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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
EX第8章「鈴の湯ガーデンリベンジマッチング」西暦2037年10月4日

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第651話「結・ここは元の風月の有る空間」★×2

挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)

「咲ー! 諦めるなー!」

 放課後クラブの仲間、シャンフロが全力全開フォローの声援を送る、咲はそれにより何が起こっても安心(・・)できた。それがとっても救い(・・)だった。大いに救いだった。

 大丈夫だと、心から想えた。

「手助けだったら大いにやるぜー! 任せろー! 今の俺、絶好調だからなー!」

「……、ありがとー! 頼りにしてるー!」

 咲は笑顔で右腕を振った。


 何はともあれ、だ……。

 今ある『月』の位置を自分の手で動かさないと始まらない。

 咲は、本当は真昼ノ剣から使いたかったが、時間の流れ(・・・・・)が悪くなるので、真夜ノ剣から使うことにした。

 咲は、左手に持つ真夜ノ剣(まやのけん)氷結(・・)状態だった能力を解凍(・・)状態にしてから、しっかりと広範囲領域展開する。

「闇に光を、罪に罰を」

 ただ、咲は小声でそう言った。

 

「……やっぱり、立派なラスボスを育てたわね。本当に良い子だわ……」

 現在下層地帯、鈴の湯ガーデン観戦席、観客達はこの決闘を見上げていた。


 桜愛夜鈴は、咲のやりたいこととを正確に読み取る。天上院姫のゲームプレイングだったらこうは行かない……。自由の悪神は自由すぎるためそんなこと気にしない。

 他者のため、皆のため、そして読者のため、仲間のためを思って自分より他者を優先する。良かれと思って。


 これにより起こる事象とは即ち。光の雪(・・・)の開放だった。

 そして同時に、夜桜吹雪(・・・・)も自由に舞う。

 目視で確認できる全員に、記憶の欠片が当たった(・・・・)……。

 

「そんなつもりなかったんだけどな。でも立派にラスボスを受け継いでくれた気がする、今ではそう思う」

 天上院姫が夜鈴に対して単的に、そう言う。


 続いて……。


 咲は、ようやくやっと(・・・)、使いたかった右手に持つ真昼ノ剣(まひるのけん)を使う。そして、超大規模展開。

「太陽の赤ちゃん」

 ただそれだけだった。すると、この空間は晴々とした青天となった。

 ……雲は少し有る。


 気温が急激に乱高下する。つまり寒いと思ったら熱くなった。

 一瞬の出来事だった。それこそ刹那(せつな)だった。

「寒くしたり熱くしたり……料理でもしてるのか?」

 信条戦空は、むしろ気にしたほうが良い(・・)。とぼけたフリ(・・)ももう限界に近い。


 それからようやく本題(ほんだい)に入る。

「まずは、どの世界に風移動しても逃がしません! 文法型の心氣(しんき)! 春夏秋冬(しゅんかしゅうとう)(ざん)! 決着はこの場所で必ずつけます!」

 油断はしない、念の為に真夜ノ剣と真昼ノ剣、両方両翼ダブルで当てた。

 決着を付けたいという気持ちだけは咲にとって、本気だった。

 閃光一線、(なぎ)斬撃が戦空に当たる、風の妖精、信条戦空は動揺のまま揺れる。


 そのれから、その後に。

「お前は立派な神様だ! だけどウチは! 天上院咲を超えて行く!」

 自由になった開幕第一声の産声(うぶごえ)がそれだっただけに締まりが無い。

 助けられてからの強がりにしか、咲にとっては聞こえなかった。


 一方の鈴の湯ガーデンは、夜鈴と姫がこの一戦の気持ちを言う。

「長期戦になると思う? 短期戦になると思う?」

「咲の気持ちを考えると、長く遊んで欲しいなぁー」

 姫は咲の気持ちを汲む……。

 まあ場外乱闘で苦労心労したのは想像に難くない。

 

 それから、新しい声を戦空が発する。

「咲、お前とは復讐とか関係無く(・・・・)、正面から戦いたい」

 戦空は京都然(きょうとぜん)と言う……そんな言葉無いが……。


「……いきなり成長したわね……」

 咲にはそんな風に視えた、だがその突然変異(とつぜんへんい)は、この一回だけだろう。

 ……、ここまでは必然(ひつぜん)だ。

 ……やっぱり何回も何度でも有りそうだ……。

 

「さてと……」

 戦空は、そろそろ自由に動いていいだろうと思い轟然(ごうぜん)と準備運動を初めた。

「ガソリンとタンクは必要か?」

「……、奇跡も偶然も間に合ってます……」

 歯切れが悪い会話になった。


「じゃあそろそろ、過去じゃなくて未来に目を向けてもらいます!」

 言って、真昼ノ剣を旗のように天に掲げる……、咲の次の一手は。


「花々よ! 返り咲け! スキル〈明日の花達〉!」

 地面の大地からしっかり根を下ろした、お花畑が出現する、花が開き、その中心には色取り取りの花、七色(ななしょく)虹色(にじいろ)彩色(さいしき)、地から空へ、下から上へ、大満開のレーザービームが戦空めがけて飛んできた――。


 解説役として呼ばれた湘南桃花は解っちゃいるが、ただの人間では出来ない事ばかりだったので、咲の行動力に逆に茫然とする。

「これ、私いる?」

 短くも、適切な疑問を呟いて……。天上院姫と桜愛夜鈴が返答する。

「一番目が高いからいる」

「自覚が無かったけど、使えるものは神をも使うデスク人間だからいる」

 的確冷静正直な2人のツッコミが隣に居るのに目を合わせずに飛んできた。


「はあ……」

 3人とも顔が同じ戦闘風景を向いていた。上下関係がメチャクチャである。

 花が天を向いているのに、花が地を見下ろしてるとはこれいかに……。

「これは解説じゃないんだけどさ……さっきからすこぶる体調が悪いんだけど、……これはどうすれば良い……?」

 それはそれとして桃花先生が困っていた。


「ん~、スズちゃん達使用人に助けて貰えば?」

「ん~、いつかはお見舞いに行ってあげるから、ちょっと今いい所だから我慢して」

 我慢して良いことがあった試しがないのに、桃花の件は後回しにされた。

「ソンナー」

 ある意味いつも通りの日常と化していた――。

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