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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第37章「完結編~咲・結婚ルート~」西暦2037年8月1日

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第575話「さぁ、最後のゲームを始めよう」

「じゃあさぁGMの姫ちゃん、ゲームしない?」

 全てはオーバーリミッツの一言から始まった。

 

「ルールはたった1つ。【咲を殺人嗜好者(さつじんしこうしゃ)にしない、真の結婚ルートへ導く】この一点(・・)だけを賭けたゲーム」


 現実世界の喫茶店。

 その場に居合わせたのは合計女子3人、

 湘南桃花、天上院姫、オーバーリミッツだ。

 

 第一声を叫んだのは天上院姫だ。

「のった! 賭けるものは【桃花の体全部(・・・)】! オーバーリミッツは何を賭ける!?」


「私も【桃花の体全部(・・・)】を賭ける! でなきゃゲームにならないし!」


 お互い、桃花の体と言う名の世界を賭けての戦いとなった。

 それに口を挟むのは当然、桃花だ。

「ちょ!? 何ケンカしてんのよ!? そもそも何で私の体が賭け(ベット)に……」


「「桃花は黙ってて!!!!」」


「は、はいいいいいい!?!?」

 リミッツと姫の覇気で怯んだ桃花さん。

 

 姫とリミッツは決意を口にする。

「わしだって咲の幸せは望むところじゃ! 無意識だったとても、殺人嗜好者(さつじんしこうしゃ)なんかにさせてたまるか!!」

「私だって! 殺人嗜好者(さつじんしこうしゃ)の被害者よ!? そんなルート、絶対にさせてたまるかです!」


「あ、あの、2人とも。私が悪かったからさ、仲直りして普通にエンジョイプレイさせてあげようよ……咲ちゃん関係ないじゃん……」

 桃花が姫とリミッツを宥めようとするが。

 

「「桃花は黙ってて!!!!」」


「はい! いや! つーてもほとんど私のせいだし……!!」

 ということで改めて、たった1つのルールを説明する。

 

・咲を殺人嗜好者(さつじんしこうしゃ)にしない、真の結婚ルートへ導く。


 この一点だけを重点としたゲーム進行をすること、それがオーバーリミッツの提示した、【お願い】、便宜上ゲーム風にしたがむしろゲームはおまけなのだ。

 

「制限時間は?」

「咲の寿命が尽きるまで」


「……」

 姫とリミッツと桃花の間に緊張の間が発生する。

 

 まとめると。

 このままだと咲は殺人嗜好者(さつじんしこうしゃ)になってしまう不幸な人生を送る。

 GM(ゲームマスター)姫は咲を結婚ルートへ行くように導く。

 出来なければ、桃花はリミッツのものから、姫のものになる。(ほぼオマケ

 

 誰もかれもが咲を絶対にハッピーエンドにしたい、そんな誰も悪くない、歪なゲームだ。じゃあ誰が悪いかと言うと。

 姫か桃花の〈無意識〉が悪い、となるわけだが……とにかく。

 このまま普通にゲーム進行をすると、咲は【人の死を好む性格になってしまう運命】……みたいな感じになってるので、それだけは誰もが・全員・神様さえも望んでない。

 それを阻止するためのファイナルゲームとなるわけだ。

 

 ただ、咲の私情を全く考えてないし、咲の好む・フラグがある男がいない(・・・・・)という、ちょっと今までの文字数では信じられないような高難易度のゲームにはなっている……、が。

 何が何でも咲をハッピーエンドで終わらせたいのは皆同じだ。

 

 ならば誰も拒否する理由はない……。

 ではやろう……! となった。

 

 ――さぁ、最後のゲームを始めよう。

 

 ◇

 

 で、当事者の天上院咲はと言うと……。

「で、何か『お見合いしろ』みたいな流れになっちゃったんだけど……」

 話し相手は桜愛夜鈴、あんまり喋ってないが。気心知れる女友達は彼女しか居なかった。というか……。

 

「で、何でその話を私にしている……?」

 不思議に思う夜鈴に咲は困り顔で決定的な言葉を突きつける。

信条戦空(しんじょうせんくう)ともお見合いしろって言ってる」

 戦空と夜鈴はカップルだ、もう完全に「お前らくっつけ!」で成立している。……にも関わらずにだ……。


「は!? はあああああああああああああああああああ!?!?! あたしのデート相手を!? って言うか必死すぎだろあの3人!?!?」

「うん、知ってる……」


 3人というのは、姫・リミッツ・桃花の事である。

 たぶん桃花は仕方なくで、違うと思うが、姫とリミッツが必死過ぎなのである。

 咲に対して目ぼしい主人公的ポジションの男に、ツバ付けておくつもりだ。

 他のヒロインにしてみたらたまったものじゃない。

 全員咲の幸せを願ってるはずなのだが……、どっちが敵なのか解らなくなる。

 

「もしかして! お見合い相手って誰!? 男名全員言って!?」

「信条戦空、日曜双矢、近衛遊歩、真城和季、不動武、秘十席群」

 

 おいおいおいおいちょっと待て!? と、ヤバさがにじみ出てくる夜鈴。

 信条戦空は桜愛夜鈴とカップルだし。

 日曜双矢は京学文美とカップルだし。

 秘十席群は湘南桃花と似た者同士だし。

 真城和季はキャビネットが相棒だし。

 ……となると消去法で余ってるのは……。

 不登校ニートで、現『放課後クラブ』の一員、近衛遊歩か。

 軍人、『最果ての軍勢』の不動武が安全パイとなる……。

 

 流石に咲も、戦空・双矢・群・和季とは何度か会話したことがあるが。カップルの彼女を〈奪い取る〉なんて度胸も泥沼も望んでるはずもないし……。

 そんな恋愛ラノベ的シュチュエーションをやるつもりもない。ないのだが……。


 誰とも脈がない以上、全員と会話しとけ、と拒めない()からの【お願い】そりゃあ、咲の幸せを願っている3人の想いを拒めるはずもなく……。

 

「……どう思う夜鈴ちゃん……」

「普通に考えて、ニートか軍人の二択か……」

 何かそれだけで「心中お察しします」案件の夜鈴だが、……どうフォローすれば良いのか迷う。もしゲームだったら。

 

《咲は〈余り者のお姫様〉の称号を得ました!》


 とかナレーションが付きそうだ……。南無三……。

「なむさん……」

「口に出さんといて……心が痛む……」

 夜鈴のツッコミに対しても豆腐メンタルな咲であった……。

 

 誰も悪くない優しい世界……なのに何でこんなにギスギスオンライン……??

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