第578話「秩序の軍紀に~バッド・エンド~」
「咲。1つ言っておく、コイツは今の私達で勝てる相手じゃないし。今のレベルで正面突破は不可能だ、だから奇襲を使う……ここはワシに任せてくれ!」
「……うん!」
姫は咲へ合図を送る。
「へ! 何やろうと無駄だ! 潔く死ね!」
――瞬間、銃弾の音……の前に。
「降参だ! リザインだ! ゲームオーバーだ!」
「ここだ! 反転世界!!!! ……て、へ????」
「悪いが、お前で道草食ってる場合じゃ無いんじゃ!」
――瞬間。
世界線そのものが。ギュリュリンと、手のひらクルリと反転した。
《反転世界が発動しました! 反撃しました! 続行しました! ゲームクリアしました!》
「順番が待ってるんでね、先へ急がせてもらう!!!!」
そう、この相手には何をやっても能力上倒すのは不可能なのだ。しかも時間も順番も押し迫ってるこの瞬間。長丁場にする事が、じっくり遊ぶ時間がない以上。
今のレベルでは勝てない、そう。相手依存の戦略だったが。
絶対に勝てないを反転させたのだ!!!!
相手がほぼ無自覚反転をするから、賭けだったが。
姫は上手く、その言葉を引き出した――。
「き! キタネーぞ! おい! 勝負しろぉい!?」
盟約に誓って厳守されたゲームにより、不動文に対して【呪い】が発動する。
「バカだなーお前、お前と戦って勝負になると思ってるのか? なるわけねーじゃんバーカバーカ!!!!」
力が拮抗しているのならばともかく、圧倒的な実力差のある相手に対して、時間がかかるわけがないのだ。……その逆、合気道のように相手の力を利用した。
「……お姉ちゃん、それ、もうそれ一生使えなさそうな策だよ……」
「奇襲って言ったじゃん、一回こっきりの大博打で勝った、ただそれだけさ」
「や! やめろ! この変な黒影をどけろ! うわあぁあああ!!!!」
お互い同意した上での賭けは絶対厳守される。
「さ、行こう咲。かかった呪いは他のプレイヤーが何とかするさ」
「う……うん、解った」
2人は悲鳴をあげる文を背に。
教会第2階層へテクテクと進んで行くのだった……。
ネクストゲーム――。
《第2関門◇表舞台の君臨する天罰の破魔矢・オーバーリミッツ》




