第66話「放課後クラブVSサイド・バイ・サイド」
各種普通のイベント戦なので人はまばら、皆各のイベントをこなしている。太陽が眠りこけた風鈴鳴り響く夜闇のころ、月は囁かながら光を照らす。
ボスモンスターは最果ての軍勢:サメ型の魔術上等兵。
タイプ:みず、はがね。
とくせい:ビーストブーストでプレイヤーが倒されたら特殊攻撃力があがる。
このモンスターは以下の技を使う。
ブラックホール、レイズデット、状態異常回復、賢者の石、魔法効果無力化。
放課後クラブもサイド・バイ・サイドも。ま、為せば成る為さねば成らぬ何事も。の精神でとりあえず見切り発車する事にした。
「あいつを先に倒せた方が勝ち、てルールで良いわよね?」
「はい、3対3の合計6人で1匹のモンスターを倒す形になります」
共同戦線にも見えるサキとモモカ、モモカの職業や技は未だ解らないまま。試合が開始される。
3・2・1・GO!
3人が3人モンスターに向かって駆けだした。
「じゃ! 私から行くねー!」
そう言って一番槍で駆け上がっていくのは、ギルド『サイド・バイ・サイド』。今回初めて咲と顔を合わせるプレイヤー。アオバという竜人族のショタっ子剣士だった。
「天駆ける竜の煌めき! 轟け! 唸れ! 遍く道照らす剣となれ! 秘奥義! 蒼竜連牙斬!」
蒼く雷轟く華麗な連続剣技を敵モンスターに与えるアオバ。そして互いに解る連携の合い言葉を馬の帽子を被ったグンに対して言う。
「リセット!」
「任せろ!」
攻撃を終えたアオバの後ろから、畳みかけるように駆け上がるグンの秘奥義が炸裂する。
「火力付加! もっと速く! もっと! もっともっともっともっと! 秘奥義! アクセルファイア!」
炎を身に纏ったグンは敵に向かって体当たり、そして加速加速加速とどんどん連続突進をし。最後に右手いっぱいに衝撃波の爆破を刻み込む。
そして互いに解る連携の合い言葉をうさぎの帽子を被ったモモカに対して言う。
「リセット!」
「任せなさい!」
攻撃を終えたグンの後ろから、畳みかけるように駆け上がるモモカの秘奥義が炸裂する。
「ランフィールド展開、ヴィジョン起動、私は正しいし間違えない! これが最善! 一撃必殺! ラビットインパクト!」
特殊フィールドを展開し、人間TASとなる。数多のヴィジョンの中から最善の道を演算し、計算し終えるともう止まらない。スタートしたと同時に既に行動は終わっていた。モモカの秘奥義、この間1秒。
そしてサキのステータスバーがピコンと出て、こう告げる。
▼魔術上等兵は倒れた!
サキは「えぇ!?」と唖然となる。ずっとモモカのターンで、自分のターンが来る前に終わってしまった。




