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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
EX第9章「正しい時間軸」西暦2037年10月7日

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第686話「起・最未来歴1年」

 現実世界、西暦2037年10月9日、12時00分。

 魔法科学高等学校、昼食時間……2人の体調は良かったので、天上院姫が天上院咲に言う。

「というわけで、一段落一区切り一件落着したから、VR機器『テンジョウ2』を普及させる時間が欲しい、具体的には1ヶ月くれ」


 とりあえず〈地震0の洞窟〉の件を片付けたので、文法型の心氣を打ち込んだ岩石記憶デバイスは、最古来歴2000年代ぐらいまでは伸びたよ。とのことだった。

 つまり文明開化の花は、1年間から2000年間までは保証されたらしい、ということで咲は一安心していた。

 流石に永遠では無いのは解っている、つまり、あの処置ではあれが限界、寿命なのだろう……。

 〈闇に実体はない〉その文献だけでも貴重だろう。その意思が残り続けて良かったと安堵した。

 それは咲の都合だが。


 姫の都合としては。

 現状、安全に運用を確保できるVR機器『テンジョウ2』が3機しかないからだ。

 どうせだったら皆と同じ条件でゲームプレイしたい、全員とはいかなくてもαテストじゃなくてβテストまで持っていきたい所なのだ。

 もしαテストだったら、知ってるギルドチームだけにテンジョウ2を宅配便で渡せばいいので、2週間ぐらいで日本全国全員に行き渡るだろう。

 しかしβテストだたったら、4週間、全世界の知らないプレイヤーにも渡すことが出来る。ほぼ満遍なく同じ条件でプレイして欲しいがために、天上院咲には1ヶ月間、あのEWサーバーにログインしないで欲しいとの〈お願い〉を姫はしている。

 とりあえず、どんなに頑張ってもそれくらいの時間は欲しい。〈最速頑張っても〉それくらい時間がかかるとの事だった。

 

 勿論、ゲームサービスを止めるつもりはない。

 ゲーム内の攻略は勿論停滞するが、安全を考慮すると、今すぐサービスを止めたいくらいだ。

 なので姫は咲に〈1ヶ月は魔法科学高等学校の宿題に専念してもらって、その間にゲーム機の量産の準備をさせてくれ〉というお願いだった。

 流石にゲーマーが1ヶ月ゲームをするな、は無理な話なので。他のゲームは別にしていい、ただEWサーバーには関わらないでくれ、との事だった。

 現代っ子なら当然だがその間発生するスマホからのネタバレ情報を観るなというのも現実的ではないのでそこはOKとの事だった。


 咲は1ヶ月間勉強と宿題をしろ、と言われているので嫌そうな顔をするが。

「あー……解った、1ヶ月待てばいいのね。その代わり、お姉ちゃんもゲームにログインしない事。それがこっちからの条件、一緒に同じ体験をしたいから」

 GMである姫もログインしないなら良いよ、と条件を付けてきた。

「し、仕方ないな……色々中に入って調整もしたいが、ここが物理的限界か……」

 と、姫は渋々折れた。


 と、言う訳で時間がパッと1ヶ月後に飛ぶ事となる……。



 1ヶ月後――。

 現実世界、西暦2037年11月9日、15時00分。

 咲と姫は、魔法科学高等学校の宿題も完璧に終わらせた、流石に年を明けても持つだろう。変な事が起こらなければ年を越せる……。

 ゲーム機もβテストとして世界中に行き渡った。一般プレイヤーに本リリースまでこぎつけたかったが、流石に1ヶ月じゃこれが限界だろう……。


 姫が咲に待ちくたびれたように言う。

「というわけで約束の1ヶ月後だ、今度は何処にログインする?」

「まー、やっぱ最未来歴1年かな。ど、どうなっちゃうんだろう……てまた怖いもの見たさが働く……」

 まあ行ったこと無いんだから当然である、前情報もほぼ無いし……。

 解ってるこ事としては、ギルド『脳筋漢ズ』が新人を育てている事だけだ。


「じゃ、もったいぶらずにさっさとログインするか!」

「……そうだね」

 ということで天上院姉妹は、早速ログインすることとなった。


 現実世界、西暦2037年11月9日、15時00分。

 VR機テンジョウ2、多想世界、エレメンタルワールドサーバー。

 最未来歴1年、第1の街ライデン、ログイン。


 最初にログインして感じた事と言えば、その〈変わらなさ〉である。

 いつも見ていた中世ヨーロッパ風の見慣れた第1の街ライデンだったからだ。

「あれ……? これって今現在歴を超えてから最未来歴に来てるんだよね? もっとメカメカしいテクノロジーの塊みたいな街をイメージしてたんだけど……」

 何と言うか、文明が止っている……? いや未来なんだから衰退してる……?

 

 と、呟いていたら。ギルド『脳筋漢ズ』のジャンプがドスドスと寄ってきた。

「それについては〈第1次元滅種大戦〉と〈第2次元滅種大戦〉が関わってるらしいぞ、詳しい事は図書館に行ってみな! 四獣王ジゲンドンの情報もあるぜ!」


 咲はジャンプに対して深々とお辞儀をする。

「あ、ジャンプさんお久しぶりです、いつも姉がお世話になってます」

「おい! それは今言うことじゃないだろ……!」

 流石に今現在歴を超えてからの最未来歴だから図書館はあるのか……と咲は思った……。


 で、そそくさと情報を知りたいので、情報の山・宝箱である図書館まで来た。

「えっと、歴史書歴史書……」

「おーいあったぞ咲ー、やっぱ都合のいいことになってるわー!」

 姫にとっては「やっぱり」で、咲に取ったは「えぇ……」という感じになっていた。


 この歴史書物によると……。

 簡単に言うと、最古来歴と今現在歴の間〈第1次元滅種大戦〉と、今現在歴と最未来歴の間〈第2次元滅種大戦〉の時に、四獣王ジゲンドンが現れて、時間と空間を亜空切断して、丸ごとパックリ食べてしまったらしい事が書かれていた……。


「お姉ちゃん、GMとして一応聞くけどさ、こいつ本当に生物なの……?」

「うん、生物」

 お姉ちゃんは、最愛の妹に対してちゃんと答えた――。


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