第610話「転・オープニング」
オープニング。
EX第4章「希望のカケラ」西暦2037年9月15日、アース018。
エレメンタルワールド、Sランクギルド成績ランキング。
1位、非理法権天。
2位、放課後クラブ。
3位、四重奏。
4位、最果ての軍勢。
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1位、ギルド『非理法権天』評価。
燻っていた力がここに来て馬力を見せ本領発揮、再評価された。
追い込まれ、逃げ出したい気持ちをおさえて、それこそ、精神と体力限界ギリギリで生み出されたものが。何の覚悟もなく、他人にアイディアを出させている魂のこもってない作品に負けるはずがない。唯一の欠点はデジタル保存状態で、長期保存出来ない所だけだ。
彼ら彼女らが真に強いのは、真摯に世の中と向き合っているからかもしれない。等身大でありのままに。ただ今を生きる事に、マネしやすさと共感を得られたのかもしれない。
2位、ギルド『放課後クラブ』評価。
数々の神々の試練に打ちのめされ。ボコボコにされ、痛い目に会い、薬を飲まされ、快楽に溺れ、死亡者が出て……。それでもなお愚直に文字だけで世界に挑み抗った姿は圧巻の一言。
ただただ手を止めなかった事により。四重奏を遂に追い抜く。過去の遺産に頼り切りの他ギルドに比べて、頂点への道はあと一歩。これで双矢に担当が付けば前人未到、放課後クラブの手柄、本当に世界1位まであと一歩だろう。もうすぐ「瞬間1位」を叩き出すかもしれない未来がある。
3位、ギルド『四重奏』。
ようやくギアが本調子に戻りつつある四重奏、彼らは昔の勢いを取りも戻さなければ先はない……。昔の色々と角が尖ってた頃に安定的に量産・生産できればそれで良いが、道のりはまだまだ遠い。二の足を踏んだことにより、3位にランキング転落。
毒とかリスクとか暴力とか空に浮足がちな所もマイナスポイント。よって2ランクダウン。
4位、ギルド『最果ての軍勢』。
今回彼らはほぼ何もしていない、ただそこにある理論と知識が皆の力で廻り巡って今の地位に居るだけ。
そして、掲げたものが暴力で、平和的外交努力に力を注がなかったのも痛い点だ。確かに抑止力としての力を振るうのは国の安全にとって大事だが。交渉努力を怠った点を鑑みればやはりマイナスポイントだろう。良かった点と言えば、混乱するこの時代を守ったこと。しかし犠牲者が出ている点も良くない。よってSランクでは4位とする。
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エレメンタルワールド、ランキング総評。
空回りしている事に気づかなかった所から、気付き、の段階に入り。そしてその改善が観られるのは良いところ。
だが、世の中としてはマルでも、エンタメとしてはバツと言わざる終えない。
咲達キャラクターは作者の代弁者じゃない。血の通った人間だのだ。
「このキャラはこんな事言わない!」は得てして、キャラの作り込みが甘い、事に直結する。ちゃんとキャラに憑依して書けていない点……。まずは立ち止まって、思考を止めずに手で押し、打ち続けて。もう一度キャラクター設定から練り直し。見つめ直すのが良いだろう。
混乱の時代だからこそ、もう一度キャラを見つめ直すべきである。




