫だった。
「なので、これから16タイプにまだ必要な情報。守る、カウンター、真似、お金、食糧、ルール、存在優先度と体数、人数が多いかどうかとかの有無。の情報を決めようと思います!」
「なるほど、今回の戦闘でそれが不足してると解ったのね!」
「スキルや技に一個一個設定を明記するより、たぶんきっとこっちのほうが楽」
ということで、また設定の羅列に入る。
◇
効果範囲一覧表。
【普通】1
守る、できる。カウンター、できる。真似、できる。お金、ある。食糧、ある。ルール、守る、存在優先度2。先取り優先度3、できるが、多人数だから交渉により回数制限あり。体数、凄く多い。グループ、法則制御型。
【心氣】2
守る、できる。カウンター、できない。真似、できない。お金、ある。食糧、ある。ルール、自由。存在優先度3。先取り優先度4、できる、自己完結型だから。体数、凄く少ない。グループ、自己完結型。
【自然】3
守る、できる。カウンター、できない。真似、できる。お金、ない。食糧、凄くある。ルール、自然法則。存在優先度、3。先取り優先度1、できない、自然体だから泥棒する必要性がない。体数、多い。グループ、自己完結型。
【文法】4
守る、できる。カウンター、できない。真似、できる。お金、ある。食糧、ある。ルール、守る。存在優先度、3。先取り優先度5、できる、自己完結型だから。体数、普通。グループ、自己完結型。
【環境】5
守る、できる。カウンター、できない。真似、できる。お金、凄くある。食糧、凄くある。ルール、凄く守る。存在優先度、3。先取り優先度6、できる、ルールも守る、信頼もあるから。体数、普通。グループ、自己完結型。
【色彩】6
守る、できる。カウンター、できない。真似、できる。お金、少ない。食糧、ある。ルール、凄く守る。存在優先度、3。先取り優先度5、できる、自己完結型だから。体数、普通。グループ、自己完結型。
【強化】7
守る、できる。カウンター、できる。真似、できる。お金、ある。食糧、ある。ルール、守る。存在優先度、4。先取り優先度2、できるが、特別な条件下でないと不可。体数、少ない。グループ、社会組織型。
【賢術】8
守る、できる。カウンター、できる。真似、できる。お金、ある。食糧、ある。ルール、守る。存在優先度、4。先取り優先度2、できるが、特別な条件下でないと不可。体数、少ない。グループ、社会組織型。
【光闇】9
守る、できる。カウンター、できる。真似、できる。お金、ある。食糧、ある。ルール、守る。存在優先度、4。先取り優先度2、できるが、特別な条件下でないと不可。体数、少ない。グループ、社会組織型。
【精神】10
守る、できる。カウンター、できる。真似、できる。お金、ある。食糧、ある。ルール、作る方。存在優先度、4。先取り優先度2、できるが、特別な条件下でないと不可。体数、少ない。グループ、社会組織型。
【未覚】11
守る、できない。カウンター、できる。真似、できる。お金、ある。食糧、ある。ルール、例外。存在優先度、4。先取り優先度2、できるが、特別な条件下でないと不可。体数、少ない。グループ、社会組織型。
【政治】12
守る、できる。カウンター、できる。真似、できない。お金、沢山ある。食糧、ある。ルール、凄く守る。存在優先度、5。先取り優先度3、できるが、先取り公開が速すぎる。体数、凄く少ない。グループ、法則制御型。
【元滅】13
守る、できない。カウンター、できる。真似、できる。お金、あまりない。食糧、少ない。ルール、無法。存在優先度、3。先取り優先度2、できるが、必要悪以外は認められない。体数、凄く多い。グループ、法則制御型。
【AI】14
守る、できる。カウンター、できない。真似、できる。お金、ない。食糧、少ない。ルール、守り過ぎる。存在優先度、1。先取り優先度1、できない、全自動で取られるのもまずい。体数、凄く多い。グループ、法則制御型。
【時空】15
守る、できる。カウンター、できない。真似、できない。お金、ない。食糧、ない。ルール、自然法則。存在優先度、5。先取り優先度1、できない、時空操作しながら取られるのは単純に理解が難しい。体数、凄く少ない。グループ、法則制御型。
【全王】16
守る、できる。カウンター、できる。真似、できない。お金、凄くある。食糧、ある。ルール、作る方。存在優先度、6。先取り優先度2、できるが、必要善以外は認められない。体数、凄く少ない。グループ、自己完結型。
◇
と、読むのも理解するのも面倒で難しそうな数字が羅列されたが。その中で姫が咲に質問する。
「何か質問あるか?」
「えっと、じゃあ心氣系、心氣・自然・文法・環境・色彩の存在優先度は3で、最果ての軍勢の陰陽五行論系、強化・賢術・光闇・精神・未覚は存在優先度4だったけど。明確に上位存在の体質なのかな? それとも、どっかにメリット・デメリットが存在するのかな? 体質って意味で平等に並んでるって事は。心氣系にメリットか、陰陽五行論系にデメリットがないと、ゲームバランス的におかしい。……とか?」
深く長く姫が考えた後に、応えを言う。
「心氣系は〈自己完結型〉の体質で、陰陽五行論系は〈社会組織型〉の体質じゃな。今は特に考えてないが、例えば、〈自己完結型〉はシングル技の威力や命中率が強く、〈社会組織型〉はダブルバトルとかの集団戦で技の威力や命中率が強い、みたいな。つまり、逆を言えば心氣系は単発火力特化で、軍勢系は集団火力特化かな……! 今考えたけど!」
「へーじゃああと、それ以外のグループは〈法則制御型〉になるのね!」
言われてみれば、そうだった。
自己完結型と社会組織型と法則制御型で、この世は廻っているみたいだった。
「ん~まだ時間も体力もあるな~、じゃあとりあえずメインの奴らのタイプ確定しようぜ! 前やったら複合タイプにして大変だったんじゃ!」
「まあ、私は根っからの文法体質ですけどね、ええ、他の人でしょ?」
天上院咲は問答無用で文法に確定。
咲にとってはエンジョイゲームをしたいだけなので強さとかどうでも良いのだ。
「ん~、存在優先度3か~、じゃあゲームプレイ中は同じ3の奴を選ぶか」
姫は咲に合わせる。
「ん~、じゃとりあえず環境かな。それで動かしてみよう」
姫は環境に設定した。
で、ここまでやった上でBIG4の体質を決める事にする。
「まあ桃花先生はどうしようもなく時空だろうけど、他は? てか自由に設定できるの?」
ワンアクション事にタイプを変えられても困るし、固定し続けるのもあまりよろしい気はしない姫は。
「とりあえず現実世界時間、……他のゲームだと地球時間とか言ってたか……。地球時間で24時間は変更できない、とかで良いと思うんだよな」
その場のノリで地球時間で24時間設定したら変更不可に決まったらしい。
ということで、ひとまず決まったのは。
信条戦空は心氣、湘南桃花は時空、真城和季は政治、天上院咲は文法の体質で今日1日はゲーム進行することで決定した。




