第593話「各区の状況」★
EWO4が始まって1時間後、始まりの街『ライデン』北区。
ピ!
『状況は?』
GM姫が、他の運営陣に通話を飛ばす。今回姫を通しての通話が忙しい……。
運営管理室。
『それが……、距離がありすぎて全体の把握が困難です;』
『距離も何も、私等がコントロールしてるんだから問題ないだろ』
『しかし、〈証の力〉を使った途端、老人5人がログインしたのは確認出来たのですが……いかんんせん同期していいものなのか……』
『ナナナ・カルメルの時とは違って、今はどっちかというと協力・共闘関係だから問題ないと思うんだけどなあ~、とは言え、〈北へ向かって〉の真意が理解できてない以上、迂闊に同期は……てか運営A、ソレ今したら普通に犯罪だぞ……?』
禁ずる弾丸02【この世界でのあらゆる略奪を禁ず】にも接触する。
ピピ!
『こちら湘南桃花、ねえ、私は逃げろとか脱出しろだとか言われてるけど、何処に逃げるの? てかここドコ?』
『お前は迷子か!?』
『いや……第2の街の〈空島〉なのは解るんだけど、どこの空島だ……? てか、私何でココに居るん?』
『知らんがな!? いや、いる理由も検討はつくんじゃが……』
戦空とフェイがテラって守ってる的な意味では解るという意味だ。
ピピピ!
始まりの街『ライデン』北区、海岸の海底、猫箱と黄金の薔薇がある場所。
『こちら天上院咲、よく解んないからゼロ地点のレッドプレイヤーを捕捉しといたよ~~~~!』
『お前は行動が速すぎるんじゃよ!?』
咲に対して姫はツッコミを入れる。
ピピピピ!
始まりの街『ライデン』中央区、地上。
『こちら秘十席群、さっきからジジイが機械族を凍らせてるんだが、俺の相手はこのジジイか?』
『お前まで出てくるのかよ!? お前は裏方だろ!? 何で出てきた!?』
『いや、タダならぬ気配でヤバイかなと危機感を……』
要らぬ危機感で裏方の群まで出てきた。
ピピピピピ!
三日月の島、魔王城ロキ、上空。
「えぇい! 今度は誰じゃ!?」
『こちら信条戦空、今上空を飛行中なんだけど、もう地上に降りていいか?』
『お前はマジで飛びすぎなんじゃよ! とはいえ、得体の知れないジジイが地上に4人か? 逃げ切れる感じがしないが……』
いきなりのアクシデントで面食らうし、好きなだけフザケていたい所だが。それでも痛かったという前例があるので何とも言えない。
少し考えてから群に聞く。
「……、群。お前は今どう思ってるんだ?」
「どうって?」
「単的に短く言うと。〈漫画でメシを食いたいのか〉、〈キャラを何だと思ってるんだ〉のどっち側の心情だい?」
群の中ではその心情の答えは既に決まっていた。
「んなの家族や命の方が大事に決まってるだろ」
となると自ずと選択肢は決まっている。
「漫画でメシを食う方が大事だ」
司令塔であるGMの指示を待つ数名は……。
『よし、よく判らんから物理的に移動しよう! 皆! 一回世界樹クロニクル前まで全員集合な!』
◇
始まりの街『ライデン』北区、海岸の海底、猫箱と黄金の薔薇がある場所。
犯罪者プレイヤーと天上院咲が海の底、即ち海底で相対していた。
「お前ごときにゃ家族も守れねえんだよ!!!!」
「いいや……、絶対に食わせる!!! その為の125万文字だったんだ!!!」




