第630話「転・EWバージョン5アプデ内容」
ギルド『放課後クラブ』。
「はい! やって来ましたアプデ内容告知ー!」
「わー!」
姫と咲はいつも通りのテンションだった。
「サクサク行くよーまず1つ目! ステータスの変更! 今まで色んなのを試してみましたが! HP・MP・攻撃力・防御力・素早さ・賢さ、の5段階表で統一すれば良いんじゃね? 他ゲームと比べてもわかりやすいし! ってことで超王道なステータス表に成ります!」
「変に個性を出さずに他で差を付けようってことね」
「次! 〈心氣〉について! これがこの世界で言う特殊能力名となります!」
「質問、心氣ってことは、内側からのエネルギーって事で良いの、自然界の外側からのエネルギーじゃなく」
「その認識で基本は合ってる」
「次! 系統! これは、真法系・強化系・賢術系・歪曲系・精神系・未覚系の6系統存在します! これらは陰陽五行論な!」
「あれ? 陰陽系は?」
「作者のやりたいことが読者の意見でブレてしまったので、ココは初心に帰ってやりたいこと優先にして破棄しました!」
「なるほど」
「次、色! 色は何でも良いけど漢字の方がイメージしやすいので基本漢字で、それ以外は自由度高めの〝何でもあり〟となりました!」
「私の〈韓紅色〉とかがそうだよね」
「次、型! 現在、自然型・環境型・文法型・計算型・本能型があります! まあここは型が無ければ〈型なし〉になるので鍛錬を積んだプレイヤーのみ有効になる感じだな」
「型を覚えた格闘家は強い。だったね」
「最後に強さの〈ランク制〉! レベルはないぞ! 気をつけろ! S・A・B・Cとか、+-を付けるとか、色々あるが、ソコはフレーバーテキストなので好きにすれば良い。特に重要なのは〈色〉! これは設定しないとアニメータがーエフェクト付けられない!」
「万物には望まれて色は宿るってね」
「以上のアプデを踏まえて、基本スキルの量とかは度外視した最新のステータス画面は、……コレじゃ!」
◇
〈天上院咲、ステータス〉
HP3、MP5、攻撃力2、防御力2、素早さ5、賢さ3。
心氣◇家族の善神。
系統◇精神系。
色彩◇韓紅色&白色。
原型◇文法型&全王型。
階級◇ランクA
詳細◇以下、心氣の詳細説明欄……。
◇
咲は新しいステータス表を見て「ほほう」となる。
「ずいぶんあんまり視ないステ表になったねえ~」
「それだけ色んなモノが絡み合った結果じゃな、……これからBIG4、33人分はこれ設定確認しなきゃいけないから大変じゃよ」
誰一つ無駄な人は居ないからこれは大変だ……。
「てーわけで、ワシはまた運営会議じゃから、適当に遊んでてくれー!」
と言って、姫はそそくさとログアウトしてリアルイベント、運営会議に赴くのだった。
……、嵐のように去っていった姉をよそ目に、独りになった咲は呆然となり、少し考える。
「……、ギルド『スキルビルダーズ』の所に行ってみますか」
アテもなくエンジョイプレイを満喫する咲の姿がそこにはあった……。
◇
戦乱都市アスカ、スキルビルダーズ、ギルドホーム。
第5陣・新しい風達と呼ばれるプレイヤー、ビルドはその渦中に居た。
「なるほど、これが新しいアプデ内容か……」
「やっほう、ビルド、元気してる?」
ビルドがうんらたかんたらしている内に、咲がきた。
「お、咲か、ちょうど今新しいスキルを試したかった所だが、アプデがあってな」
「あーだろうね。そこの設定を弄らないと今後の戦闘は難しそうだし」
「まあ、戦闘だけじゃないけどな。クラフトにも影響する、特に色が」
「また色か……まあしゃあなしかな」
ビルドが、またカンカンと新しいスキルを考案しようとしたいたその時。
デストロイが来た。
「おっすー! 珍獣ども! 今日もスキル磨きか♀ って何だ咲っちも来てるのか、いじり甲斐のない」
デストロイにとってビルドはおもちゃのようなモノのようだった。
咲は余裕の表情で悪態をつくデストロイに軽く挨拶する。
「こんにちはデスちゃん! 今回はステータス更新の件で来たの」
「ん……? あ~さっき来た告知か、視てなかった」
というわけで、咲、ビルド、デストロイの3人でステータスのセッティングを始めるのだった。




