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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第35章「城下町カーン・魔王城ロキ」西暦2037年7月8日

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第560話「第3次姉妹喧嘩2037◆1」

 第5の街カーン、ここには似たようなモブNPCがわんさか居る。さながらウオーリーを探せ! みたいな雰囲気だった。

 

「なぁなぁ、ここまで来ておいて何だけど。《野生のラスボスかっこ本物が飛び出して来た!》とか駄目か?」

「いやぁ~……流石に、ここまで(・・・・)来ておいてソレはないんじゃないかなあ~~~~? と疑問符」

 最初から最後まで本当にTRPG感覚なの何なのこの姉妹2人は?

 てか終わる終わる詐欺を何度もしたような気がする……。

 

「ここは過去の面白エピソードを混ぜながらラスボスが出現するのが良いかな~? とか」

「あーそんな感じか、ならうっぴーエピソードの再来なんてどうじゃ?」

 何か嫌な予感がしてきたと悪寒が走る咲、最初の頃、ゲーム調整がよく解らず狂ったような難易度だったアレだ。

 

《ワールドアナウンス。世界のラスボス『GM天上院姫』は、第5の街カーンで超低確率で遭遇します! んで、防御力がメッチャ固くてメッチャ逃げ足が速いです! 追い詰めて倒しましょう!》


「知ってる内容をラスボスパターンでブチ込んできたよ!? しかも私ずっとラスボスと旅してた事になってるじゃんコレ!?」

「んじゃな、偶然? 必然? いやノリ然じゃな」


「ザ・てきとうッスね……」

 そんなこんな事を言いながらワールドアナウンスを流したもんだから、プレイヤーがラスボスを倒しに来た。

 

「ラスボス死ね―! 似非はないー!!」

 

「似非も希望もあるんだよ! てか私を狙ってくるな!」

 モブプレイヤーが何故か咲のの方まで攻撃してきた。

「こういうのは、ラスボスの横の付き人を倒さないとラスボスまで手が届かないように設計されているのだ!」


(設計してねぇー!? てかその場のノリと勢いでしか決まってないぞここまで! 最初からここまで!?)


 その瞬間、ラスボス姫は奪兎の如く逃げた。

「あ! 見失った! 追えー! ラスボスを逃がすなあー!」


 モブプレイヤーは明後日の方向へ走り抜けていった……。

「ふー上手く巻いたかー……! あイテ!?」

「巻いたジャねーよ私を巻き込むな私を! 私プレイヤーだぞってイテー!?」

 いつもの柔らか姉が、3000倍ぐらい固くなっていた。

 

「まじか! いつもと体力もHPも変わってないのに驚くほど固くなってる!?」

「ふふー! ラスボス仕様なのじゃ~! そう簡単には沈まないぞ~!」

 何か本当のラスボス仕様で図が高いし天狗になっている姉がいた。

「……、てか。関係ないけどこういうVRゲームってやっぱGMがラスボスになるんだね~~?」


「あ、本当だ。まあ最後の最後の最後の最後ぐらい、やっぱワシの方が良くない? 演出的にも、わしの夢の実現が結局最終ゴール地点だったって着地点で」


 本当に咲自身には夢も目標も何も無かったので、姫のゴールが咲のゴール、という珍しい事態になっているのは、……まあ流石に納得しか無かった。


「んで? 魔王城ロキから待ちきれず、天下りしてきてこの城下町カーンが決戦場って事で良いのね?」

「他にいい場所もネーしな~。まあその分、ラスボス戦闘はマジのガチでやらせてもらおう、場所が場所だけど」

 なるほど、戦闘に関しは本気らしい、確かに、ラスボスとしての硬さは一級品だった、驚くほど固くなっている。さっきのツッコミでHP1しか減っていない。まるで一番最初のイフリート戦を思い出すようだ。「なら250回殴れ!」みたいなそんなノリで。HPは……。

 

「HPは、9999万……ですか……」


「どんな攻撃もHP1しか効かないから手数勝負じゃろうなあ~、まあ1対全員じゃし、咲は敵側で戦いたいし? そうなるっちゃそうなる」

 なるほど、咲に倒されたい。も入ってるんだろうなあ~と思いながらラスボスの思考回路を分析する勇者咲。ここまでお膳立てされるのも珍しいだろうなこれ。

「ちにみに」

「ん?」


「わしは咲とお話したいから咲のまわりに寄って来る」

「……、私何もしなくていいじゃねーか!」

 ラスボスがこれではゲームもへったくれもない。

 

「……、じゃあまあ前座はこの辺にして、上級プレイヤーも後から集まってくることも考慮して、ちゃっちゃと始めちゃいますか? 決闘(デュエル)っぽいの」


「じゃな~あ始めるか、咲と遊んでたらどんどん一杯寄ってくるじゃろうし」

「じゃあラスボスとエンカウントしたってことで良い?」

「良いのじゃ~!」

 何だこのゆるいラスボスは……。

 

《ラスボス『姫』が決闘を申し込んできた! 拒否権はない!》


「って! お前が申し込むんかい! 拒否るぞ!」

「やめてー! ゲームになんないー!!」


「はーわかったよ、OKっと……」

「やったー!」

 ポチッとな。


《ワールドアナウンス! ワールドアナウンス! ラスボス『姫』VS勇者『咲』との決闘が始まりました! 乱入は超自由! 皆で力を合わせてラスボスを倒そう!!》


「はー、じゃあやりますか……」

「おー! 本当に本当に本当に、最終決戦じゃー!」

「言っとくが寝返らないからな?」

「はいフラグ―! 悪役令嬢を助ける勇者様の図ー!」


「だからフラグじゃね―! 私の人生めちゃくちゃにしやがって! メッタメタにしてやるー!!!!」

 思念が入りすぎている姉妹喧嘩が、また幕を開けた。

 豆知識

 名前◇ラスボス『姫』。

 分類◇ラスボス_ヒロイン_ある意味悪役令嬢。

 解説◇今の今までボケ役をやってきた相方漫才の相棒が、まさかのラスボス。しかもゆるすぎる関係性に緊張感がまるでない、共に笑い・泣き・苦楽を共にした相棒との夢「ラスボスで倒されること」……あともう少しで、その夢が果たされようとしていた。

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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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