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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
EX第8章「鈴の湯ガーデンリベンジマッチング」西暦2037年10月4日

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第648話「起・本気出したら国が滅んだんですか?」★

挿絵(By みてみん)

「え!? 本気出したら国が滅んだんですか? 現実の!?」

 と言う、知る人が聞けば喉から手が出るように欲しがる、そそり立つような話題が湯水の如く上がった。

 予想通り、姫の口から聞いた夜鈴の顔は驚愕へと変わった、そこまでは良かったが。

 咲の興味が、可愛い使用人から出された〈プリン〉へと移ったのでこの話はブツ斬りで終わった……。南無阿弥陀仏……。


 変わって、鈴の湯ガーデンでの他愛ない雑談が始まる。

 

「ここにテクテク歩いて来るまでに、結構〈教会(きょうかい)〉が目に入ったな、そしてNPCの〈司祭(しさい)〉が色んな所にいっぱい居た」

 咲が相槌をうつ。

「あー居たね、そういえば~……流行ってるのかね?」

 天上院咲がそう言うと、桜愛夜鈴は、ハッとする。

 ファンタジー世界だから、普通に居るのが当たり前なんだろうと思っていたが、そういえばこの土地に入ってから聖職者と言う名の職業(ジョブ)を幾度となく見てきた。善悪両方とも……。

 まさに木を隠すなら森の中、と言った感じだろう。

 つまりリュビアー大陸、もとい、ここ一帯『戦乱都市アスカ』は宗教都市国家なのだろうなということがうかがえる。


 話題が神様を崇め奉る、教会へとシフトしたので……。

「……じゃあ教会に行くか(・・・)

 と、大自然で育てられたド天然天上院姫が剛速球を夜鈴へ投げる。


 元祖ツッコミ担当の夜鈴がキレの良いツッコミを入れる。

「いやいや、何で神様本人が教会に足を運びに行かなきゃいけないのよ。逆だろ逆、普通逆……! 来いよ(・・・)!」

 話が繋がらなくなるので一応説明するが、この桜愛夜鈴の名前は何度か名前を変えている、姿形は基本的に同じなのだが、その時その場、環境に合わせて名前を変えている。


 つまり、記憶を辿れば、元祖の名、真名があるわけだ。

 真名は今でも変わっていない(・・・・・・・)……。

 彼女は下界、人間界で人間として過ごしたかったのでその真名を隠した。というより相応しくないと思って辞めた、という言葉の方が正しいかもしれない。


 彼女、桜愛夜鈴(さくらよすず)の真名は『神楽(かぐら)スズ』。

 姫や咲より全然古参(こさん)の神……。この姉妹の方が新参(しんざん)である。

 古き良き系譜、『(かみ)』の名を冠する立派な守り神(・・・)守護神(しゅごしん)なのだ。

 ただスズにはその自覚はなかった(・・・・)。という過去形も付け加えておく、今は自覚あり。


 家族の善神、天上院咲(てんじょういんさき)

 自由の悪神、天上院姫(てんじょういんひめ)

 守護神、神楽(かぐら)スズ。


 偶然なのだが、何故かこの宿屋には〈神様〉しか居ない……。

 なら司祭様には来て(・・)もらうのが〈普通〉だろう……。


「どうしてこうなった?」

「さあ?」

「何でだろうな?」

 三者三様に疑問文が浮かんだが、温泉の湯はただただ自然に流れるだけだった。


 鈴の湯ガーデンから一番近い教会の司祭様が、神様から呼ばれた。

 そこら辺に居る一兵卒のモブNPC司祭が鈴の湯ガーデンに招かれる。

 司祭は思った、なぜ? 教皇(きょうこう)様とかでは無く私? もっと位の高い人間は一杯居るのに……と。


「誰でもよかった」

「誰でもよかった!?」

 司祭は驚愕の声色と表情を浮かべる。姫は司祭にテキトウに言葉を並べる。


 人間のNPC聖職者であれば、正直誰でもよかったのであろう。とにかく話し相手が欲しかったのだ。善かれ悪しかれ。その善悪の区別さえも正直どうでもよかったのだ。悪しければ断罪するし、善しければ保護する。


「じゃあこの言葉から始めよう、――あなたは神を信じますか?」

 自由の悪神、天上院姫が始める。ここは彼女個人が譲れない立場だった。

 大自然と言う名の災害が猛威を振るうのか、それとも恵みの雨をもたらすのか。


「!?」

 試される大地、もとい試される司祭様だった。神様からちょっとだけ圧がかかる。

 ――今まで殻の神座で好き勝手やって来たのだ、返答次第では国が滅ぶ……。


「そんなことよりご飯食べて温泉入りたいです!」

 家族の善神はフリーダム&テキトウにすごしていた。


 守護神、桜愛夜鈴は呆れながら皆を見守る――。

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