第673話「結・光の勇者の誕生日2025」
現実世界、西暦2037年10月6日。神道社、社長室。
「まずさ、うちら何歳だっけ?」
「ん? 今高校1年生だから、約16歳? 生まれは逆算すると2021年、令和3年生まれだね」
「ウチらより年下は有りえないから、年上か同年齢だなたぶん……」
同じ瞬間に孕んでるから遅生まれか早生まれかの違いはあるけどそこら辺は言わない。
で、折角だから令和生まれであって欲しいから、2019年~2021年の間に産まれるのが理想的である。令和の子供、魔法的な意味で。
「で、妊娠確定して約10ヶ月後に産まれるから……、たぶんクリスマスに孕んでるよな?」
「……たぶん……」
「てーことは、2018年12月プラス10ヶ月後だから、2019年9月・10月生まれぐらいの差か」
「誤差だね……」
オーバーリミッツ&ブロードが2019年9月生まれ、湘南桃花&リスクが2019年10月生まれ。少なくともその後に咲が生まれる。
「でもそしたら今18歳になっちゃわない? 2037年」
「……まあこっちの世界で計算したら合わないな、理想が12歳なんだよなあ~となると、2025年か」
「あっちはともかく、こっちの誕生日まで誤魔化したら本末転倒じゃない?」
「そうだなあ~、じゃあ咲と姫の方が年上でもいっか~……」
2037年で12歳が理想だから、2025年9月と10月生まれとなる。ブロードとリスク。
となると、2024年のクリスマスにセックスしたことになる。そうすると天上院姉妹の都合はいい。
あとは場所だ、正確には出産場所。
候補は、北九州、神奈川県、群馬県、東京都あたりだろう。その選択肢になる。
「……神奈川でいいよね?」
「うん、神奈川でいい」
◇
というわけで、出産プランが決まった。
西暦2024年、日本国、神奈川県、12月25日のクリスマスにセックスで赤ちゃん確定。精子の提供者は創造神ミュウでオーバーリミッツと湘南桃花は孕む。
西暦2025年、令和7年、9月にオーバーリミッツがブロードを産み、10月に湘南桃花がリスクを産む。
西暦2034年4月1日ぐらいに、9歳のブロードとリスクがVRゲームで咲と遊ぶ。
……こんなプランだろう。仮想世界の内で出会うので身長差は操作可能だ。
◇
ということを天上院姫はファイズフォンっぽいので湘南桃花に伝えた。
『マジで? あと25日後にセックス&赤ちゃん確定の行為するの? 未来やん?』
「過去か未来かわからないって言ったの桃花やん、良かったじゃん心の準備出来て、もう一回遊べるドン」
『うぐぐぐ、人ごとだと思って……』
「だって、人ごとじゃもん?」
などと申しており……。
一通りゲームマスターとしてやることを終えたので電話を切った。
「ふう、……」
「お疲れ~姉ちゃん」
桃花とリミッツにとっては本命の計画かも知れないが、咲と姫にとっては番外編でしか無いことだけは解っていた。
「これからどうしよう……」
「2025年の2人の出産で赤ちゃん見るとか?」
「それこそ邪魔にならないか? せめて3歳か5歳で出会う、ならまだ解るが」
とりあえず姫はあんまり深入りしたくない様子である、専門外だし自分でゲーム進行をしている気がしない。
未来人が過去の子供を見るのもパラドックス的な意味であんまり良い気がしない。
だったら、今のブロード=日曜双矢とリスク=信条戦空に合うほうが良いだろう。
「まあこんな所か、私に出来ることは」
とりあえず、社長室でやることは終わった。一区切りついた形である、これ以上、何かやっても蛇足になるので、休憩室で一段落することにした2人だった。




