第559話「城下町カーン・魔王城ロキ」★
豪華客船ミルヴォワールは無事、着港した。ので新参であるサキ&ヒメ姉妹は別の遊びに身を移す……。
地図師のユニークスキル『四方鳥瞰』。高度1000メートルからの情景を視察する。
100メートルから先、その情景はまだ咲は視察していない……。
絵で描けば一発なのだが、ここらへんの文字による地図制作にはまだ慣れていない、そこから視た情景をどう文字として読み取り、書き写すかが焦点となる。
これも本番という名の修行なのだ。
〈東側。500メートル先に廃墟と化したもう一つの港がある、どうやらモンスター達に占領されたようである。〉
〈西側。100メートル以内にログインポイントが有り、それより先は海しか無い。〉
〈南側。豪華客船ミルヴォワールをバックに海しかない。〉
〈北側。1000メートル先に魔王城の城下町あり……ここから先は危険な旅になりそうだ〉
今回はギルドに報告する義務はないから、文字制限の数字はない、好き勝手にサキは見渡す……。
《ピロイン! 一定の条件を満たしたので、地図が更新されました!》
「あらあら、今は第4の街だから次行ったら最終決戦ってこと?」
「ホントだ……ちなみにラスボスはわしな!」
「エッッッ!?」
サキはヒメに対して驚きの表情とリアクションを見せる。てかネタバレ……。
「だって昔から言ってるだろ!? ラスボスやりたいって!! ココ以外に出来る機会なんて滅多に無いからな!」
「いや、そうだけど、……そっかーじゃあ本ゲームのエンディングも近いんだね」
名残惜しそうに言うサキ、ここまで手探りだった、本当に手探りだった、……それが遂に魔王城が目の前まで来ているのである。
「あとは第5の街『城下町カーン』をくぐり抜けてラストダンジョンだ!」
「城下町カーン……か、魔王城の名は?」
「魔王城ロキ――。」
「魔王城ロキ……。」
サキはその意味を意味深に反芻する……。
サキは10秒ほどの長い間を開けてから言う。
「うん! ぴったりな名前だね! パンデモニウムよりずっと良い!」
「じゃあ、お約束だが、十分な準備を済ませてから。敵の本拠地に乗り込むぞー!」
「おー! じゃあ明日やろうこのゲームとりあえず一泊空ける感じで!」
「おっけーなのじゃー!」
といわけで、今回のゲームは終わり。
最終決戦に備えて……。
明日に備えて、寝ることになった。




