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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
EX第5章「世界リセット」西暦2037年4月1日

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第616話「起・アナザー姉妹」

 アナザー自由の悪神、天上院姫フォームに変身したボス兎ははっきり言って無敵だった。そもそも人々の信仰こそが神の要であり動力源であるのに、この神には信仰が無い……! つまり弱点たる〈人〉そのものが無いのだ。

 なのにここに〈いて〉今まさに攻撃を加えようとしている。


「何とかして弱点を見つけないと……!」


《ここまでHPを削ったボーナスとして、シャンフロは〈1周目の記憶の塊〉を1個入手しました!》

 

「ん? なんだこの消費アイテム」

 1周目の記憶の塊……! これを使えば、1周目の冒険で自分が何をしていたのか、記憶が大量に蘇る代物……!


「それは! 使え! シャンフロ!」

「今使って! 簡単に言うとパワーアップアイテムだよ!」


(パワーアップアイテム? んなら迷わず使うっきゃねーだろ! どうせ負けたら死んじまうんだ、何としてもこの1戦で終わらせる!)


《〈1周目の記憶の塊〉を使用しました!》


「……!? うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?!?!?!?」


 シャンフロは、1周目の記憶を全て思い出した、多少、いや、かなりの硬直時間が発生する。そして、理解した。自分達が今まで何をしていたのかを、何を守りたかったのかを……。

「咲、諦めるな! 諦めるなああああああああああああああああ!!!!」

「!?!?」


「解ったぞ、咲に危害を加えると、このアナザー兎は咲を守ろうとするモーションに入る! つまり、咲こそ全て何だ!」


 つまり。

「姫は咲をタゲ取って攻撃しろ、兎が怯んだ隙に俺がトドメを指してやる……!」


「シャンフロ! 記憶が戻ったのか!?」

「あぁ! でも〈記憶が蘇った〉だけで、死んだら死ぬ!」

(かと言って、女子を攻撃する趣味もねえ!)

 一瞬の判断、シャンフロは自ら死地へと追いやる。


「解った、くらえ咲!」

「解った! って痛ってええええええええええええええええ!?!?????」

 え、何で? と姫は思った。

「そうか、何故か開幕からソウルトランスレーター積んでるから。魂は現実世界と同じ痛みを発するんだ!?」

 右腕が痛い、短剣で刺された、滅茶苦茶痛い……。後で治療してもらうとしても、とてつもない痛みだ。


『ウザ!? ウザアアアアアアアアアアアアア!?!?』

 アナザー兎の逆鱗に触れた。

「しゃあオラァー!」

 シャンフロの通常攻撃が効いた。……恐れていた連続パリィも無い。


「よし! パリィが発動しない!」

『ウザ!? ウザアアアアアアアアアアアアア!?!?』

 アナザー兎は動転・混乱して隙ができた。シャンフロはそのまま連続攻撃を叩き込む……!


 そして。


 残りHPバー1本……!

「残り一本!」

《アナザー家族の善神、天上院咲になりました!》

 そして、この時彼ら3人にさらなる絶望が舞い降りる。最後のHPバーだけ数字が出たのだ。それは天上院咲の世界観そのものを体現している……。


 HP/130万4500。

 タイムリミット、30分。


「これって……! 私の1周目のログ数がHPになってる!?」

 最長文学少女たる経験値が、そのままHPに変換されてしまっている……!

「これは3人じゃ削りきれないぞ……! 援軍を呼んで来る!」

 すぐさま、方向転換して3人共撤退する。目指すは人の多い所……!

 物理的に1人で倒せない以上大広間で戦うしかない、少しでも可能性を、勝率を広げるのだ……! 例え誰かが死んでも……!

『うざああああああああああああああ!!』

「うわあああ!? 痛えー!?」

「シャンフロ!?」


 シャンフロがまともに攻撃を受けてHPと血がガリガリと抜けてゆく……。

 3割、2割、1割……。

「シャンフロオオオオオオオ!」

 とその時、天元から一筋の光が落下する! 否、数多の光が降下してくる……!


《全てのギルドが戦闘に参加しました!》


「皆……!」

 総勢130万人……の大戦隊……。

「つまり1人1攻撃加えれば良いんだろ!」


「皆! 総攻撃だー!」

『うおおおおおおおお!!!!!』


「繋がる心が! 私の力だーあああああああああああああ!!!!」


 アナザー兎のHPが一気に1割まで減った。

「咲! キメろ!」


「解った! はあー! 〈森羅万象のワルツ〉!」

 8連撃の斬撃が宙を舞った……。


『う! うざああああああああああああああああああ!?!?』

 瞬く兎の鳴き声は、悲鳴から祝福の音色へと変わっていった。


《アナザー放課後クラブを倒しました!》


「やったああああああああああああああ! 死者ゼロだぞ! このままイケるんじゃね!?」

 

《ドロップアイテム、〈1周目の記憶の塊〉30個を手に入れました!》


「よし! じゃあとりあえず、この30個は山分けで、私、姫姉ちゃん、シャンフロの3人で10個づつ山分けします!」


「おう! 記憶が戻るのはありがたいな!」

「てわけで、クエストクリアだー!」


「じゃあ私達姉妹はログアウトするね、このデスゲーム事件の表側を観ないといけないから」


「おおそうか、記憶が戻っても俺はログアウト出来ないもんな、大本のゲームマスターを叩かないとこのゲームは終われない。期待してるぜ!」

「うん! てーわけでログアウトー!」


 こうして、天上院姉妹はログアウトして、現実世界へと舞い戻った……。

 【作者日記】

 2024年8月21日。

 緊張して眠れなかったので2話更新しました。


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 それでは!

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