第612話「起・2周目引き継ぎ」
【メタ世界】
咲は微睡みから眼が覚める……。
《ようこそ、天上院咲様。早速ですが2周目からのデータ引き継ぎの時間です》
「お、おう」
咲は、いきなり何もなない世界へ飛ばされたので、戦くようにキョドった。
《難易度・称号引き継ぎはどうしますか?》
「どうって……、私が難易度上げたって元の難易度がわからないから〈ノーマル〉でお願いします」
《スキルの引き継ぎはどうしますか?》
「ん? 全部持っていけるの?」
《はい、今まで見聞きしたスキル全部持っていけます。その資格はあります》
「全部は要らないなあ……、じゃあ〈森羅万象のワルツ〉と〈界図師〉のスキルだけ最初からちょうだい」
《武器やアイテムの引き継ぎはどうしますか?》
「真昼ノ剣と真夜ノ剣、の、武器レベル3のまま引き継ぎでお願いします。あとはいいや……」
《ギルドナンバー10と11、マゼンタとシアンの人格・記憶は保持しますか?》
「仲間の記憶抹消はちょっと不本意だから、記憶は保持で」
《咲様の記憶は保持・引き継ぎしますか?》
「ん~……いきなり記憶喪失は変だから、引き継ぎます」
《仲間の記憶は引き継ぎますか?》
「お姉ちゃん、天上院姫とマゼンタとシアンだけは特別に記憶保持で引き継ぎ」
《エレメンタルワールドのマップは現在の地形で固定、引き継ぎますか?》
「プロの界図師に頼んだんだから地図は引き継ぎでお願い」
《現実世界に魔法や超人、政治や宗教は引き継ぎますか?》
「引き継ぎません、ちゃんとその時に描写します。でも仮想世界・現実世界・メタ世界の出来ること出来ないことは、ちゃんと線引きしないとわからなくなるのでします」
《定義確認、各世界で出来ること、出来ないこと》
「現実世界に〈政治や宗教〉、仮想世界で〈魔法や超人〉、メタ世界で〈概念や神仏の擬人化〉……をメインで取り扱います!」
《称号、権能、〈家族の善神〉は引き継ぎますか?》
「お姉ちゃんと一緒に生きていくって決めたので、引き継ぎます!」
《この世界は2周目だと他言することは禁止しますか?》
「どうせルールをぶち破るから禁止しません」
《ソフトのプレイ時間やその他の情報は白紙・リセットしますか?》
「はい」
《……、……、……、確認しました。以上の条件下で最適化、再起動します。》
言われて、咲は再びの眠りに落ちていった……。
朝、日本国、神奈川県、天上院咲、普通の高校1年生――。
Next Game Stat――。




