表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
EX第8章「鈴の湯ガーデンリベンジマッチング」西暦2037年10月4日

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

701/789

第652話「起・純善神VS妖精王」

 極彩色の明日の花達の何とかガードして耐えきり、咲ではなく戦空が逆に覚悟(・・)を決める。地面に咲く花々には傷一つない。


 妖精王は反撃に転じる覚悟をする。

「うっし! 何かわかったし! ウチも反撃するか!」

 周りを見渡して、安全を確認し、一般市民が居ない事を確認し、……下層には居るが……、信条戦空はここに来て構える、戦闘態勢だ。

 右手に〈存在の風〉を集め始める……。


「ええぇ!? ちょっと待ってソレ(・・)放つんですか!? 解ってて!?」

 純善神(じゅんぜんしん)咲は視覚できない概念を読み取り、戦空が何を放つか読み取った。

 即ち技名は〈熱風弾(ねっぷうだん)〉、しかしその中に込められた意味は全然違った。

 咲には、概念(がいねん)系空飛ぶドラゴンの戦車(せんしゃ)大砲、カッコホンモノに視えたからだ。

 現実と幻想、双方でダメージを咲に与えるつもりである。

 戦車が空を走っている……、狙った獲物に向かって、それは即ち対戦相手である咲なわけで。


「だってー咲ばっかり攻撃してるじゃないかー、こっちだって攻撃しないとどうなるかわからないしー!」

 花を轢き殺すのでは無く、明確な悪敵に対して反撃する。そのつもりだ。

 しかし、戦空の放つソレは銃以上の威力が出る事は、今となっては容易に想像がつく。人を殺す凶器、拳銃が咲に向けられる……。

「解っててやるんですか!? 生まれたばかりなのにいきなり犯罪者になるんですか!? 重罪犯になりたいんですか!?」


「つーっても、ウソつきには戻れないし、攻撃はもう食らったし、反撃しないと楽しくないし……」

 エンタメな以上そうなのだが、エンタメじゃない所にまで範囲が及ぶのなら話は別だ。ラビット&タンクのベストマッチをやりたいのだろう。

「お前は攻撃した、ウチも攻撃する、攻撃してみないと何が起こるかわからない、それが今現在の俺達だろ? 何よりウチは、これしか出来ねえ」


 いざ自分が攻撃を受ける立場になると、躊躇する咲。戦空も迷いと言う名の間が発生する。

「ん~~、じゃあ〈浄化の炎〉のつもりで受け止めてみてくれ、お前、無知我武者羅に今まで走って来たから、たぶん善神でも怨念は憑いてると思うんだ、話はそれからだ」

 概念正論に対して、概念正論をぶつけて来る戦空。

「まあ、……それなら一回だけ受けてみますか……」

 お互い、概念系の罪を払ってからじゃないと遊べないと思ったのだろう。

 知った上でヤル、やったあとの影響力や因果関係はまだ知らない、それが今の現状だ。何せ全ての時間が動き始めた〈大イベント〉が始まって、まだちょっとしか経っていないのだから。


 桃花先生が〈知らぬ間に止めていた世界の時間〉は、まだ半分あるわけで……。

 その先には素晴らしいものが有る、と解っていても。

 恐らくこれはもう止まらない、準備と自信と覚悟は出来た、長寿と繁栄をもたらすためには、〈浄化の炎〉を咲は一回受けたほうが良い、そういう戦空の判断だ。


「じゃ、いくぞ……!」

「う、うん……! 大全力で受け止めます!」

 咲は、両目を閉じてから全力で両目をかっ開いて、覚悟を決める。


 今の今まで集めていた、〈存在の風〉を一点に集めて――。

熱風弾(ねっぷうだん)!」

 巨大な炎は天上院咲に向かって真っ直ぐ、直進・不撤退・不可逆に突き進む。

 炎が迫る直前、咲は炎の光が眩しくて、瞳を閉じ、大自然のままに全てを受け止めた。

 そうして、純善神咲の存在を大きく上回る大火力で、大神を焼き、大敵・大悪霊・大怨念(おんねん)だけを焼き滅ぼした――。

 

 ジュ……!

「……!」

 咲は、その巨大な熱風弾丸を生真面目に受け止める――。


「痛い……」

 やっぱり桃花先生の体は痛い……。

「まあそれは、しょうがない」

「またちょっと耐えて」

 天上院姫と桜愛夜鈴はできる限りフォローをする。


 ほどなくして、咲の意識が戻る、わけも分からないまま、一瞬気絶した。

 程なくして、瞼をゆっくりと開ける……。そして大きく深呼吸する。

「すうー……はぁ~……」


「うん、もう大丈夫だ。たぶん!」

「たぶんかい!」

 純善神咲と妖精王戦空の、軽快なツッコミがこの場所、この空間に軽く木霊した。

 2人は笑顔で笑いあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
・よければブックマーク、評価、感想などよろしくお願いします!
・こちらも観ていって下さるとありがたいです。
名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ