第571話「インフレする前にインフレしておいた」★
咲と夜鈴が激突する、その現在より10分前の出来事……。
〈心氣の色ルール〉
・〈冒険してきた努力の数〉を1ログとして扱っている。
・サブ色・基本色・応用色は後で変更は出来るけど、1戦闘中は変更できない。
・色々な色を使ったとしても、【色指定】していない色は必ず下位ランクとして別けられる。
咲と姫は戦闘前の下ごしらえ、戦闘前の設定などの準備中だった。
具体的には姫が作ったレベルデザイン表を観ていた。
「へーこれが心氣とログのルールなんだ~」
「まあ、咲が最長文学少女だから、咲よりログが多いプレイヤーは、とりあえずこの世界線には居ない。そこは安心して良い」
「この世界線には、……ね」
「まあMPが一番多いと思えば良い、戦闘力ではない」
「何で、〈ログ数イコール1文字〉で計算してるの?」
「【全ての小説家が平等に持ってる力】だからかな、やっぱ一番計算と他者と比較がしやすい。自分の計算も然り」
「ふーん」
「んで、今から咲には戦う前に、基本色と応用色のレベルを決めてもらう。レベルデザインは、私がちゃんとやったからひとまず安心して良い」
「なるほどねー。で、私の今現在のログは130万3000ログか……、行くところまで行っちゃったね」
「そのログを、色にステータスを割り振る。2つ設定するだけだ、簡単だろ」
「む~……、この数値だと、応用色の韓紅に極フリしたとしてもレベル5が限界か~、とはいえ私はオールラウンダーだから、基本色は広く持ちたいし……。質問、これレベルが高いと何が違うの?」
「有効射程範囲と力の可視化&数値化かな、意味は解るだろ?」
「まあ、ここまでやってればね……、じゃあちょっと計算してみる」
「あいよ」
というわけで、咲が考える無難な色配分はこうなった。
残りログ数◇24万3000ログ。
「あら、ログ数だいぶ余っちゃった……この余ったログはどうすればいいの?」
「……ごめん、考えてなかった。今から〈サブ色〉作るわ、やっぱ実際に本番で使わないと判らんな」
「あーまーうん……」
ラノベ単行本2冊分余らしちゃたって、かなりもったいないぞGM姫よ……。
「め、……めんどい……」
「そこは踏ん張って頑張ろうよ……」
姫はイヤイヤながら咲の言う事を聞いた。
結局、咲のサブ色は、自称〈オールラウンダー〉を明言していたこともあって。
白以外の、ブラック・シアン・マゼンタ・イエロー・ブルー・レッド・グリーンを、満遍なく習得した。白以外、7色なので、1色3万ログ、Lv.5/9で手を打った。
《天上院咲》
合計ログ数◇120万3000ログ。
基本色【白】色コード「ffffff」Lv.9/12。
応用色【韓紅】色コード「e95363」Lv.4/7。
サブ色【ブラック】【シアン】【マゼンタ】【イエロー】【ブルー】【レッド】【グリーン】全てLv.5/9。
残りログ数◇3万3000ログ。
これで桜愛夜鈴との戦闘に挑む事となっった……。
「や、やっぱ数字ってめんど……」
姫は愚痴をこぼした。




