番外編49「私は、プロなのかな……?」
「私ってプロなのかな……て!? イッツー!?!?」
桃花は何か体から身勝手に神経痛が迸っていた……。
今回、お見舞いに来てくれているのは秘十席群だった……。立場上明確にプロではない……、はずだ。桃花と同じだが……心の真実に群のほうが近い。
「……まぁ、お前がプロじゃなかったら誰がプロなんだよって成るよな。関係ない話だけど、初代ガンダムの作者からしたら、鬼◯潰す! エ◯ァ潰す! は、何か気合入っててカッコ良いよな」
「確かに……、〈エレメンタルワールド〉はSFだ、そこを行くと〈天空の城ファンタジー〉と〈百合時代劇〉には負けたくないだろうね……」
絶対に負けられないプロの戦いがあるのだろう……たぶん、こう言っちゃ何だが、桃花はガンダム世代ではないのだ。ガンダムブームは1980年代、平成仮面ライダーは2000年代……明確に桃花先生にとっても一昔前なのだ。
桃花の誕生日は1987年5月14日、そこは揺らがない。
群の誕生日も1987年5月14日、ここも揺らがない。
当時6~7歳じゃどうしようもない……。
「しかし鬼◯潰すか~……。〈内乱〉を潰すならまあ解るが、私の最高到達点を潰されたらヤバイな~~~~wwww」
群と桃花は、窓の外を風を受けながら話す。
「笑い事じゃないが意気込みとしては良い傾向だよな」
「まあそうなんだけどね、ワンピでいうと、ロジャー=黒ひげ潰す、みたいな感じでしょ? ロジャーはともかく、黒ひげは何が何でも潰さなきゃいけない敵だよな~~~~」
恐らく、自分にとっても皆にとっても超えなきゃいけない明確な〈敵〉なのだろう……。
桃花自身がウジウジしてられないが、どうも明確に〈体力〉に衰えを感じる。
なので、今の状態で当時の黒ひげと〈体力勝負〉ではもう勝てないのだ。
単純なパワー勝負だったら良かったのだが、そうもいかなくなった……。
「何にしても私は超えなきゃいけないよね……私を……」
「だろうな」
再びモフンとベットに腰掛ける桃花……は深呼吸する……。
「所で、私はプロなのかな……? 実感無いんだけど……?」
「劇場版に出てる役者をアマチュアとは呼ばんだろ……?」
全くその通りである。
「……そっか~プロか~……ま、そろそろ目を覚まさないとなね」
「あぁ」
「でももうちょっと寝る……」
「……あぁ」
桃花は再び微睡みの中へスヤアっと入って行った……。




