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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第3章「豪華客船ミルヴォワール」西暦2034年6月21日

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第64話「リスクVSスズ5」

 時が止まる。

 そのリスクとスズの中央にはヒラリ、と。

 花びらが風に流れて飛んで来た。

 タンポポの種、綿毛。

 それが一輪。

 スズにはその花の種に感情が動かされてしまった、何かを感じて揺らいでしまった。

 リスクは閃光、やはりここでも迷わない。真っ直ぐ直進してきた、これまた牛みたいに。スズは、「ああ、自分はカニみたいだ」とか言われて激情したっけ。と思考する一瞬の間が生まれた。だが、ここにきてそんな単純な油断なんてもう無かった。時は静止したまま、世界は黒一色に暗転する。

 相変わらず単純一直線だったリスクの拳は、スズの顔を横に薙ぎ、空を切る。

 神速、ギラリと眼光をスズは煌めかせながら。ゆっくり、ゆっくりと木刀を構え直す。そして木刀を振り下ろす瞬間。

 同じく神速、リスクの眼光がスズの方向を向いた。そのままゆっくり、ゆっくりと顔がスズの方を向く。

 ここに来てスズにもう迷いは無かった。

「でやぁあー!」

 リスクに顔面一発、木刀によるクリティカルヒットが食らって決着すると思ったが。

 リスクは尚も眼光そのままに揺らがず、スズの方を向く、いや前進してくる。

「な」

 と思ったがこれでは前回の場外乱闘と同じだ、スズは意を決して覚悟を決める。

 リスクの足が下段から一気に上昇、スズに顔面上段の蹴りをクリティカルヒットさせ。スズは吹き飛ばされ、リスクも体の体制を崩す。


 両者ゴム上の地面にドスンと倒れ、時が動き出す。一つの決着がついた。が、観客がざわつく。

「ど、どっちが勝ったんだ。し、審判!」

 審判は情報処理が追いつかずに、心神喪失状態に陥りドサリと倒れた。

 リスクもスズも顔に打撲傷を浮かべながら、放心状態になる。

「じゃ、じゃあビデオ判定だ! リ・リプレイ動画を」

「んなもん、ここにはねえよ!」

「えー! じゃあどうすんだよ!?」

 ザワザワザワとざわつく観衆、どうすればいいか皆解らなかった。

 咲は姫に囁く。

「運営権限ならログ残ってるんじゃない?」

「それも出来るが、その場合わらわ達が運営だとバラしてしまうぞ。今後の冒険に影響がでる」

「あ、そっか」

 一人の観客が立ち上がり手を上げる。

「あ、じゃあ俺スズちゃん勝利に一票!」

「え、じゃあ俺はリスク勝利に一票」 

 そんな流れで話が進んで行ったらスズ勝利の判定の方が多かった。観衆はウオオオ! と激戦を褒め称える。

「勝者! スズー!」

「第2回EMOジュニアカップ 決勝戦 2代目エレメンタルマスターはスズだあぁー!」

 そんな大観衆の歓声の中、天上院咲は、運営権限でログを観ると……。


 勝者:リスク


「…………」

 過程や行程を無視した、無機質な結果だけが残っていた。

 咲は、感情を押し殺して。唇を噛みながら何も言わなかった。

 一つの決戦が、幕を閉じた。 

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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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