第638話「転・分配表と為替レート」★
運営による、ワールドアナウンスの前に。為替レートを決めないと話にならないよね? って事で咲と姫で話し合うことになった。
「さて分配表はこんな感じで為替レート設定の時間だ」
「まあ、皆々様、各々分配して色々もう動いてる感じなのね」
そこまでは、まあ解る。Mの特性も結構細かく書かれているので色々動きやすくはなっているだろう。
特に、1Mで100万人を動かせる、という指標は具体的でわかりやすい。
「とはいえ、この西暦2037年10月3日の具体的な為替レートは決まっていない」
「そうなんだよねえ~、家族の善神と自由の悪神だろうと、ドル円をここで決定しちゃうと。西暦2024年に影響が出ないはずもなく……。なんだよね?」
まあだからこそ今まで避けて通ってきた道とも言うべきなのだが……。
とはいえ、決めてないのにもう影響は出ているので決めないわけにも行かないだろう。というか、こっち側のストーリー進行にも影響が出る。
「2024年のドル円レートは平均いくつぐらいを推移してるの? 月単位で」
「ちょっと待って、計算する。過去のデータはいっぱいある……ざっくり小数点切り捨てで、平均ドル円137かな」
「本当かなあ~? 目算ドル円140軽く超えてない……?」
「……ごめん1ヶ月分くらい消えたけど多めに見て。問題は〈未来のドル円為替レート〉と〈未来の円M為替レート〉だから……」
近未来ムズイ……。
「まあ2009年2010年代がドル円だいたい80円だから……倍ぐらいドルが強くなって、倍ぐらい円が弱くなってるのは嘘じゃない」
「桃花先生の全盛期だもんね」
咲は姫に確認する。
「毎日1枚漫画を描く、描けなければ死ね。という超ブラック企業だもんね、しかも無償だし……」
「まあワシは冗談だし、気持ちだけの問題だったんだけどな」
「弁明はいい」
「……はい」
「……少なくとも、2024年よりドル円下げなきゃいけないんだよね?」
「その方が桃花先生は生きやすいのは確かじゃ。推移か、大幅な下落、じゃな」
「ドル円140とドル円80の真ん中だと……、ドル円110が丁度いい……ってことになるのかな……?」
「まあ単純計算だとそうなるけど、いきなりは無理じゃろ……1つ単位の誤差で億が動くぞ?」
「じゃあ更に半分で……ドル円125で……いいのかな?」
「2024年でドル円146で~、2022年4月に125円だから……2年後出来るか出来ないかの範囲だから、まあ無理じゃないな」
「でも今やってるのって、13年後だよね……?」
「偉い人は【今後緩やかにドル円は下落するでしょう】とか言えばいいんじゃないか?」
「じゃあ、西暦2037年10月はドル円レート〈1ドル125円〉?」
「まあ2年の誤差で修正出来るんだったら、問題ないんじゃないかなあ~? 桃花先生生活しづらくなってるし、まずは下げて私生活を過ごしやすくしなくちゃ……」
「とりあえず、〈1ドル125円〉まで下げて、ちゃんとコントロール出来てから〈そのあと上げるか下げるか決めよう〉……でいいよね?」
〈1ドル125円〉第一回目のバージョンアップの1つの指標が出来た。
「じゃな、そのための通貨Mです」
「じゃあ次、M円決めなきゃね」
ここからだ、ここからが難しい……。
咲は、考える……。
「さて、M円をどうやって決めようか……」
「各国家が絡んできたせいで、1Mで100万人支配できるとか言う、子供用の遊びを超えまくってるのはちょっと何とかしたいなあ~……」
「子供に権力が行くようにするとか?」
「それはダメだろ、子供にリスクも罪もない」
「まあ、ね……」
「まあ、今回は子供の事は後回しにしよう、〈世界のコントロール〉がまず先じゃ」
「……、基準点が無い……」
「……、じゃあ映画『ジャスティスリーグ』を基準点にしない? 確か貧しい家族が10万ドル宝くじで当たったんでしょ? 機械人間のお陰でさ」
「……、1M10万ドル?」
ゲーム内通貨のGは、〈使ったら消える〉から、あれは遊びとしてはいいが。コントロールは無理に等しい。
「てゆうか、桃花先生があそこまで頑張って得た報酬が10万ドルであって、それがイコール1Mとは結びつかないだろ。だったら今の桃花先生の今の地位と直結させるべきだ」
もっともだった。
咲は姫に対して計算と質問をする。
「桃花先生の所持Mは現在800Mで~、それが10万ドルと等価?」
「その計算で行くと。1M125ドルだ」
「日本円だといくら?」
「〈1ドル125円〉だとして。1Mは1万5625円だ」
この計算で行くと。
スーパーアカウント権限は150Mなので。
234万3750円で。
サブマスター権限は500Mなので。
781万2500円だ。
そして桃花先生の所持Mは800Mなので。
1250万円であり。
1万5000Mの絶対量で、遊ぼうぜ! という趣旨なので。
2億3437万5000円の経済効果? ということになる。
なお、これは〈1ドル125円〉計算なので、2024年現在のレートは〈1ドル148円〉なので、もっとえげつない値段になっている……。
これで、
〈1ドル125円〉
〈1M125ドル〉
〈1M1万5625円〉
という、西暦2037年10月3日の為替レートが出来た。




