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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
EX第8章「鈴の湯ガーデンリベンジマッチング」西暦2037年10月4日

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第657話「承・ジャンケンを操る程度の能力」

 GM姫は、今後の起こりうる可能性を考えて思考した内容を咲に相談する。

「とりあえず~、今後のゲーム進行を考えると、咲には東方風の妖怪の能力が居るかもな」

「能力? スキルじゃなくて?」

 家族の善神でもなく、ゲーム内のスキルでもなく、ただ妖怪としての咲の能力。

 いわば、人間が妖怪を倒しやすくるための前準備だろう。


「ずばり、天上院咲の妖怪としての能力は〈ジャンケンを操る程度の能力〉だろうな、コレを所有してないと今後のゲーム進行が歪で不安定な螺旋になると思う」


《天上院咲は『ジャンケンを操る程度能力』を手に入れました》


「はあ……」

「もっとも、自然&無意識&普通に戦っても信条戦空には一撃で負けてるし、湘南桃花には現実でコテンパンにされてるし、真城和季に関しては話にすらなっていないから、BIG4の中では結局、実力は4位だ」

 咲は釈然としないが、まあ結果は結果、事実は事実として受け止める。

 現に湘南桃花にはやっと勝てた(・・・・・・)、程度の認識なので仕方がないだろう。


「まあ最強を目指してる訳でも無いしね、エンジョイしたいだけですし」

 それでも近代日本では、止まらない不可逆の時間の中、現実世界(・・・・)自分と相手(・・・・・)のジャンケンの出す手の確率を(・・・)操作出来る(・・・・・)、というのは破格の設定だろう。

 手の数と色も変えられるし、手の種類・ジャンルも変えられる、しかも変化・不変も自由自在。

 本人はやる気がない、というより関心は無いが、本気を出し始めたら滅茶苦茶になること間違いなしだ。

 

 ……、ということで妖怪認定。無事に人間を卒業した。

「まあ、東方の世界ではって言う前提条件付きじゃが、普段の咲のVRのゲーム進行にはあんまり関係ない、普通に旅の道中でジャンケンが発生するってだけだ」


「良いのか悪いのかわからないですね……つまり何ですか? ジャンケンの神様にでもなったの私?」

「場外乱闘ではな、土俵内の上ではあんまり意味ない」

 そりゃあ、何もかも無力化される〈心室〉でこの能力を使っても意味ない。

 神はサイコロを振らない、人間は手が有るのでサイコロを振れる、それだけだ。

「ま、ゲームっぽいだろ? 場外乱闘用の能力を手に入れたと思ってくれれば良い」


「ふーん、能力、スキル、あと心氣か……で、その妖怪としての私って弱点は何なの? 倒せないとゲームにならないじゃん」

 無敵の力には興味がない咲ならではの質問である。やりたいのは天上院姫お姉ちゃんが作ったゲームだ。


「ん~、普通の自然の流れで行くと8番目に弱いとか……?」

「意味が解らないんですけど……体の部位ですよ、部位」

「ん~、今の所の流れで行くと、肩か腰が弱点だろうな……目はイヤだろ?」

「目は嫌ですね、普通に不愉快、逆情して熱狂しそうです……」


 どうやら咲は、モンスターとしてなら、目を攻撃されると逆鱗に触れるらしい。

 腰痛・肩こり持ち、つまり、ジャンケン能力を使うと肩と腰に力が集中して、動きが鈍くなるわけだ……。そこが弱点。


「まあ人間じゃない咲としてはそんな感じかな~、好きな食べ物はプリンで良いんだな? 確認」

「はい、プリンかトーストでいいです」

「じゃあそんな感じで」


「本気で今やってるゲームとは関係ないゲームしてますね」

 姫お姉ちゃんはさしずめ〈社会の歯車をゲーム化する程度の能力〉だろう。

 と、咲は思った。


「ちなみに、その感覚で行くと。今回退治した大妖怪の裏湘南桃花先生の能力は何なんです?」

「あー……、アレは〈概念を暴走させる程度の能力〉……かな? アレは本気で厄介でした……、実質その本気度のせいで国が滅んでるし……」

 詳しく解説すると、自分より上位相のものは、自分の手も目も使わずに、勝手に暴走するし、上下の段層にも無限に際限がないし、見えない所で破壊の限り暴走し続けるし、止まるという事を知らない、……つまりブレーキのない空を飛ぶ大型の戦車だ。装備している大砲も止まることを知らない。とうか設計図の元段階でブレーキがない。超無知な妖怪。

 極めつけは、勝つ可能性を世界線を超えて絶対に諦めない精神力と自然回復能力。

 これが本人が意図していなかった誤解の増長……裏桃花だ。

 説明しているだけで、こっちが恐れ戦いてしまう程に凶悪極まりない性質である。


 咲がその後の顛末を聞く。

「小耳に挟んだんですがそのあと建国したのは本当なのですか?」

「知らん」

 咲の右手がピクピクしたので一安心した。

「じゃあその裏桃花さんに私は勝ったんですね! 一矢報いたんですね! よかったよかった!」

「……まあジャンケンしただけなんだけどな」

 一安心すれば良いのか、気にしたほうが良いのか、よくわからない微妙な場の空気になった。

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